iPhoneでYouTubeを視聴する際、多くの方は公式アプリを使っていると思います。しかし、2025年6月に配信されたYouTubeアプリのアップデートで、一部の古いiPhoneでは今後利用できなくなる可能性が出てきました。
特に、iPhone 6s・7・SE(第1世代)、iPad Air 2・iPad mini 4などをお使いの方は要注意です。そこで、この問題について詳しく解説し、具体的な対処法をお伝えします。
YouTubeアプリの動作要件が変更された背景
2025年6月2日にリリースされたYouTubeアプリのバージョン20.22.1から、動作要件が「iOS 16以降」に変更されました。これまではiOS 15でも利用できていたため、古いiPhoneとiPadユーザーにとっては大きな変化となります。
今回、変更された背景ですが、新機能の追加や既存機能の改善を行う際、古いOSでは技術的な制約が生じることがあります。また、セキュリティ面でも、古いOSのサポートを続けることはリスクを伴います。さらに、開発・テストのコストを考慮すると、サポートするOSの範囲を絞ることは合理的な判断といえるでしょう。
影響を受けるiPhoneとiPadの機種
今回の変更で影響を受けるのは、iOS 16にアップデートできない機種です。使っている方が多いと思われる代表的な機種は次のとおりです。
- iPhone 6s / 6s Plus(2015年9月発売)
- iPhone SE(第1世代)(2016年3月発売)
- iPhone 7 / 7 Plus(2016年9月発売)
- iPad Air 2(2014年10月発売)
- iPad mini 4(2015年9月発売)
これらの機種は、Appleの公式サポートにより、iOS 16へのアップデートが提供されていません。そのため、最新のYouTubeアプリを利用することができなくなります。実際にiPhone 7でYouTubeアプリをインストールしてみようと試したところ、下のようにメッセージが表示されて、すでにインストールできなくなっていました。

ちなみに、iPhone 8以降の機種であれば、iOS 16以降にアップデート可能なので、今回の変更による影響は受けません。
使えているYouTubeアプリに今後どんな問題が起きる?
「YouTubeアップデートできないだけで、今のアプリが使えなくなるわけではないでしょ?」と思われる方もいるかもしれません。確かに、現在インストールされているYouTubeアプリが即座に使えなくなるわけではありません。
しかし、時間が経つにつれて次のような問題が発生する可能性があります。
- 動作の不安定化
- アプリが頻繁にクラッシュする
- 動画の読み込みが遅くなる
- 新機能の利用不可
- 新しい動画形式に対応できない
- UI改善の恩恵を受けられない
- セキュリティリスク
- 古いバージョンのセキュリティ脆弱性が修正されない
- 完全なサービス停止
- 最終的にはアプリが起動しなくなるか、「YouTube.com に切り替えてください」みたいなメッセージが表示されて使えなくなる可能性
YouTubeの公式ヘルプページでも、サポートされていないデバイスでは「視聴できなくなる」と明記されているので、「4.完全なサービス停止」の可能性が高いと思われます。
今すぐできる対処法:Webブラウザでの視聴
では、該当する機種をお使いの方はどうすればよいのでしょうか。最も簡単で確実な方法は、SafariやChromeなどのWebブラウザでYouTubeを視聴することです。
ブラウザでの視聴にはいくつかのメリットがあります。まず、機種変更の必要がなく、無料で利用できるため経済的な負担がありません。また、基本的な機能はすべて利用できるので、動画視聴に必要な機能で困ることはないでしょう。
ただし、いくつかの注意点もあります。アプリと比べて操作性が劣る場合があり、特に通知機能が制限されるため、お気に入りのチャンネルの新着動画をすぐに知ることができない可能性があります。また、通知機能が制限される、バックグラウンド再生が不可などのデメリットも存在します。
ブラウザでの視聴方法は簡単で、SafariでYouTube.comにアクセスするだけです。ホーム画面にショートカットを作成すれば、アプリのような感覚で利用できます。
この方法については、👇の記事で詳しく方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
上の記事でも書いていますが、今年の2月に同様の問題が発生しています。主に古いAndroidスマホやタブレットで「YouTube.com に切り替えてください」というメッセージが表示されるようになり、YouTubeアプリが使えなくなりました。これは今回のiPhoneと同様に、古いOSのサポートが打ち切られたためです。
他のアプリでも同様の問題が発生する恐れ
現在利用中の機種を発売日から考えると、iPhone 6sは約10年、iPhone 7でも約9年が経過しています。スマートフォンの一般的な買い替えサイクルが3〜4年程度であることを考えると、機種変更を検討する良いタイミングかもしれません。
実は、YouTubeアプリだけでなく、他のアプリでも同様の問題が発生しています。例えば、次のアプリは既にiOS 15のサポートを終了しています。
- PayPay
- Yahoo!カーナビ
- その他多数のアプリ
これらのアプリも、セキュリティや機能面での理由から、新しいiOSバージョンを要求するようになっています。つまり、古いiPhoneを使い続けることで、利用できなくなるアプリが今後も増えていく可能性が高いということです。
やはり機種変更がおすすめ!その理由とは
ここまでブラウザでの視聴方法を紹介してきましたが、正直なところ、根本的な解決策としては新しいiPhoneへ機種変更するのがおすすめです。
なぜ機種変更がおすすめなのか
前述したように、YouTubeアプリ以外にも多くのアプリがiOS 15のサポートを終了しています。PayPayやYahoo!カーナビなど、日常的に使うアプリがどんどん利用できなくなっているのが現状です。
つまり、今回のYouTubeアプリの件は「氷山の一角」に過ぎません。今後も同様の問題が次々と発生することは間違いないでしょう。
セキュリティ面でのリスクも考慮を
また、古いiOSを使い続けることは、セキュリティ面でもリスクがあります。Appleは新しいセキュリティ脅威に対して定期的にアップデートを提供していますが、古いOSはこうした最新のセキュリティ対策を受けられません。
特に、オンラインバンキングやキャッシュレス決済を利用している方にとって、セキュリティは非常に重要な要素ですよね。
iPhoneをできるだけ安く手に入れるには?
iPhoneをできるだけ安く手に入れたい場合は、👇の記事が参考になるかと思います。記事はiPadを対象としていますが、ほとんどiPhoneに置き換えられる内容なので、機種変更を検討している方はぜひチェックしてみてください。
まとめ:長期的な視点で対策を検討しよう
今回のYouTubeアプリの要件変更は、古いiPhoneユーザーにとって大きな影響を与えます。しかし、慌てる必要はありません。
当面の対処法として、WebブラウザでのYouTube視聴は十分に実用的です。ただし、今後も同様の問題が他のアプリで発生することを考えると、長期的には機種変更を検討することをおすすめします。
特に、iPhone 6s・7・SE(第1世代)をお使いの方は、これらの機種がすでに発売から7年以上経過していることを考慮すると、新しいiPhoneへの買い替えを検討する良いタイミングといえるでしょう。
最後に、もし機種変更を検討される場合は、現在のデータのバックアップを忘れずに行ってくださいね。iCloudバックアップなどでしっかりと準備しておけば、新しいiPhoneへスムーズに移行できます。
とりあえず、すぐに機種変更できない場合は、今回紹介した手順を試してみてください。