「Amazonで買い物したんだけど、領収書が見当たらない…」そんな経験をされた方、最近増えていませんか?
実は2025年6月以降、Amazonで領収書を発行しようとすると、「領収書」というリンクが見つからないケースが急増しています。これはAmazonの仕様変更によるもので、インボイス制度(適格請求書制度)への対応が主な理由です。
そこで、この変更によって「結局どうすればいいの?」と困っている方に向けて、Amazonで領収書や適格請求書を発行する最新の方法を解説します。スマホでもPCでも対応できる手順をわかりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【続報】前回の記事から約3ヶ月が経過
以前、当サイトで「Amazonで領収書が表示されない・印刷できない?2025年6月上旬から発生している不具合と対処法まとめ」という記事を公開しました。あの時点では「不具合かもしれない」という状況でしたが、その後Amazonの正式な仕様変更であることが明らかになっています。
Amazonの領収書・適格請求書の最新仕様
まずは現在の状況を整理しましょう。
2025年以降、Amazonでは物理商品(本や家電など)について、従来の「領収書」リンクが廃止され、「適格請求書(インボイス)」が標準的な書類となりました。一方で、Kindle本やプライム会費といったデジタル商品の一部では、今でも「領収書」ボタンが残っているケースもあります。
適格請求書とは、消費税の仕入税額控除を受けるために必要な、税制に対応した正式な書類のこと。登録番号や消費税額などが明記されており、法的な効力を持つ証憑書類として使えます。
つまり、「領収書が出せない」のではなく、現在では「適格請求書が実質的に領収書の代わりになった」というわけですね。
領収書と適格請求書の違い
「領収書と適格請求書って、何が違うの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。簡単に比較してみます。
項目 | 領収書 | 適格請求書 |
---|---|---|
主な目的 | 支払いが完了した証明 | 消費税制度に対応した正式証憑 |
記載内容 | 金額、支払日、発行者名など | 上記に加え、登録番号、税率、消費税額など |
法的効力 | 支払い証明として有効 | 消費税控除にも対応 |
用途 | 一般的な経費精算 | 事業者の仕入税額控除、経費精算全般 |
領収書は「お金を払いました」という証明書であるのに対し、適格請求書は税制面での要件も満たした、より詳細な書類というイメージです。
Amazonでは適格請求書が領収書の代用になる
ここが重要なポイントですが、適格請求書は「領収書」として問題なく使えます。
法律上も会計上も、適格請求書には支払いの証明としての機能がしっかり含まれていますので、経費精算や証憑保存に使ってもまったく問題ありません。むしろ、より詳細な情報が記載されている分、信頼性は高いとも言えるでしょう。
「適格請求書しか出せないけど大丈夫?」と心配する必要は特にありません。会社の経理部門や税理士さんも、この書類で対応可能です。
ただし、会社や経理処理のルールによっては追加の確認が必要な場合もあります。こちらについてはローカルルールとなるため、担当の部署などに確認を行なってください。
適格請求書(インボイス)発行の注意点
便利な適格請求書ですが、発行できないケースもあります。注意しておきたいのが、Amazonマーケットプレイスで購入した商品です。
マーケットプレイスとは、Amazon以外の出品者が商品を販売している仕組みのこと。この出品者がインボイス事業者として登録していない場合、適格請求書を発行できません。この場合は、出品者に対してリクエストを送信する形になります。
また、多くの場合、出荷完了後〜配達完了後に適格請求書が表示可能になります。そのため、購入直後は表示されない可能性があるので注意しましょう。
【手順】PCでの発行方法
それでは実際の発行手順を見ていきましょう。まずはPCからの方法です。
適格請求書を発行する
適格請求書はほぼすべての購入物で発行できます。基本的にはこちらを発行しておけば問題ありません。
適格請求書を発行するには、Amazonのウェブサイトにアクセスし、ログインします。画面右上の「注文履歴」をクリックしてください。

注文履歴のページが開くので、適格請求書を発行したい商品を探します。該当商品の右上にある「領収書等」のリンクをクリックし、「明細書/適格請求書」を選択します。

マーケットプレイスで購入した際、出品者がインボイス事業者として登録していない場合は、Amazonのシステムから適格請求書を発行ができません。そのため「明細書/適格請求書」が表示されません。この場合は、「請求書のリクエスト」をクリックします。出品者への連絡フォームが表示されるので、ここで相手に適格請求書の発行を直接依頼してください。なお、出品者がインボイス非登録の場合は正式な適格請求書の発行自体ができません。
これで適格請求書のPDFファイルが表示されます。そのままダウンロードして保存したり、印刷したりできます。

注意点として、注文から少し時間が経たないと表示されないこともあります。この場合は、商品発送後や配達完了後に再度チェックしてみてください。
デジタル商品の領収書の発行
Kindle本などのデジタル商品では、以前の領収書を発行できます。これらも前述の適格請求書で問題ありませんが、どうしても以前の領収書がほしい場合は、次の手順で発行します。
注文履歴を開いたら、領収書や適格請求書を発行したいデジタル商品を探します。該当商品の右上にある「領収書等」のリンクをクリックし、「領収書/購入明細書」を選択します。

これで領収書のPDFファイルが表示されます。これをダウンロードしてください。

【手順】スマホ(モバイル)での発行方法
次にスマートフォンやタブレットからの発行方法です。
なお、Amazonの公式アプリからは、適格請求書や領収書を発行できません。 スマホで発行したい場合は、SafariやChromeなどのWebブラウザからAmazonのサイトにアクセスする必要があります。ここではiPhoneで手順を説明しますが、Androidでも基本的には同じです。
ブラウザでAmazonを開こうとすると、モバイルアプリが開いてしまうことがあります。この場合は、ブラウザでAmazonを検索し、Amazonへのリンクを長押しします。表示されたメニューで「新規タブで開く」をタップします。これでブラウザのままAmazonを表示できます。


Amazonにログインしたら、画面右上のアカウント名をタップします。メニューが表示されるので、「注文履歴」にある「すべてを表示」をタップします。


注文履歴が表示されるので、適格請求書を発行したい商品をタップします。注文の詳細が表示されるので、下の方にある「明細書/適格請求書」をタップします。


画面下部に表示される「明細書/適格請求書を表示」をタップすると、適格請求書が表示されます。適格請求書のPDFファイルをダウンロードするには、「…」をタップします。


メニューが表示されるので「共有」をタップします。共有メニューが表示されたら、「ファイルに保存」をタップします。


ファイルの保存場所を指定して「保存」をタップします。これで「invoice」というファイル名で適格請求書が保存されました。ファイルアプリなどを使って確認してください。


あとは保存されたファイルをメッセージ・メール・AirDropなどでPCに転送して印刷するか、ファイルをネットプリントなどのサービスにアップロードして、コンビニなどで印刷します。
まとめ
2025年以降のAmazonでは、「適格請求書」が領収書と同じ役割を果たすようになりました。最初は戸惑うかもしれませんが、仕組みを理解すれば問題なく使いこなせます。
適格請求書は領収書としても証明力を持つ書類ですから、経費精算や確定申告にも安心して使えます。PCでもスマホでも発行できますので、ぜひ今回の手順を参考に、必要な書類をしっかり保存しておいてください。
仕様変更で少し複雑に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。これからも安心してAmazonでのお買い物を楽しんでください。