2025年10月にWindows10のサポートが終了するため、Windows 10をそのまま使い続けるには、ESU(延長セキュリティ更新プログラム)への登録が必須です。しかし、いざ登録しようと思っても「登録リンクが表示されない」「ESUの案内が出てこない」といったトラブルがあります。
そこで、ESU登録が表示されない場合に確認すべきポイントを、実際の解決手順とともに解説していきます。
ESU登録が表示されない主な原因
まず最初に、なぜESU登録の案内が表示されないのか、その主な原因を整理しておきましょう。

Windows10のESU登録は、Microsoftが段階的に展開している機能のため、すべてのユーザーに同時に表示されるわけではありません。また、特定の条件を満たしていない場合は、そもそも登録オプション自体が現れないこともあります。
問題の多くは、システムの設定や更新状況、アカウントの種類などに起因しています。つまり、適切な手順で確認と設定を行えば、多くの場合は解決できるということでもあるんです。
1. Windowsバージョンとアップデート状況を確認する
ESU登録を利用するためには、Windows10が最新の状態である必要があります。まず、お使いのWindowsが「バージョン22H2」であることを確認しましょう。
設定アプリを開いたら、「システム」→「詳細情報」を開きます。この中にある「Windowsの仕様」の「バージョン情報」を確認します。

ここで「バージョン22H2」と表示されていれば問題ありませんが、古いバージョンの場合は先にWindows Updateで22H2へのアップデートが必要です。
2. Microsoftアカウントと管理者権限の確認
ESU登録には、Microsoftアカウントでのサインインが必須条件となっています。ローカルアカウントではESU登録の選択肢が表示されません。また、サインインしているアカウントが管理者権限を持っているかも重要なポイントです。標準ユーザーアカウントでは、ESU関連の設定変更ができない場合があります。
現在のサインイン状況やアカウントの権限を確認するには、設定アプリで「アカウント」を開きます。ここの「ユーザー情報」でMicrosoftアカウントのメールアドレスと「管理者」が表示されていればOKです。

もしメールアドレスでなく、ただのアカウント名が表示されている場合はローカルアカウントです。この場合は、この画面内にある「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」をクリックして、アカウントを切り替えてください。
管理者権限は、現在表示されている画面の左側にある「家族とその他のユーザー」をクリックし、変更するアカウントの名前を開きます。表示された画面で「管理者」を選択して「OK」をクリックすれば変更できます。


なお、自分一人で使っている場合はすでに「管理者」になっているはずなので、この手順は不要です。
3. Windowsバックアップ機能の有効化
2025年時点でのESU登録には、Windowsバックアップ(クラウドバックアップ)機能が有効になっていることが必須条件となっています。
ESU登録画面が表示されない場合、設定アプリで「アカウント」を開き、「Windows バックアップ」クリックします。ここの「アプリを記憶」と「自分の設定を保存する」をオンに切り替えます。

このバックアップ機能は、設定やユーザープロファイルをOneDrive経由でクラウドに同期する仕組みです。Microsoftアカウントでサインインしていることが前提となりますが、前述の通りESU登録にはMicrosoftアカウントが必要なので、この時点で条件は揃っていることになります。
4. Windows Update設定の最適化
Windows Updateの設定で「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」がオフになっていると、ESU関連の更新が遅れる可能性があります。
設定アプリの「更新とセキュリティ」を開き、「Windows Update」をクリックします。「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオンにします。

5. 時刻と地域を見直す
意外に見落としがちですが、システムの基本的な設定が正しくないとESU登録に影響することがあります。
日付・時刻の設定確認
システムの日付や時刻が大幅にずれていると、Microsoftのサーバーとの通信で問題が発生し、ESU登録が正常に表示されない場合があります。
設定アプリで「時刻と言語」を開き、「日付と時刻」をクリックします。「時刻を自動設定する」がオンになっていることを確認してください。

地域・言語設定の確認
地域設定が適切でない場合も、ESU登録が表示されない原因となることがあります。
上の画面の左側にある「地域」をクリックし、「国または地域」で「日本」が正しく設定されているかを確認します。

6. PCを再起動する
設定変更や更新適用後は、すぐに反映されない場合があります。ここまで設定を見直しても表示されない場合は、PCを再起動してみてください。再起動後に表示されることがあります。
7. タイムラグが発生している可能性
すべての条件を満たしていても、ESU登録が表示されない場合があります。これはMicrosoftの段階的展開が原因かもしれません。
その理由ですが、MicrosoftはESU登録機能を段階的に展開しているため、ユーザーによって表示されるタイミングが異なります。すべての条件を満たしていても、まだ自分のアカウントに機能が展開されていない可能性もあります。
この場合は、残念ながら待つしかありません。1日おきに確認してみてください。
まとめ:確実にESU登録を成功させるために
Windows10のESU登録が表示されない問題は、複数の要因が絡み合って発生することが多いです。今回解説したチェックポイントを、上から順番に確認していけば、多くの場合は解決できるはずです。
ESU登録が無事完了すれば、2025年10月以降もセキュリティ更新を受け続けることができ、安心してWindows10を使い続けることができます。
ただし、セキュリティの部分は安心できるようになりますが、アプリの対応などが行われなくなる可能性が高いので、万全の状態とは言えません。特に銀行や証券系の金融アプリや確定申告関連がWindows 10日対応になる可能性があるので注意したいところです。このようなリスクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。