最近、0800から始まる電話番号から着信が増えています。「080」から始まるので、携帯電話番号に見えますが、実は違います。そのため、勘違いして電話に出たら営業電話だったということは少なくありません。これはかなり迷惑ですよね。
そこで、「0800」から始まる電話番号の正体とその用途、注意すべき点などをわかりやすくまとめました。知らない番号からの着信に悩んでいる方、ぜひ参考にしてください。
0800番号とは?実はフリーダイヤルの一種です
まず結論から言うと、「0800」から始まる電話番号は「フリーダイヤル」の一種です。
一般的な携帯電話番号は「080-1234-5678」のように、頭の「080」で区切られます。また、4桁目に「0」が来ることはありません。
一方、最近増えている「0800番号」は、「0800-xxx-xxxx」のように、頭の「0800」で区切られます。よって、4桁目が必ず「0」です。
もし、頭が「080」で始まっていても、4桁目が「0」の場合は、必ずフリーダイヤルと見分けられます。これだけは絶対に覚えておきましょう。
「0800」ができた経緯
ちなみに、「0800」番号ができた経緯について、簡単に触れておきましょう。
フリーダイヤルといえば、「0120」がよく知られていますが、実はこの「0120」だけでは番号が足りなくなってきたため、NTTが 1997 年から新たに導入したのが 0800 番号です。
番号の種類 | 通話料 | 用途例 |
---|---|---|
0120 | 発信者が負担 | 通販、カスタマーサポート等 |
0800 | 発信者が負担 | 同上(番号枯渇対策として追加) |
どちらも仕組みは同じで、発信者が料金を負担するので、電話に万が一出てしまっても、料金がかかることはありません。ただ、そこにあるのは、多くはセールスなどの電話というわけです(十分迷惑ですけどね)。
なぜ0800からの電話が怪しく思われるのか?
「0800」と表示されると、ぱっと見で「080」と混同しやすく、個人の携帯からの電話かと思ってしまいます。そして出てみると、大抵は営業やセールスの電話。これが「怪しい」と感じる原因のひとつです。
実際、企業が顧客に連絡を取る際にこの番号を使うケースが多く、特に保険の案内や通信サービスの勧誘などで利用されています。結果として、「0800=迷惑電話」といったイメージが定着しつつあるのです。
ちなみに「0800」からかかってくる営業電話には、次のようなものがあります。
- ネット回線
- 保健
- 投資
- 電気・ガス
- マンション・不動産
- 太陽光パネル
- 出張買取
- ホームページ制作代行
- 家屋の補修
営業電話以外にも、自動音声による詐欺の電話に使われていることもあります。ですので、基本的には無視したいところです。しかし、そう言い切れない現状もあります。
0800番号=すべてが迷惑電話ではない
「0800」からかかってくる電話は「迷惑電話の傾向がある」というだけで、すべてが該当するわけではありません。その点がちょっと厄介なところなのです。例えば、次のような目的でかかってくる電話も「0800」番号のことがあります。
- クレジットカード会社からの本人確認
- プロバイダーや電力会社などのサポートセンター
- 公共機関や自治体の案内窓口
こういった重要な連絡も 0800 番号でかかってくることがあるため、一律に「無視すべき」とは言い切れません。番号を見ただけでは判断が難しいところが悩ましいのです。
0800番号からの電話への対応方法
では、「0800」の電話への対応方法について紹介していきましょう。
基本は着信があっても出ない
着信があっても電話には出ないのが基本です。迷惑電話でないケースは本当に少ないので、電話に出て「失敗した」と思うことがほとんどです。「0800」から始まっていたら、電話に出ずに無視しましょう。
電話番号を調べる
電話を無視したら、その後にその電話番号を「電話帳ナビ」のような電話帳サイトで検索してみましょう。このサイトでは、ユーザーの口コミや評価が掲載されており、営業電話かどうかの判断材料になります。もし調べてみて「怪しい」と判断した場合は、出ないか、出たとしても要件だけを聞いてすぐ切るようにしましょう。
iPhone を使っているなら、電話をしてきた相手が誰なのかを電話に出なくても知ることができる「IVRy 迷惑電話対策」のようなアプリを入れておくのも一つの方法です。「IVRy 迷惑電話対策」の使い方については、👇の記事でまとめていますので、併せてご覧ください。
Pixel を使っている場合は、かかってきた電話番号を逆引きできる機能を使うと便利でしょう。この機能を使うと、着信履歴からその番号に関する情報をすぐに調べられます。この機能の使い方については、👇の記事でまとめていますので、併せてご覧ください。
留守番電話を活用する
本当に用事がある人なら、留守番電話を残しているはずです(残していないケースもありますが)。ですので、留守番電話が残っていたら、それを聞いて用件が何かを確認しましょう。逆に留守番電話が残っていないなら、大した要件ではないと考えていいと思います。
基本的にスマホでの留守番電話は有料サービスでしたが、最新の OS を使っていれば無料で留守番電話が使えるようになってきています。そのため、留守番電話機能を使えるようにしておくのがおすすめです。
iPhoneの場合、iOS 18 で「ライブ留守番電話」という機能が追加されました。この機能を使うと、電話に出なくても相手が吹き込んだメッセージをリアルタイムで文字起こしして確認もできます。この機能の使い方は、👇の記事でまとめていますので、併せてご覧ください。
Pixel の場合、電話に出なくても用件や名前を確認できる「通話スクリーニング」という機能が使えます。これは、AI が相手に対してアシスタントが名前や用件を質問してくれるので、自分が電話に出なくても用件を確認できる便利な機能です。この機能の使い方は、👇の記事でまとめていますので、併せてご覧ください。
まとめ:「無料の電話=安心」ではない、でも一概に悪ではない
0800 番号は、基本的には発信者が通話料を負担するフリーダイヤルの電話番号です。しかしながら、その便利さを逆手にとった営業や勧誘も多いため、「迷惑電話」と警戒されがちです。とはいえ、すべての 0800 番号が怪しいわけではありません。大切なのは、番号を見極めて、冷静に対応することが大切です。
知らない番号にはまず調べ、どうしても必要なら対応し、それ以外は無視する。そのくらいのものだと考えておけば、不用意に怖がったり迷惑がったりする必要がありません。あまり気にしすぎるとストレスに感じてしまうので、「また迷惑か、ご苦労なことで」ぐらいのスタンスで軽く受け流すのが、現代にはちょうどいいのかもしれません。
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