【2025年版】LINEのプライバシーポリシー同意は拒否できる?使えなくなる前に知っておきたい対策

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「LINEを開いたら突然、プライバシーポリシーの更新画面が表示されて、『同意する』以外の選択肢がない…」

2025年5月から本格化したLINEの「プライバシーポリシーへの強制同意」は、「同意しないとアプリが使えません」という強目のメッセージが表示されて戸惑った人も多いと思います。そこで、LINEの「強制同意」がなぜ始まったのかと、ユーザーができる対応方法や知っておくべき知識をわかりやすく解説します。

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同意しないとLINEは使えない!

LINEヤフープライバシーポリシーの同意画面は、2024年10月4日以降、LINEとヤフーの各サービス内で順次表示が始まっていました。当初は「あとで確認」という選択肢があり、同意を保留することができました。しかし、2025年5月以降、同意が必須となり、同意しないとLINEが使えなくなるという「強制同意」に変わってきました。

引用:LINEヤフー(https://privacy.lycorp.co.jp/ja/notice/202310a.html

結論から言うと、「ユーザーは同意しないとLINEが使えない」となります。つまり、同意せずにLINEを使い続けるのが不可能になってしまいました。

LINEが「強制同意」を求める理由とその背景

なぜ強制同意を求めるようになったのでしょうか?その理由と背景について解説していきます。

LINEヤフー側のメリット

2021年3月、LINEとYahoo! JAPANの経営統合により「LINEヤフー株式会社」が誕生しました。この統合に伴い、2023年10月1日からプライバシーポリシーの統合が始まりました。

この統合により、LINEヤフー側には次のようなメリットがあります。

  • サービス間のデータ連携:LINEの友達リストやトーク内容と、Yahoo!ショッピングの購入履歴などを紐づけて分析できる
  • 広告ビジネスの強化:より精度の高いターゲティング広告が可能になる
  • ユーザー体験の向上:複数のサービスで同じアカウントが使えるようになり、ログインの手間が省ける

法改正への対応

2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、企業は個人情報の取り扱いについてより厳格な対応を求められるようになりました。特に「要配慮個人情報」や「第三者提供」に関する規定が強化され、LINEのような大規模なユーザーデータを扱うサービスは対応を迫られています。

LINE独自の事情

2021年3月には「LINE中国アクセス問題」が発覚し、日本のLINEユーザーの個人情報が中国の委託先から閲覧可能だったことが明らかになりました。この問題を受けて、LINEは情報管理体制を見直し、プライバシーポリシーの整備を進めてきた経緯があります。


今回の強制同意は、こうした過去の問題への対応と、経営統合に伴う情報共有の正当化という二つの側面があるようです。

強制同意の問題点と私たちへの影響

そもそも「同意」とは、自由意思に基づいて承諾することなので、LINEの「同意しないと使えません」というアプローチには、次の問題があります。

  • 選択肢がない:同意するか、LINEをまったく使えなくなるかの二択しかない
  • あとで確認できない:以前は「あとで確認する」という選択肢があったが、2025年5月以降はそれもなくなった
  • 一括同意しかできない:個別の項目ごとに同意/不同意を選べない

この状況について、LINEヤフーのプライバシーセンターでは「プライバシーポリシーへの同意は必須です」と明記されており、ユーザーが拒否する手段は事実上ありません。

また、LINEは日本人の約9割が利用しているツールなんですよね。主に、次のような場面で使われており、生活インフラと化しています。

  • 仕事での連絡:多くの職場でLINEが公式・非公式の連絡手段になっている
  • 家族・友人とのコミュニケーション:特に高齢の家族と連絡を取る手段としてLINE一択という家庭も多い
  • 地域コミュニティ:学校、自治会、サークルなどの連絡がLINEグループで行われることが多い
  • サービス利用:多くの店舗やサービスがLINEを通じた予約や問い合わせを受け付けている

そのため、「使わない」という選択が現実的ではなく、多くのユーザーは不満や不安を感じながらも同意せざるを得ない状況に置かれているのです。

LINEが収集する個人情報の実態

さて、LINEではどんな情報を収集して、どのように使われているのかを確認していきましょう。

LINEが収集している情報は?

LINEのプライバシーポリシーを読むと、収集されている情報が非常に多岐にわたることがわかります。主に収集されている情報は次のとおり。

情報カテゴリ具体例用途の一例
アカウント情報名前、電話番号、メールアドレス、生年月日アカウント管理、年齢確認
プロフィール情報アイコン画像、ステータスメッセージ友だち検索、表示
友だちリスト友だち関係、グループ情報友だち表示、サービス提案
メッセージ内容トーク履歴、送受信したスタンプ・画像スパム対策、トレンド分析
行動履歴アプリの使用状況、閲覧履歴サービス改善、広告配信
位置情報現在地、移動履歴近くの友だち表示、位置情報共有
決済情報LINEペイの利用履歴、クレジットカード情報決済処理、不正利用対策
デバイス情報機種、OS、IPアドレス、言語設定多端末ログイン管理、セキュリティ

特に要注意なのは、LINE上でのメッセージのやりとりがトレンド分析の対象になる可能性があることです。もちろん、個人の特定につながる形での閲覧や分析は行わないとされていますが、AIによる自動分析などを通じて、相手とのコミュニケーション内容が間接的にサービス改善や広告表示に活用される可能性は十分考えられます。

情報はどこまで共有されるの?

LINEヤフーのプライバシーポリシーによると、収集した情報は次のような相手と共有される可能性があります。

  • LINEヤフーグループ内の各社
    • LINE株式会社
    • ヤフー株式会社
    • PayPay株式会社 など
  • 広告・マーケティングパートナー
    • 広告配信事業者
    • マーケティング分析会社
  • 技術パートナー
    • サーバー・クラウドサービス提供元
    • セキュリティサービス提供会社
  • その他の第三者
    • 法的要請に基づく公的機関
    • LINEヤフーのサービスを利用する企業 など

企業のプライバシーポリシーには通常「お客様の同意を得た場合」という条件が含まれていますが、今回の「強制同意」によって、この「同意」がなされたとみなされることになります。これも問題のような気がしますね。

LINEユーザーができる具体的な対策

LINE自体を使わないという選択が難しい人は多いと思います。そこで、少しでもプライバシーリスクを減らす対策について紹介していきます。

同意したか確認する方法

まず、「自分がプライバシーポリシーに同意したかどうかわからない」という人もいるかと思います。新しいプライバシーポリシーに同意したかどうかがわからない場合、次の手順で確認できます。

まずLINEアプリで「ホーム」タブを開き、右上の歯車アイコンをタップします。設定メニューが表示されるので、「account center」をタップします。

まだプライバシーポリシーに同意していない場合は、「プライバシーポリシー統合のご案内」画面が表示されます。逆に、同意画面が表示されず「account center」の通常画面が表示されれば、すでに同意済みです。

広告設定をオフにする

LINEは情報提供や広告に関する細かな設定が可能です。これらをオフにしておけば、あなたの情報に基づいたターゲティング広告が表示されにくくなります。また、コミュニケーションに関する情報や位置情報の提供も制限できます。これにより、少しだけプライバシーに関するリスクが下げられます。

設定を変更するには、上の手順で設定メニューを表示したら、「プライバシー管理」をタップします。その中にある「情報の提供」と「広告の設定」を設定します。

「情報の提供」と「広告の設定」を開いたら、それぞれの画面に表示されているスイッチをすべてオフにします。

連携アプリの見直し

LINEログインを使って連携しているアプリやサービスを定期的に確認し、不要なサービスは連携解除しておくのがおすすめです。

設定を変更するには、上の手順で設定メニューを表示したら、「アカウント」をタップします。アカウント画面が表示されるので、「外部連携サービス」をタップします。

連携されているアプリが表示されるので、不要なものをタップします。表示された画面の一番下にある「連動を解除」をタップし、画面の指示に従って解除します。

LINEの使い方を工夫する

LINEの使い方も少し工夫すると、プライバシーに関するトラブルを防げます。

センシティブな内容は避ける

LINE上では次のような情報のやりとりは避けましょう。

  • クレジットカード番号
  • パスワード
  • 詳細な健康情報
  • 機密性の高い情報

特に重要な内容は、電話や直接会って話すなど別の手段を検討した方がいいでしょう。なお、LINEから情報が流出する理由について、👇の記事で詳しく解説していますので併せてご覧下さい。

グループの作り方を工夫する

大人数のグループは情報漏洩リスクが高まります。必要に応じて次のような検討をした方がいいでしょう。

  • 目的別に小規模なグループに分ける
  • トークルームの「ノート」機能を活用し、メッセージ量を減らす
  • 重要な告知のみは「グループ通知」機能を使う

LINE Keepの利用に注意

LINE Keepに保存したデータも分析対象となる可能性があります。個人的なファイルやメモは、別のストレージサービスの利用した方が安全です。

余談:世界の潮流に逆行しているLINEの対応

ここからは余談です。今回のLINEヤフーの対応ですが、実は世界の潮流には逆行しているように思います。その理由について書いていきます。

GDPRとは?

GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、EU圏の個人データ保護を目的とした法律で、2018年に施行されました。GDPRの主な特徴は次の通り。

  • 明示的な同意:ユーザーの自由意思に基づく明確な同意が必要
  • 個人の権利保護:自分の情報へのアクセス権、削除権などが保証される
  • 高額な罰則:違反した企業には最大で全世界年間売上の4%の罰金

LINEの「強制同意」はGDPRではNG?

なんとなくお察しだと思いますが、LINEの「同意しないとサービスが使えない」という同意方法については、EUのGDPRでは問題視される可能性が非常に高いです。

ちなみに、GDPRでは、同意は次の条件を満たしていなければなりません。

  • 自由に与えられる:強制や不利益なしに拒否できる
  • 特定の目的ごとに:一括同意ではなく、目的別に同意できる
  • 情報に基づく:平易な言葉で説明される
  • 明示的な意思表示:明確な同意行為が必要

この条件を見ても分かるとおり、LINEの現在の「同意か退出か」の二択は、特に「自由に与えられる同意」という点で引っかかっているように思います。

日本における法規制の現状

日本の個人情報保護法は2022年の改正でGDPRに近づきましたが、「同意の自由度」はまだ明確な規定が足りていません。そのため、今回のLINEの「強制同意」も、法的に問題視されづらい状況ですね。

しかし、GDPRなど、世界の個人情報保護強化の流れを考えると、将来的には日本でも同意取得方法は見直されるのではないかと思います。というか、見直されてほしいですね。

まとめ:いずれにせよLINEを使うには同意が必要

ちょっと長くなりましたので、簡潔にまとめてみましょう。

  • 2025年5月以降、LINEのプライバシーポリシーへの同意は“強制”となり、拒否すればアプリが使えない
  • 統合されたプライバシーポリシーにより、Yahoo! JAPANなどとの情報共有が進んでいる
  • 収集される情報はメッセージ内容や位置情報など多岐にわたり、広告やサービス改善に活用される
  • 世界の潮流(GDPR)とは逆行する形で、自由な同意が実質的に奪われている状況
  • LINEを使い続けるなら、広告設定や連携アプリの見直しなどでプライバシーを守る工夫が必要

このように、今後LINEを使うにはプライバシーポリシーへの同意は必須です。ただし、ポリシーを確認せずに同意していると、あらゆる情報を持っていかれてしまうのが現状なんですよね。そこで、今回紹介してきた設定を見直して、少しでも不要な情報は提供しないようにした方がいいと思うのです。

個人的には「LINEを使わない」という選択肢がベストですが、あらゆるところに入り込んでいますので、それは中々難しいのが現実です。ですので、「賢く使う」ことを目指すようにしたいものです。

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