Appleの未発表製品に関する大規模なリークが話題になっています。iOS 26の初期ビルドが外部に流出し、その中から折りたたみiPhoneやAirTag 2、Vision Airなど、まだ発表されていない多数のデバイスのコードネームが発見されました。
そこで、このリーク内容を整理しながら、「何が事実で何が噂なのか」という線引きをしっかり行います。さらに、現在のメモリ価格高騰がこれらの製品にどう影響しそうかという現実的な視点も加えて解説していきます。
流出元は「iOS 26の初期ビルド」
今回のリークは、試作機に搭載されていたiOS 26の初期ビルド(ビルド番号:23A5234w)が解析されたことで明らかになりました。この内部ビルドから、未発表デバイスのコードネームが多数発見されたという経緯です。
ここで重要なのは、「事実」として確認できるのは「そのビルドにその文字列が含まれていた」ことまでだという点なんですよね。つまり、これらのデバイスの発売が確定しているわけでも、仕様が固まっているわけでもありません。
このiOS 26はApple内部では以前「iOS 19」と呼ばれていたバージョンで、かなり初期段階のビルドだと見られています。そのため、開発途中で計画が変更されたり、最悪の場合は中止される可能性も十分にあるということを頭に入れておく必要があります。
コードネームが示すもの・示さないもの
リーク情報を見る上でもう一つ押さえておきたいのが、コードネームの性質です。Apple製品のコードネームは、開発段階での内部識別用に使われるもので、必ずしも製品名や機能を正確に反映しているとは限りません。
たとえば過去には、開発段階では存在していたプロジェクトが、市場状況や技術的課題から発売直前でキャンセルされた例もあります。今回見つかったコードネームの中にも、既に計画が中止されているものが含まれている可能性は十分考えられます。
それでも、これだけ多数のコードネームが一度に流出したことで、Appleが今後どの分野に投資しようとしているのか、その方向性を読み取るヒントにはなりそうです。
AirTag 2と新ホームハブで「探す×スマートホーム」強化?
それでは、カテゴリ別に見えてきた未発表デバイス群を見ていきましょう。まずはAirTagやホームデバイス関連からです。
今回のリークで確認されたのは、AirTag 2(コードネーム:B589)、2種類のホームハブ(据え置き型と壁掛け型)などです。さらに、未知のホームアクセサリやテーブルトップロボットといった興味深いプロダクトのコードネームも含まれていました。
これらを総合すると、Appleは「位置情報」「スマートホーム」「ロボティクス」という3つの要素を組み合わせて、家庭内のエコシステムをさらに充実させようとしているのかもしれません。もちろん、これはあくまで推測の域を出ませんが、方向性としては面白いですよね。
AirTag 2については、初代の課題だった電池寿命の改善やUWB(超広帯域無線)の精度向上などが期待されます。ホームハブについては、Matter対応を前提とした新世代のスマートホームコントロールセンターになる可能性があります。
iPhone 17e、iPhone Air 2、折りたたみiPhone
iPhoneとiPad関連では、かなり多様なラインナップのコードネームが見つかっています。
iPhone関連では、iPhone 17eとみられるモデル、iPhone Air 2と推定されるモデル、iPhone 18 Pro / Pro Maxと見られるモデル、そして注目の折りたたみiPhone(コードネーム:V68)などのコードネームが確認されました。これらのラインナップを見ると、Appleが価格帯とフォームファクタの多段化を進めようとしている様子が伺えます。
iPhone 17eとされるモデルは、2025年2月に発売されたiPhone 16eの後継として、エントリーモデルの進化版と位置づけられています。iPhone 17eについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
一方、iPhone Airシリーズについては、やや複雑な状況です。一部報道では初代iPhone Airの市場反応が芳しくなかったとされており、iPhone Air 2と推定されるモデルの計画がこのまま進むのか、それとも方向転換されるのかは不透明な部分があります。コードネームが存在すること自体は事実ですが、実際の製品化については微妙な情勢です。
そして最も注目を集めているのが折りたたみiPhoneです。サムスンやファーウェイなど競合他社が既に市場投入している折りたたみスマートフォンに、Appleがどのようなアプローチで参入するのか、技術者やガジェット好きの間で大きな関心事となっています。
iPad 12とM4 iPad Air
iPad関連では、iPad 12、そしてM4 iPad Airの11インチモデルと13インチモデルのコードネームが確認されています。
iPad 12という名称が示唆しているのは、ベースモデルiPadのナンバリング継続です。現行のiPad(第10世代)に続く形で、引き続きエントリーモデルとしてのポジションを維持していくものと思われます。
M4 iPad Airについては、ProシリーズとAirシリーズでのチップ世代の関係性が整理される可能性を示しています。従来、Airシリーズは一世代前のチップを搭載することが多かったのですが、M4搭載となれば、Proとの差別化ポイントがディスプレイ(ProMotion対応の有無)やカメラシステムに集約されていくことになるでしょう。
これらのモデルについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
低価格A18 Pro MacBookとM5世代Mac群
Mac関連のコードネームも豊富です。特に注目されているのが、A18 Proを搭載すると見られる、比較的低価格帯を狙ったMacBookの存在が示唆されていることです。
これまでMacはMシリーズチップで統一されてきましたが、A18 Pro搭載のMacBookが登場すれば、さらなる低価格化が実現する可能性があります。iPhoneやiPadに使われているAシリーズチップをMacに転用することで、コストを抑えながらも十分な性能を確保できるという戦略なのかもしれません。A18チップ搭載のMacBookについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
一方、M5世代については、MacBook Air、MacBook Pro、Mac mini、Mac Studioなど、ほぼ全てのMacラインナップのコードネームが確認されています。さらに驚くべきことに、M6世代の14インチMacBook Proのコードネームまで存在しているんです。
これは、Appleがシリコン設計において、2〜3年先までのロードマップをかなり具体的に描いていることを示唆しています。開発者やクリエイターにとっては、今後の投資計画を立てる上で参考になる情報と言えます。
また、Apple Studio Display 2のコードネームも確認されており、現行モデルの課題(Webカメラの画質、スタンドの調整機構など)を改善した新世代ディスプレイが開発中であることが伺えます。Mac StudioやMac miniと組み合わせるデスクトップ環境の選択肢が広がりそうです。
(Studio Displayは憧れだけど、高すぎるのが難点)
Vision Air、安価なVision Pro、AIスマートグラス
XR(拡張現実)とウェアラブル分野では、複数にわたるデバイスのコードネームが見つかっています。
まず注目されているのがVision Airです。現行のVision Proは価格が599,800円と非常に高額で、一般消費者には手が届きにくい製品。Vision Airは、より軽量で廉価なバージョンとして展開される可能性があり、XRデバイスの普及拡大を狙ったモデルと見られています。
さらに、AIスマートグラス(コードネーム:N401)の存在も見つかっています。これは、Meta(旧Facebook)のRay-Ban Storiesのような、日常的に着用できるスマートグラスを目指したプロダクトかもしれません。
ただし、ARグラスのプロトタイプ(N421/N107)については、既に計画が中止されたとの情報もあります。頭部装着型からメガネ型まで、Appleが複数のアプローチを試行錯誤している様子が見て取れますね。
ウェアラブル関連では、Apple Watch Series 12やApple Watch Ultra 4のコードネームも確認されています。これらは順当な進化モデルとして、今後数年間で順次リリースされていくものと思われます。
メモリ高騰で「初物ハイエンド」はいくらになる?
新モデルはワクワクしますが、どうしても気になるのが現在のメモリ価格高騰。これが、未発表製品に与える影響です。
AI開発競争の激化でデータセンター向けの高性能メモリ需要が爆発し、PC・スマートフォン向けの汎用メモリの生産が後回しにされているのが主な原因で、DRAM(ダイナミックRAM)とNAND型フラッシュメモリの価格は急激に上昇。実際、短期間で大幅に値上がりして話題になっています。
Appleの特殊な調達戦略と2026年の転換点
ただし、Appleの状況は他のメーカーとは少し異なります。Appleはこれまで、Samsung ElectronicsやSK Hynixといったメモリメーカーと年単位の長期契約(LTA: Long-Term Agreements)を結んでいたため、市場のスポット価格変動の影響を受けにくい構造にありました。いわば、市場価格が乱高下する中でも、契約で固定された価格で調達できる「保険」があったわけです。
しかし、複数の報道によると、この長期契約が2026年1月頃に期限切れを迎えるとの観測が出ています。そして、新たな契約交渉では、メモリメーカー側がAppleに対しても大幅な価格引き上げを要求する可能性が高いと伝えられています。
現在のメモリ市場は完全な売り手市場に転換しており、一部報道では、Samsungが自社スマートフォン部門を含む長期契約に慎重になっていると伝えられています。これほど徹底した利益追求姿勢の前では、Appleといえども特別扱いは期待できない状況にあるようです。
現行製品と将来製品での影響の違い
重要なのは、この影響が「いつ」「どの製品」に及ぶかという点。
現在発売中のM4チップ搭載MacBookやiPhone 17シリーズなどは、設計段階で調達価格が既に固定されているため、メモリ高騰の影響をすぐには受けない可能性が高いとされています。Appleが製品サイクルの途中で、部品コスト上昇だけを理由に値上げするケースは極めて稀です。
一方、2026年以降に登場する製品、具体的にはM5以降のMac、iPhone 18シリーズ、折りたたみiPhone、Vision系デバイスなどは、新しい契約価格の影響を受けて、価格上昇する可能性があります。
今回リークされた製品の中でも、特に高容量メモリを前提とする折りたたみiPhone、Vision系デバイス、AIスマートグラス、M5/M6搭載のMacなどは、原価面でメモリ価格の影響を受けやすいと考えられます。
ユーザーが意識すべきポイント
ユーザーとしてはどう考えればいいのか。
まず、「初物」「ハイエンド」「大容量メモリ構成」という3つの要素が重なる製品は、2026年以降、より強気な価格設定になる可能性があることを念頭に置いておくべきでしょう。折りたたみiPhoneやVision系デバイスのような新カテゴリー製品は、メモリコスト以外の要因も含めて、初期モデルは高価格になりがちです。
また、これから新製品を購入する際には、メモリ容量の選択がより重要になってきます。たとえばMacを購入する場合、16GB、24GB、32GBといった構成の価格差が今後さらに広がる可能性があります。自分の用途に本当に必要な容量はどれくらいなのか、長期的な視点で検討する価値がありそうです。
ただし、この状況を過度に悲観する必要もありません。Appleはモデムなど他コンポーネントの内製化でも部品コスト圧縮を進めている動きもあり、メモリ高騰を一部相殺する可能性もあります。こうした内製化の取り組みが、メモリコスト上昇を緩和する要因になるかもしれません。
まとめ
iOS 26の初期ビルドから発見された多数のコードネームにより、Appleの今後数年間にわたる製品計画の輪郭が見えてきました。
折りたたみiPhoneやVision Air、AIスマートグラスといった新カテゴリーの製品から、iPhone 17e、M5/M6世代のMac、AirTag 2まで、幅広い分野での開発が進行している様子が伺えます。
ただし、これらはあくまで開発段階の情報であり、実際の製品化や発売時期については不透明な部分も多く残されています。過去の例を見ても、開発途中で計画が変更されたり中止されたりするケースは珍しくありません。
メモリ価格の動向については、2026年以降の製品に影響を与える可能性があるものの、Appleの調達戦略や内製化の取り組みによって、どの程度価格に反映されるかは現時点では見通しにくい状況です。
今回のリークは、Appleがどの領域に注力しているかを知る手がかりとしては興味深いものの、具体的な購入判断は現行製品の情報と自身のニーズを基に行うのが現実的でしょう。





