ネットでブログやX(旧Twitter)などを見ていると、バッテリーリフレッシュをするとiPhoneのバッテリーが復活するといった内容を見かけます。
本当だったら有り難い話ですが、実際のところは非常に信憑性の低い話なので要注意です。
バッテリーリフレッシュとは?
iPhoneでバッテリーリフレッシュと呼ばれる手法があります。これは、バッテリーリキャリブレーションとも呼ばれるもので、バッテリーの状態をリセットするというものです。
バッテリーリフレッシュのやり方
バッテリーリフレッシュですが、具体的には次のような手順で行います。
1:バッテリー残量がなくなるまで使い切る
2:バッテリー切れで電源が落ちたら2〜3時間放置して完全に放電する
3:放電が終わったらフル充電する
このように、完全放電と満充電を繰り返すことで、バッテリーの状態をリセットするのです。
そこで疑問に思った人はいないでしょうか?
「なんでこれでバッテリーが復活するの?」
と。
本当にバッテリーが復活するの?
実はこれで治るのは、バッテリーの残量表示です。
iPhone(特に古いモデル)では、誤作動でバッテリー残量表示がおかしくなることがあります。これを修正するためにリフレッシュを行って、正しいバッテリー残量を表示できるようにするというものなのです。
つまり、劣化したバッテリーが復活するというわけではなく、誤表示されていたバッテリー残量が修正されて、バッテリーが戻ったように見える。というのが正しい理解でしょう。
バッテリーリフレッシュのリスク
前述したとおり、一部のケースでは、バッテリーリフレッシュによってバッテリー残量の精度が改善される可能性があります。例えば数ヶ月に1回程度バッテリーを完全に放電させることは、バッテリーの残量表示を正しくしてくれるかもしれません。しかし、バッテリー自体の劣化を防ぐ効果はほとんど期待できないのです。
むしろ、iPhoneで使われているリチウムイオン電池は過放電や過充電に弱く、頻繁に完全放電することでバッテリーにストレスを与える可能性があります。これにより、バッテリー寿命を短くなるリスクがあるのです。要はバッテリーの寿命を縮めるということですね。
そもそも、iPhoneのバッテリー残量表示の精度も、モデルが新しくなるたびに向上しているので、それほど頻繁にバッテリー残量の誤動作が起こるわけではありません。よって、バッテリーリフレッシュを行うのはリスクの高い作業といえます。
ネットでは「バッテリーリフレッシュによってバッテリーが復活する」といった情報が流れていたりしますが、これまで説明してきたとおりリスクの方が大きいですから、避けた方が賢明でしょう。
どうしてもバッテリーリフレッシュを行う場合は、1〜2か月に1度程度に留めるのが無難です。
バッテリーの寿命を延ばすには?
さて、iPhoneにはリチウムイオンバッテリーが搭載されています。これは、日々劣化していくものなので、これを食い止めることはできません。ただ、使い方次第では劣化の速度を緩めることができます。
よくアプリの位置情報をオフにするとか、バックグラウンドアプリをオフにするといった方法が推奨されますが、これはアプリの使い勝手にも影響するので、無条件でオフを推奨するのは、個人的にあまり望ましくないと思うんですよね。
なので、必ずやってはいけないことを覚えておき、それをやらないように徹底するのがいいのではないかと思います。
過放電や過充電をしない
まさにバッテリーリフレッシュのことじゃないか!と思うかもしれませんね😅
ただ、リチウムイオンバッテリーは過放電や過充電はかなりストレスを与えることなのです。なので、これはできるだけ避けるのが無難です。
例えば、iPhoneを電源につなぎっぱなしにしていると、バッテリー100%の状態が続いてしまうのであまり好ましくありません。
リチウムイオンバッテリーの場合、一般的に適切な充電範囲は20〜80%と言われています。この範囲に残量があると長持ちするということです。
とはいっても、この状態を維持するのは結構面倒なもの。
そこで使いたいのがiPhoneはいたわり充電機能。この機能は、バッテリー残量が80%を超えると充電速度が遅くなるようになるものです。これは設定によってオン/オフが切り替えられるので、できればオンにしておきましょう。
設定を確認するには、iPhoneの設定アプリを開いて「バッテリー」をタップ。
バッテリー画面が表示されるので、「バッテリーの状態と充電」をタップ。
次に表示された画面で「バッテリー充電の最適化」をオンにします。
ながら充電をしない
ながら充電とは、iPhoneを充電しながらアプリを使うということです。
バッテリーを充電中にアプリを使うと、iPhone本体に熱が籠もって内部が高温になってしまいます。
この状態がバッテリーには非常に辛いものなのです。
バッテリーは熱に弱く、35℃よりも高温で使用すると、バッテリーにダメージが与えられると言われています。
特に動画再生とかゲームのような負荷の高いアプリを使うと、内部の温度はギュンギュン上がっていくので、バッテリーに非常に悪い影響を与えます。
そのため、充電中はiPhoneには触らず、別のことをしているのがベストでしょう。
風呂で使わない
バッテリーは熱に弱いので、高い温度になるお風呂も非常に危険地帯です。
それにお風呂は湿度も高いので、バッテリーへの負荷が余計に高まります。
iPhoneには生活防水が付いているので大丈夫そうに感じますが、正直お風呂は想定していないのではないかな。
それに湿度が高いので、内部に水が徐々に溜まっていくことも考えられます。
(そもそも水没のリスクもありますし、、、)
そうなるとバッテリー云々の話ではなく、本体の故障につながってしまいます。
なので、お風呂では使わない方がよいでしょう。
バッテリーを労ればそれなりに長持ちするはず
iPhoneに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、いずれにせよ劣化は避けられません。
だからこそ、バッテリーが復活するといった情報は有り難い話に聞こえてしまいます。しかし、そんなにうまい話は転がっていないんですね。
ですので、誤った情報でわざわざ劣化を進めるようなことはしないように注意したいところです。
説明したとおり、リチウムイオンバッテリーは劣化が避けられませんが、労って使ってあげれば劣化の速度は抑えられます。
この記事で説明したことを普段から気にかけてもらえれば、より長くiPhoneが使えるのではないでしょうか。
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