一部の Android 端末で、YouTube 動画を再生すると、動画がカクついたり、フリーズしたりして、まともに観られないという症状が起きるようです。また、動画だけではなく、ゲーム中にも同様の現象が起こることも。このような問題を解決する方法の一つとして、「HWオーバーレイを無効化」という設定が注目されています。この設定の仕組み、効果、そして注意点について詳しく解説します。
YouTube 動画がカクつきが一部の Android 端末で発生?
X(旧 Twitter)などでもたまに見かけるのですが、一部の Android 端末で YouTube の動画を再生すると、動画がカクカク再生される、フリーズするといった症状が現れ、まともに観られないということがあるそうです。特に多いのは、「Xiaomi Pad」のようにカスタム OS を搭載した端末、MediaTek チップセットを搭載した端末で多く観られるようです。
この問題、原因ははっきりとわかっていませんが、特定のグラフィックを CPU が処理する際に問題が発生しているようです。そこでグラフィック処理をすべて GPU に担当させることで一時的ですが、問題が解消する可能性があります。そこで出てくる設定が「HW オーバーレイ」です。
HWオーバーレイとは?
HW オーバーレイ(ハードウェアオーバーレイ)は、Android 端末の描画処理に関する設定です。これの仕組みについて説明しますが、技術的な解説なので、ご興味のない方は飛ばしてもらって大丈夫です。
通常、描画処理は CPU が担当し、必要に応じて GPU が補助的に使用されます。しかし、「HWオーバーレイを無効化」すると、描画処理を常に GPU に任せるようになります。これにより、描画性能が向上し、画面の動きがスムーズになることがあります。この「HWオーバーレイを無効化」することで、次のような効果が期待できます。
- 描画のスムーズ化
動画再生やゲーム中のカクつきが改善されることがあります。特に、複雑な描画処理を伴うアプリで効果を発揮します。 - スクロールの改善
画面の上下スクロールが滑らかになり、iPhoneのような「ヌルっとした」動きに近づく場合があります。
HW オーバーレイを無効する方法
ここでは、タブレット端末の画面で説明しますが、スマホの場合でも手順は同様です。
まず、設定アプリで「デバイス情報」を開きます。画面の一番下にある「ビルド番号」を 7 回タップします。「開発者向けオプションが有効になりました」と表示されれば OK です。


7 回タップした後、認証が求められることがあります。この場合は、ロック番号を入力するなど、画面の指示に従って認証してください。
「システム」を開き、「開発者向けオプション」をタップします。開いた画面の「開発者向けオプションを使用」がオンになっていることを確認します。


画面下の方にスクロールし、「HW オーバーレイを無効化」をオンにします。これで設定は完了です。

端末を再起動すると、「HW オーバーレイを無効化」の設定が元に戻ります。そのため、再起動後は再設定が必要です。
HWオーバーレイを無効化したときの注意点
HW オーバーレイを無効化した場合、次のような注意点があります。特にバッテリーは消耗が早目になる可能性があるので、ご注意ください。
- バッテリー消費の増加
GPU を常時使用するため、バッテリーの消耗が早くなる可能性があります。 - 端末や状況による効果の違い
すべての端末で効果が得られるわけではありません。例えば、MediaTek チップセット搭載端末では動画再生やゲーム中のパフォーマンスが改善されることがありますが、逆にスクロールが不自然になる場合もあります。
まとめ:暫定的な対処なのでアップデートも要確認
「HWオーバーレイを無効化」は、Android 端末の描画性能を向上させる有効な手段ですが、端末や使用状況によって効果が異なるため、慎重に設定を行う必要があります。特に、バッテリー消費やアプリの挙動に注意しながら、自分の端末に最適な設定を見つけてください。
また、今回紹介した対処法はあくまでも暫定的なものです。このトラブルは、OS やアプリのバグが絡んでいるものだと思われるので、これらを最新のものにアップデートすると改善する可能性があります。アップデートを確認し、最新のものがリリースされているならすぐにアップデートしてみましょう。
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