iPadの購入を検討している人は、どのモデルがよいか悩ましく感じている人もいるかと思います。結局は使い途によっておすすめが変わってくるわけですが、どの辺をポイントにして考えればいいのかが肝です。結論から言うと、普段使いならiPad Air、持ち運び重視ならiPad miniがおすすめ。どうしてその様な結論になったかを、若干の毒を吐きつつ解説していきましょう。
iPad(第10世代)は入門機だが、今は時期が悪い
iPadのエントリーモデルが、「iPad(第10世代)」です。「無印iPad」とも呼ばれています。このモデルの魅力は、とにかくコスパが良いこと。一番安いモデル(Wi-Fi/64GB)なら、セール時だと5万円程度価格で購入できます。
iPad(第10世代)のメリット
安価なモデルですが、チップセットにA14 Bionicチップを搭載。これは、iPhone 12シリーズに搭載されているものと同等で、普段使いなら性能は十分なレベル。動画視聴や読書、ライトゲーム、ウェブ閲覧、SNS、資料閲覧などに使う分には問題ありません。
画面サイズは10.9インチあって、他のiPadの11インチモデルとほぼ同じ大きさです。視認性は十分高く、こちらも普通に使う分には困ることはないでしょう。
iPad(第10世代)のデメリット
まず、性能は十分と書きましたが、A14 Bionicチップは2020年のものなので、古さは否めません。また、最大の問題と言えるのは「Apple Intelligence」に非対応なこと。来年から本格的に始動するアップルの生成AIですが、これらの機能は一切利用できません。そのため、今使う分には問題ないのですが、今後一気にチープ化する恐れがあります。
Apple Pencilも第1世代にしか対応していないのもデメリットですね。第1世代はコロコロと転がりやすく、充電方法も不格好でスマートではありません。
何よりおすすめできないのは、来年の前半に後継機の発売予定と噂されていること。噂が事実なら、今購入してもすぐ型落ちになってしまいます。また、型落ちになると価格も改定される可能性があるので、今だと「高値でつかんでしまった!」ということになりかねません。
ちなみにApple Intelligenceについては、下の記事で解説しているので、よかったらご覧ください。
iPad(第10世代)がおすすめな人
長所と短所をまとめるとこんな感じです。とにかく今すぐコスパの良いiPadを探している人、入門機としてはじめの1台を求めている人には最適です。ただし、短所にも書いていますが、次世代の新機能が使えないのは大きなネック。後継機の発売も控えていることを考えていると、時期が悪いとしかいいようがありません。
長所
・とにかくコスパが良い
・動画視聴や読書、ライトゲーム、ウェブ閲覧、SNS、資料閲覧などに十分使える
短所
・Apple Intelligenceに非対応
・Apple Pencil(第1世代)しか使えない
・来年の前半に後継モデルが発売されそう
iPad Pro(M4)はクリエイターやデザイナー向け
iPadシリーズの最高峰がiPad Pro(M4)。これはとにかくプロ向けの製品で、主にクリエイターやデザイナーに向けた製品ですね。
iPad Pro(M4)のメリット
最新のM4チップを搭載しており、重たい処理も難なくこなします。例えば動画編集、イラスト編集、CADなど、スペックが求められるアプリを使っても十分に耐えられます。そこらのPCでは処理が重たくて使えないということが少なくないものばかりですから、難なくこなすiPad Proはそれだけ高スペックだということがわかります。
ディスプレイに「Ultra Retina XDR」を採用しており、さまざまなコンテンツを鮮明で本物に近いトーンや質感で再現。これも写真や動画を扱う人にとっては重要なポイントでしょう。また、リフレッシュレートは120Hzなので、画面はヌルヌル動きますし、Apple Pencilで書き込んだときの遅延もほとんど気になりません。
さらに、「Adaptive True Toneフラッシュ」を備えているので、書類など検出して影や映り込みを抑えたスキャン画像も作成可能。これはビジネスシーンで役立つ機能なので、ビジネス向けに考えている人にもメリットがあります。
これだけの高スペックを持ちながら、スリムで軽量なボディなのも大きなアドバンテージ。13インチモデルでも薄さ5.1mm、本体重量582gなので、持ち運びしやすいのもいいところです。また、iPadシリーズで唯一、顔認証の「Face ID」を搭載。iPhoneのように顔をかざすだけで認証できるので、手軽にロックを解除できるのもポイントですね。
iPad Pro(M4)のデメリット
いうまでもありませんが、とにかく高いです。贅沢に詰め込まれた機能が、価格に跳ね返ってきていますね。実際、最も安価なモデル(11インチ/Wi-Fi/256GB)でも17万円弱もします。
また、iPadの真価を活かすためにApple PencilやMagic Keyboardなどをプラスしていくと、あっという間に20万を超えてしまいます。これでは、MacBookやノートPCが買えてしまいます。
それだと、割と本末転倒なところがあって、操作性やアプリの自由度はMacやPCの方が上。すると、「MacBookやノートPCの方がよくね?」となりかねません。つまり、「iPadでしかできないこと」をきちんと把握していない人だと、持て余してしまう恐れがあります。
iPad Pro(M4)がおすすめな人
iPad Pro(M4)はとにかくハイスペックで、性能面で欠点らしい欠点は見当たりません。しかし、あまりにも高すぎるので、おいそれとは手が出しにくいのが実情です(お金が有り余っている人なら別ですが)。実際、MacBookや高性能なWindowsノートPCあたりと価格帯がダブっているので、目的によってはそちらを選んだ方が使い勝手がよかったとなる可能性があります。
ですので、必要なアプリが決まっていて、それを使いこなすことが目的の人には文句なくおすすめできます。一方、使い途が決まっていない人だと、持て余す可能性も。これだけ高額な投資をして活かせなかった!では泣くには泣けないので、その点は留意した方がよいかと思います。
長所
・とにかくハイスペック
・クリエイター向けのアプリも難なく動作
・美しく再現性の高いディスプレイ
・スリムで軽量なボディ
短所
・高すぎる
・使い途を明確にしないと宝の持ち腐れになる可能性がある
iPad Air(M2)は最もバランスのよいモデル
無印iPadとiPad Proの中間に位置するのが、iPad Air(M2)です。無印ほどチープでもなく、Proほど過剰に性能が盛られていない、ちょうどいい塩梅のモデルですね。
iPad Air(M2)のメリット
チップセットはM2を搭載。これは前世代のiPad Proと同等です。正直、前世代のiPad Proでも十分すぎるぐらいの性能を持っており、今でも十分に通用するスペック。それが搭載されているので、幅広い用途で活用できます。本当にプロ向けのアプリをバリバリ使いこなすというわけでないなら、困ることはないと思いますね。
また、Apple Intelligenceに対応することにより、メモリが8GB搭載しているのもいいところ。メモリに余裕ができたので、従来のAirよりもアプリの動作が快適になっています。
前世代のiPad Airと大きく違うのは、ラインアップに13インチモデルが増えたことですね。今までは11インチモデルしか選べず、大きな画面で作業したい人はProを選択するしかありませんでした。しかし、Airの13インチモデルが登場したことにより、手頃な価格(とはいっても高めですが)で大画面のiPadを選べるようになったのは有り難い話です。
あと前世代と異なる点は、フロントカメラの位置が長辺へ移動したこと。本体を横向きで使うことをメインに考えているからだと思いますが、これによってウェブ会議での視線位置が今までよりもスムーズになりました。ですので、ビジネス向けでもちょうどいい感じに仕上がっていると思います。
Apple Pencil Proに対応したのもメリットですね。歴代のApple Pencilの不満を解消しており、バレルロールや触覚フィードバックによって本当に使い勝手が向上しています。Apple Pencilは一通り試していますが、Apple Pencil Proはデジタルなスタイラスとして完成の域に達したなと感じました。これが使えるのは、Airの優れた点だと思います。
なお、Apple Pencilについては、下の記事でも詳しく紹介していますので、よかったらご覧ください。
iPad Air(M2)のデメリット
こちらも普段使いの性能面では、特に欠点らしい欠点は見当たりません。しかし、細かなところがProモデルより劣っているので、気になる部分があります。
まず、画面のリフレッシュレートです。リフレッシュレートが高ければ高いほど、画面がヌルヌル動いて、Apple Pencilで書き込んだ際の遅延が気にならなくなります。AirはProの半分の60Hzなんですね。つまり、その分だけ滑らかさが足りません。ですので、Apple Pencilを使って精緻な作業を考えている人には、Airは物足りないと感じる恐れはあります。
また、USB-Cポートの速度が遅い点でしょうか。これもProとの差別化のせいかもしれませんが、USB2.0相当のポートが搭載されています。そのため、データの転送速度が若干遅いです。せっかくSSDなどが使えるようになったのに、転送速度が遅いのはいただけません。
iPad Air(M2)がおすすめな人
iPad Air(M2)はハイスペックながら、Proよりもだいぶ手頃な価格なのでお求めやすいのがいいところです。Proとの差別化で細かなところが劣りますが、普段使いする分には特に気にならないんじゃないかと思います。
Apple Intelligenceにも対応しますし、スペックも十分。iPadは比較的製品寿命が長い製品ですが、これだけの性能を持っていれば末永く使えると思います。そのように考えると、コスパはかなり高いモデルと言えるんじゃないでしょうか。ですので、普段使いするならこれが一番おすすめになるというわけです。
長所
・普段使いには十分なスペック
・アプリは幅広く快適に動作
・使用年数を考えればコスパは良い
・Apple Pencil Proに対応
短所
・Proとの差別化で一部機能が劣る
・Airという割にはProよりも重い
iPad mini(A17 Pro)は持ち運び重視な人に最適
iPadシリーズの中で最も小型軽量なのがiPad mini(A17 Pro)です。8インチのボディはとにかく取り回しがいいので、ちょっとしたおでかけや旅行のお供に最適です。
iPad mini(A17 Pro)のメリット
これは見たまんまですが、とにかく持ち運びやすいのがメリット。最長部の長さはわずか195.4 mm、重さは 293 g程度ですが、それでも 8.3 インチの画面を搭載しています。このサイズ感では中々迫力ある画面サイズで、動画視聴やゲームを遊ぶのにはiPhoneよりも断然優れています。
また、読書にも最適。小説や新書はもちろんですが、雑誌やマンガなども快適に読める画面サイズです。この目的なら、どのiPadよりもiPad miniが優れいていると思います(10インチ以上だと大きすぎるんですよね)。
これだけ小さいボディですが、チップセットはA17 Proを搭載。これはiPhone 15 Proと同等(厳密には少しだけ劣る)。また、メモリを8GB搭載しているのでアプリもサクサク動作します。先ほどからしつこく述べているApple Intelligenceにも対応しているので、次世代の新機能も利用可能です。
あと、前世代(iPad mini 6)で問題となったゼリースクロール現象が改善したのも大きなポイントです。これは縦持ちで使っているときに画面をスクロールさせると画面が歪んで見えるという現象でしたが、最新モデルでは改善されたことによってかなり快適になっています。
iPad mini(A17 Pro)のデメリット
これは仕方がありませんが、仕事や勉強などで使うには画面が小さすぎます。ちょっとした確認程度なら問題になりませんが、本格的に作業する場合はちょっと苦労してしまうかもしれません。実際、自分もノートアプリを使ってApple Pencilで書き込んだりしていましたが、ノート代わりにするにはちょっと狭いなという印象でした。
あと、ステージマネージャに非対応な点ですね。そのため、外部ディスプレイに接続してもミラーリングしかできません。ステージマネージャに対応していれば、外部ディスプレイ側でも単独でアプリが起動できて活用の幅が広げられたのに、と思ってしまいます。
iPad mini(A17 Pro)がおすすめな人
持ち運びを重視に考えている人、読書/動画鑑賞などのエンタメマシンとして使いたい人に最適なiPad。ちょっとした外出にもピッタリです。ただし、画面サイズが小さいが故に、メインの作業には向きません。よって、サブマシンとして使うのに最適ではないでしょうか。
長所
・普段使いには十分なスペック
・持ち運びしやすい
・エンタメマシンとしてピッタリ
・Apple Pencil Proに対応
短所
・本格的な作業をするには画面が小さすぎる
セルラーモデルとWi-Fiモデルのどちらがいいか?
ここまでiPadの各モデルを紹介してきましたが、iPadにはもうひとつの選択肢、セルダーモデルとWi-Fiモデルがあります。それぞれメリットとデメリットがあるので、そちらを解説していきましょう。
セルラーモデルのメリットとデメリット
セルラーモデルのメリットは、どこでもネットへ接続できることです。eSIMに対応しているので、Wi-Fiがない場所でも問題なくネットに接続できます。また、GPS機能があり、正確な位置情報を必要とするアプリ(地図、カーナビ、位置情報ゲームなど)で活用できます。
一方デメリットは、価格が高くなること。Wi-Fiモデルと比較して数万円レベルで高価になるので、手が出しにくいです。また、eSIMで通信するにはキャリアとの契約が必要で、モバイル通信に伴う月額料金も発生します。つまり、コスト面で不利なのがおおきなデメリットです。
Wi-Fiモデルのメリットとデメリット
Wi-Fiモデルのメリットとデメリットは、セルラーモデルの逆になりますね。
まずメリットは、セルラーモデルよりも本体価格が安いので予算を抑えられる点です。また、モバイル通信ができない分、そのお金がかからないので運用コストも安くなります。
デメリットは、GPSが非搭載なので、位置情報を正確に取得するアプリ(地図、カーナビ、位置情報ゲームなど)の精度がイマイチになる点。また、Wi-Fiがない環境ではネットにつなげられないのは不便な点です。
どちらのモデルを選ぶべきか
どちらのモデルを選ぶべきかをまとめると、次のような感じです。
セルラーモデルがおすすめの人
・外出先で頻繁に使用し、Wi-Fi環境がない場所でもストレスなくインターネットを使いたい人
・iPadをカーナビや位置情報ゲームなどで活用したい人
・仕事や出張で持ち歩く機会が多い人
Wi-Fiモデルがおすすめの人
・主に自宅や職場などWi-Fi環境下で使用する人
・外出先ではスマートフォンのテザリングで十分対応可能な人
・初期費用やランニングコストを抑えたい人
・GPS機能が不要な用途(動画視聴、読書、軽作業など)で使う人
まとめ:総合的に考えるとAirやminiがおすすめ
というわけで、iPadの各モデルの特徴やメリット、デメリットなどを紹介してきました。無印iPadは将来性が不安な点、Proは性能盛り過ぎで高すぎる点などがあるので、ちょっと癖があるなという印象です。
性能と価格のバランスを考えたら、普段使いを考えているユーザーに対しては、Airやminiがちょうどいい選択肢になるかと思います。
なお、12月6日(金)までAmazonでブラックフライデーが開催されていますが、iPad Air(M2)やApple Pencil Proがセールの対象になっています。アップル製品が値引かれることは少ないので、気になっている方はぜひチェックしてみてください。
楽天モバイルなら1円でモバイルルーターが手に入る
iPadを外出先で使いたいけど、セルラーモデルは高い。それに通信費の運用コストが気になるという人は多いと思います。また、フリーWi-Fiはあまり安全でないし、iPhoneなどでテザリングすると、バッテリーが心配になってしまいますよね。その様な悩みをお持ちでしたら、モバイルルーターで運用するというのも一つの手です。
そこでおすすめなのが楽天モバイル。現在、Rakuten最強プランに契約すると、プラチナバンドに対応した最新のモバイルルーターが1円で買えてしまいます。
楽天モバイルは1つしかプランがなく、使った量に応じて料金が3段階に分かれる仕組み。料金も他のキャリアと比較して割安なので、お得感が強くわかりやすいのが特徴。正直、楽天モバイルが始まった頃はかなり怪しげな展開でしたが、今の楽天はモバイル事業に全力でグングン使い勝手がよくなっています。
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