2025年11月現在、YouTubeで「動画が再生できない」「画面が真っ白になる」といった障害が報告されています。そこで、このYouTube再生エラーの原因と具体的な解決方法について詳しく解説していきます。
どんな症状が起きているのか
YouTubeで発生している問題は、主に次のような症状として現れます。
- 動画を再生しようとすると、画面が真っ白になってしまう
- 読み込みアイコンがずっと回り続けて、いつまで待っても動画が始まらない
- 「エラー153 – 動画プレーヤーの設定エラー」というエラーメッセージが表示される
これらの症状は世界同時的に発生しており、特定の地域だけの問題ではないようです。また、今回の問題はスマートフォン、PCどちらの環境でも発生例が報告されています。
原因は何?サーバーダウンではない
一見するとYouTubeのサーバーに問題があるように思えますが、実はそうではありません。今回の問題の主な原因は、YouTube側が広告ブロッカーの検知システムを強化したことにあります。
YouTube側は、広告ブロッカー(AdBlockやuBlock Originなど)を使用しているユーザーに対して、動画の再生を制限する措置を取るようになりました。これは、YouTube側の収益モデルが広告に依存しているため、広告をブロックするユーザーへの対抗策として実施されているものです。
特に注意が必要なのは、この検知システムがかなり高度になっているという点です。従来のような単純な広告スクリプトの遮断検知だけでなく、次のような複合的な要素を総合的に判断しています。
- 使用しているブラウザの種類
- Googleアカウントへのログイン状態
- インストールされている拡張機能の種類
- ブラウザの設定内容
このため、同じ広告ブロッカーを使っていても、環境によって影響を受ける場合と受けない場合があるんです。
特に影響を受けやすい環境なのが、ChromeやChromium系ブラウザ(Edge、Brave、Vivaldiなど)です。Googleアカウントにログインした状態だと、特に影響を受けやすいことが報告されています。一方、FirefoxやMicrosoft Edgeでは比較的問題が起きにくいというケースもあります。
また、埋め込み動画やアプリの場合は、「Referer(リファラー)」情報が正しく送信されていなかったり、サイトやアプリ側で許可設定されていない場合にも「エラー153」が発生します。この場合は、広告ブロッカーだけでなく、埋め込みコードや表示方法にも注意が必要です。
なお、ここ最近、YouTubeは広告ブロックに強い規制をかけてきています。この件については、以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
今すぐできる解決策
では、実際にこの問題に直面した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
1. 広告ブロッカーを一時的に無効化する
最も直接的な解決方法は、広告ブロッカーを無効にすることです。以下のような拡張機能を使用している場合は、一時的にオフにしてみましょう。
- AdBlock
- AdBlock Plus
- uBlock Origin
- その他の広告ブロック系拡張機能
ブラウザの拡張機能管理画面から、該当する拡張機能をオフにするか、完全にアンインストールすることで解決する可能性があります。
2. 別のブラウザを試す
現在使用しているブラウザで問題が発生している場合、別のブラウザに切り替えてみるのも有効な方法です。FirefoxやMicrosoft Edgeでは問題が出にくいという報告が多数あります。
普段Chromeを使っている方は、この機会に別のブラウザをインストールして試してみるのもよいでしょう。
3. Googleアカウントからログアウトする
Googleアカウントにログインした状態だと検知されやすいため、一度ログアウトしてみてください。また、シークレットモード(プライベートブラウジングモード)を使用することで、拡張機能の影響を受けずに視聴できる場合があります。
4. キャッシュとCookieを削除する
ブラウザに保存されているキャッシュやCookieが原因で問題が発生している可能性もあります。ブラウザの設定から、YouTubeに関連するデータを削除してみましょう。
また、ブラウザ本体やYouTubeアプリが最新版になっているか確認し、古いバージョンを使用している場合はアップデートすることも重要です。
5. YouTube Premiumを検討する
根本的な解決策として、YouTube Premium(有料プラン)に加入する方法もあります。月額料金は必要になりますが、広告が表示されなくなるため、今回のような問題とは無縁になります。
ただし、料金面での負担があるため、まずは他の無料の対策を試してから検討するとよいでしょう。
6. 埋め込み動画の場合は本体サイトで開く
ブログやウェブサイトに埋め込まれたYouTube動画で問題が発生している場合は、動画プレーヤー内の「YouTubeで動画を見る」ボタンを押して、YouTube本体のサイトで再生してみてください。
今後の見通し
2025年11月現在も、この問題は継続して発生しています。YouTube側と広告ブロッカー開発者の間で、いわゆる「いたちごっこ」が続いている状況なんですよね。
一時的な回避策で解決できたとしても、今後YouTube側がさらに検知システムを強化したり、逆に広告ブロッカー側が新たな回避方法を開発したりすることで、状況が変化する可能性があります。
根本的な解決には、YouTube側の公式な仕様変更や、何らかの新しい対抗策が必要になるでしょう。現時点では、問題が発生するたびに上記の対策を試すという対症療法的なアプローチが現実的です。
まとめ
YouTubeの再生エラーは、広告ブロッカーの検知システム強化が主な原因です。サーバーダウンではなく、ユーザーの環境や使用している拡張機能、ブラウザの選択が問題解決の鍵となります。
まずは広告ブロッカーを一時的に無効にする、別のブラウザを試す、ログアウトするといった方法で対処してみてください。これらの対策で多くの場合は解決できるはずです。


