Apple Watchの新しいモデルが出ると、毎回悩んでしまいますよね。特に今回のSeries 10とSeries 11は、「マイナーアップデート」と言われるほど違いが小さく、どちらを選べばいいか迷っている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、この2つのモデルは劇的な性能差はありません。しかし、細かい違いを理解すると、あなたにとって最適な選択が見えてくるはずです。
この記事では、スペック比較から実際の使用感、そして「こんな人にはこっちがおすすめ」まで、具体的にナビゲーションしていきますね。購入前の最後の決め手として、ぜひ参考にしてください。
Apple Watch Series 10とSeries 11基本スペックの比較
まずは、Apple Watch Series 10とSeries 11の基本的なスペックから見ていきましょう。
サイズ・ディスプレイ・重量
Apple Watch Series 10とSeries 11は、サイズや重量に関してはほぼ同一です。どちらも42mmと46mmの2サイズ展開で、ディスプレイサイズや解像度も変わりません。
重量についても、アルミニウムケースで比較すると数グラム程度の違いしかなく、実際に身につけても差を感じることはないでしょう。
素材・カラーバリエーション
素材面では大きな変更はありませんが、Series 11では一部のカラーバリエーションが追加されています。とはいえ、選択肢が劇的に増えたわけではないので、色にこだわりがなければ決め手にはならないかもしれませんね。
処理性能:チップは同じS10を採用
ここが重要なポイントなのですが、Series 10もSeries 11も、どちらも同じS10チップを搭載しています。つまり、処理速度や操作感については、体感できるような差は全くありません。
アプリの起動速度やタッチレスポンス、Siriの反応速度など、日常使いで感じる「サクサク感」は両モデルとも同等と考えてよいでしょう。
バッテリー:ここが最大の違い
スペック面で最も大きな違いが、バッテリー持続時間です。
- Series 10: 最大18時間
- Series 11: 最大24時間
実際のレビューでは、さらに驚きの結果が報告されています。 Wiredのレビューでは、一日中使用して睡眠トラッキングもした後の朝に、まだ58%のバッテリーが残っていたそうです。CNETでは27〜32時間の使用ができたという報告もあり、Appleが公表している24時間という数字は控えめな設定のようですね。
これまで10年間、Apple Watchは18時間の壁を超えられませんでしたが、ついにその壁を破ったのが今回の大きなポイントです。
機能・新機能の比較:ソフトウェアで差がつく部分
ハードウェア面ではほぼ同等の両モデルですが、搭載される機能やソフトウェア面では違いがあります。ただし、「Series 11だけの機能」と思われるものの多くが、実はSeries 10にも後から提供される予定になっています。
Series 11で新たに追加された機能
Series 11では、次の新機能が搭載されました。
- 高血圧通知(ハイパーテンションアラート)
- 新しい睡眠スコア機能
- より詳細な健康データ分析
ただし、これらの新機能は、今後のソフトウェアアップデートでSeries 10にも提供される予定。つまり、新機能だけを理由にSeries 11を選ぶ必要性は、実はそれほど高くないかもしれません。なお、高血圧検知については、厚生労働省などの医療機器認証の関係で日本での提供時期は未定となっています。
両モデルで使える共通の健康・フィットネス機能
どちらのモデルでも、次の機能はフル活用できます。
- ECG(心電図)測定
- 血中酸素濃度測定
- 睡眠トラッキング
- 呼吸数モニタリング
- 転倒検出・衝突検出
- 各種ワークアウト測定
基本的な健康管理やフィットネス機能については、Series 10でも全く不足を感じることはないでしょう。
OS・操作性
両モデルとも最新のwatchOS 26に対応しており、操作体系やUIも同一。つまり、特にどちらを選んでもそれほど大きな変わりはないということです。
実際のレビューから見える真実:普段使いでの違いは?
実際の使用感について、海外では専門レビュアーのレビューが出始めています。これらのレビューをまとめていきたいと思います。
レビュアーが驚いたバッテリー性能
多くの専門レビュアーが「期待を上回った」と評価しているのがバッテリー性能です。 Tom’s Guideのレビュアーは「10年間、18時間の壁を超えられなかったApple Watchが、ついに24時間の壁を破った」と評価しています。
実際の使用では、Appleが公表している24時間よりもさらに長時間使えるケースが多く、睡眠トラッキングをしながらでも余裕を持って使用できるようです。
日常使いではほぼ差を感じない
一方で、メール確認、天気チェック、音楽操作といった普段使いの場面では、多くのレビューで「2つのモデルに違いを感じることはほとんどない」と言及されています。
前述したように同じS10チップを使っているため、アプリの動作やタッチ操作の反応速度も同等。「新しいモデルの方が速い!」という体感はレビューでも確認されていません。
Series 11の細かな改善点
ただし、細部では次のような違いがあります。
耐久性の向上
Series 11では、Ion-Xガラスの耐傷性が2倍に向上しています。これは実際のレビュアーも注目するポイントで、アウトドアスポーツをよくする方や、仕事で手首をぶつけることが多い方には、地味ですが非常に実用的な改善ですね。
5G対応
Series 11では5G通信に対応していますが、これは対応国が限定されており、日本ではまだフル活用できません。ただし、Apple Watchを単体で使用する機会が多い方には将来的にメリットとなる可能性があります。
充電速度の向上
15分の充電で8時間の通常使用、5分の充電で8時間の睡眠トラッキングが可能になりました。これは朝の忙しい時間帯に「充電し忘れた!」という場面で威力を発揮します。
アップグレードは必要?
結局気になるのは、「Series 11は買いか?」という点です。すでに持っている人はアップグレードすべきかどうか、新規の人は本当に買って損はないかが気になると思います。
「Series 10ユーザーは急いでアップグレードする必要なし」
複数のレビュアーが共通して言及しているのが、「現在Series 10を使っている人は、バッテリー持ちが特に重要でない限り、急いでアップグレードする必要はない」という点です。
TechRadarのレビュアーは「Series 11は最も有能でバランスの取れたApple Watchだが、Series 10ユーザーがアップグレードする理由は限定的」と評価しています。
「初のアップグレード推奨年」という声も
一方で、Wiredのレビュアーは「通常、最近のApple Watchを持っている人にはアップグレードを推奨しないが、Series 11は例外だ」とコメント。バッテリー持ちの大幅改善により、「初めてアップグレードを推奨する年になった」という評価をしています。
Series 10の価格メリット
Series 10は既に市場に出回って時間が経っているため、公式価格の値下げやセール、中古市場での選択肢も豊富です。特に「基本的な機能で十分」という方にとっては、コストパフォーマンスの面でSeries 10に軍配が上がるでしょう。
Series 11の価値
一方、Series 11は最新モデルのため価格は高めですが、バッテリー持ちの向上と細かな機能改善を考えると、長期間使うことを考えれば妥当な価格設定とも言えます。
特に、Apple Watchを3年以上使い続ける予定の方は、バッテリー劣化のことを考えると、最初からより長持ちするSeries 11を選んでおく方が結果的にお得かもしれません。
見逃せない選択肢:Apple Watch SE 3という第三の選択
ここまでSeries 10とSeries 11を比較してきましたが、実は今回のアップデートで最も注目を集めているのがApple Watch SE 3かもしれません。
SE 3が「エントリーモデルの枠を超えた」理由
レビュアーたちが一様に驚いているのが、SE 3の進化ぶりです。T3のレビュアーは「手頃な価格と高級モデルの境界線が深刻にぼやけた」と表現し、Tom’s Guideでは「もはやエントリーモデルではなく、フル機能のスマートウォッチが信じられない価格で提供されている」と評価しています。
SE 2からの主な進化点
- 常時表示ディスプレイ:SE 2では画面を見るたびに手首を上げる必要がありましたが、SE 3では常に時計の文字盤が表示されるように
- 内蔵スピーカー:通話や音声操作、アラームなどがより実用的に
- 処理性能の向上:より新しいチップ搭載でアプリの動作がスムーズに
Series 11との主な違い
- 血圧測定機能なし:高血圧通知機能はSE 3には搭載されていません
- ECG(心電図)機能なし:心電図測定はSeries 11の専用機能
- 血中酸素測定なし:酸素飽和度の測定機能も非搭載
- バッテリー持続時間:SE 3は従来通り18時間(Series 11は24時間)
- ディスプレイ輝度:最大1,000ニト(Series 11/10は最大2,000ニト)
- 素材:SE 3はアルミのみ
しかし、基本的なフィットネストラッキング、睡眠モニタリング、通知機能、音楽操作などは、Series 11とほぼ同等に利用できます。
こんな使い方なら SE 3で十分
価格を最重視し、血圧や心電図などの次のような健康機能が不要であれば、SE 3も検討リストに加える価値は十分にあるでしょう。バッテリー持続時間も18時間あるため、日常使いには困りません。
- 通知確認やメッセージ返信
- 基本的なフィットネストラッキング(歩数、カロリー、ワークアウト)
- 睡眠時間の記録(詳細スコアは不要)
- 音楽操作やSiri利用
- Apple Payでの支払い
こんな人におすすめ:タイプ別選択ガイド
ここまでの比較を踏まえて、どちらのモデルが最適かを整理してみます。
Series 11がおすすめの人
次の条件に当てはまる方は、Series 11を選ぶメリットが大きいでしょう。
- 常に最新のApple製品を使いたい
- バッテリー持ちを最重視する(睡眠トラッキング重視の方など)
- 将来的に5G機能を活用したい
- アウトドアスポーツが多く、より頑丈なモデルが欲しい
- 3年以上の長期利用を予定している
Series 10がおすすめの人
一方、次の条件ならSeries 10がぴったりです。
- 基本的な健康・フィットネス機能で十分
- コストパフォーマンスを重視したい
- セールや割引を狙いたい
- 新機能にそれほど魅力を感じない
- 2年程度での買い替えを予定している
SE 3がおすすめの人
最もコストパフォーマンスを重視する方には、SE 3という選択肢があります。
- とにかく価格を抑えたい
- 血圧測定・ECG・血中酸素測定は不要
- Apple Watchを初めて使う
- 通知確認とフィットネストラッキングがメイン用途
- 常時表示ディスプレイは欲しい
- 18時間のバッテリーで十分
- シンプルな機能で満足できる
お得に購入するならAmazonなどがおすすめ
Series 10はApple公式ではすでに販売終了。Series 11またはSE 3が公式で購入できます。しかし、やはり定価販売なんですよね。
「できるだけお得に購入したい」なら、AmazonなどのECサイトを狙った方がいいでしょう。実際、AmazonではSeries 10・Series 11・SE 3のいずれのモデルも販売中。また、公式価格よりも少し値引きされて販売されています。
特にSeries 10は発売から時間が経っていることもあり、より大きな割引が期待できる状況です。Series 11やSE 3も発売直後としては珍しく、早くも若干の値引きが行われています。また、Amazonなどではポイントもつくので、その分だけお得なのは間違いありません。
色やサイズの選択肢が、公式より少ないという点が玉に瑕ですが、自分の欲しかったモデルが見つかるのであれば、こちらの方がお得です。ぜひチェックしてみてください。



まとめ:自分のライフスタイルと予算に合わせて選ぼう
Apple Watch Series 10とSeries 11は、基本的な性能や日常使いの体験において「ほぼ同じ」と考えて間違いありません。劇的な進化を期待している方には物足りないかもしれませんが、それだけApple Watchが成熟した製品になったということでもありますね。
また、今回はSE 3が大きく進化しており、廉価版とは思えないほどの性能を獲得しています。フルスペックの健康機能がいらないなら、こちらは非常に良い選択肢でもあります。
ですので、自分のライフスタイルと予算に合わせて、納得できる選択をしてください。