ついにM4を搭載したiPad ProやM2搭載のiPad Airが発売されました。iPadにマストなアイテムといったらApple Pencilですが、Apple Pencil(USB-C)とApple Pencil Proの2種類が使えます。迷いますよね。さて、どちらのペンを選んだ方がよいのでしょうか?
Apple Pencilの歴史をおさらい
Apple Pencilは、Apple Pencil(第1世代)、Apple Pencil(第2世代)、Apple Pencil(USB-C)、そして新発売されたApple Pencil Proの4種類があります。
ペンデバイスなのに4種類もあります。これだけ数が増えた歴史について、さらっとおさらいしておきましょう。
Apple Pencil(第1世代)
Apple Pencil(第1世代)は、2015年11月初代のiPad Proと一緒に発売されました。丸みを帯びたデザインでコロコロと転がるようなペンでしたね。充電&ペアリングをするには、ペンのキャップを外してiPadのLightningコネクターに挿して充電します。ペンの性能はほぼこのときで完成されていたような気がしますが、充電のスタイルがあまりスマートではないのが印象的です。
Apple Pencil(第2世代)
続いて発売されたApple Pencil(第2世代)は、iPad Pro 12.9インチ(第3世代)、11インチ(第1世代)と一緒に発売されました。第1世代の充電スタイルを反省したのか、第2世代はiPadのサイドにマグネットでピタッと貼り付けてワイヤレスで充電&ペアリングします。非常にスマートになりましたし、iPadに貼り付けておけるので、ペンをなくすというトラブルも減ったように思います。ただし、ペンの基本性能は第1世代とまったく同じです。
Apple Pencil(USB-C)
そして次のApple Pencil(USB-C)は、2023年10月に発売されたモデル。これはペン先のフタをスライドさせるとUSB-C端子が現れ、そこにケーブルを接続して充電とペアリングします。なので、USB-C端子のiPadなら対応するので、過去2世代に比べて汎用性が一番高いモデル。ペンの機能としては、過去2世代から一部機能が省かれていますが(ここは後述)、最も安価な製品になっています。
Apple Pencil Pro
最後に登場したApple Pencil Proは、第1世代と第2世代のペン機能に加え、スクイーズとジャイロスコープが搭載された新しいモデルです。機能は後述しますが、これによりかなり便利にペンが使えるようになりました。充電スタイルは第2世代と同じで、iPadのサイドにピタッと貼り付けて行います。なお、使えるモデルは2024年発売のiPad ProとiPad Airのみ。これ以外のiPadには対応していません。
Apple Pencil(USB-C)とApple Pencil Proの機能の違い
Apple Pencilにはこのような歴史があるわけですが、最も新しいM4 iPad ProとM2 iPad Airで使えるのはApple Pencil(USB-C)とApple Pencil Proの2種類(ちなみに形状が似ているApple Pencil第2世代は使えません。iPadのサイドにも貼り付きませんし、充電もペアリングもできません)。
それでは、カンタンに機能の違いについて説明しておきましょう。
従来のApple Pencilから筆圧検知を取り除いたのがApple Pencil(USB-C)
Apple Pencilの主な機能であるピクセルレベルでの精緻さ、低レイテンシー、傾き検知については同じです。ただし、筆圧検知、ワイヤレス充電、ダブルタップの各機能については取り除かれています。
筆圧検知は読んで字の如く、筆圧を検知して強弱を付ける機能です。書いても文字に強弱が付かないので、イラストなどを描く人は要注意。絵を描くときには必須の機能だと思うので、そういう目的の人はよく確認した方ががよいですね。
形状は第2世代とほとんど一緒ですが、ワイヤレス充電&ペアリングはオミットされています。第2世代を同じようにiPadのサイドにマグネットでピタッと貼り付きますが、充電もペアリングもされません。あくまでもケーブルでの接続が必須です。
また、最後に使用したツールへ切り替えられるダブルタップ機能も使えません。ペン先をダブルタップしても何も反応しないのです。なんか淋しいですね。
第2世代を形状が酷使しているので勘違いしやすく注意が必要です。
スクイーズとバレルロールが搭載されたApple Pencil Pro
Apple Pencil Proには、新たにスクイーズという機能が搭載されています。これは、ペンの先端付近を指で強く押す(スクイーズする)と、画面上にツールパレットを表示できるというもの。なお、ダブルタップ機能も残されており、ダブルタップすると最後に使用したツールへ切り替えられます。また、触覚フィードバックというのも搭載されていて、このスクイーズやダブルタップを使うとブルッとペンが震えます。これによって正しく反応したことがわかるので便利です。
バレルロールは、ペン内部にあるジャイロスコープによってApple Pencil Proの回転を認識し、ペンやブラシの先を回転できる機能。より細かくペン先をコントロールできるようになったので、イラストを描く人には便利な機能でしょう。
さらに、アップルの探すアプリにも連動するようになったので、何処かに置き忘れてもペンの場所を特定できるようになりました。ペンデバイスはなくしやすいので、結構うれしい機能です。
どちらのペンを選ぶべきか
さて、新しいiPad ProとiPad Airではこの2つの選択肢があるわけですが、どちらを選んだらいいか悩むところです。ただ、これだ!という答えはなく、その人の使い方や感性などに依存する部分が多いと思います。なので、イラストとかは描かない私ならどちらを選ぶかという主観で書いていきましょう。
ただメモを取るだけならApple Pencil(USB-C)でOK
ノートアプリとかでメモを取るといった使い方だけなら、Apple Pencil(USB-C)でも十分でしょう。それに筆圧検知機能がない分、均一な文字が書けるので、逆に見やすいノートが作れるかもしれません。
特に筆圧の強い人でも均一の文字が書けるのは、割といいかもしれません。私も筆圧が強いタイプでして、力はいりすぎているなと感じることは結構ありました。しかし、筆圧検知のないタイプで書くと、基本的に同じ太さで書けているので、見やすくなったのは確かかなと思います。
ペンの楽しみや利便性を重視するならApple Pencil Pro
ただ、ペンで書く楽しみって筆圧とかも含めてあると思うんですよね。力の入ったところは気合いが入っているみたいな感じです(昭和かよ)。均一の文字は確かに見やすいのですが、そういう実利だけではなく、無駄な部分もペンを使う楽しみじゃないかと思っています。
あと、ワイヤレスに対応しているのも大きなメリット。Apple Pencil(USB-C)と違って、Apple Pencil ProはiPadに貼り付けるだけで充電もペアリングができるので、使いたいときに充電が切れていた、ペアリングできていないといったトラブルもありません。
サッとメモを取りたいと切ってあると思うので、そのときに待たされるという不安がないのは選ぶのに十分なポイントじゃないでしょうか。
価格差は8000円
気になる価格ですが、Apple Pencil(USB-C)は1万3800円なのに対して、Apple Pencil Proは2万1800円。その差は8000円です。
この8000円をどう見るかがポイントになるわけですが、上記に挙げたように便利な機能+日々のストレスのことを考えれば、私だったらApple Pencil Proを選びますね。
iPadを使っているとペンの出番はかなり多いので、充電やペアリングの不安を考えるとストレスのないApple Pencil Proがよいと感じます。それに新しい機能も便利ですしね。
それにしても、円安で大分値上がっているのが痛いところです。
実際に使ってから選ぶのが吉
ここまでザックリと新しいiPad ProとAirで使えるApple Pencilについて説明してきました。
ここで身もフタもないことをいってしまうと、実際に使ってみてから選んだ方がいいと思うのです。
ペンデバイスは書き心地とかは実際に体験してみないと伝わりにくいもの。
近くにApple Storeがあれば、そこに行くといくらでも試せるのでオススメ。もしなければ大きめの家電量販店で試用できるところを探してみるのがおすすめですね。
はじめてiPad向けにApple Pencilがリリースされたときは結構懐疑的に見ていたのですが、実際使ってみるとかなり便利で驚いた記憶があります。
Apple PencilがあるとiPadの活躍の場が大きく広がります。絵を描いたり、ノート代わりに使ったり色々できますが、最近だと3Dモデリングなどもできるんですよね。そのような使い方に興味がありましたら、「iPadで3Dモデリング!メリットや方法、おすすめのソフトを紹介 | SketchUp Pro Japan」をご参照ください。本当にすごいですよ。
このように、Apple Pencilは機能がこなれてきて、今はiPadになくてはならないデバイスになっているかと思うので、自分にあったペンを選んでほしいと思います。
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