2025年11月12日に配信されたWindows 11の最新アップデート「KB5068861」ですが、(案の定)さまざまな不具合が報告されています。「アップデートしたら画面が真っ暗になった」「再起動できなくなった」といった深刻なトラブルから、ちょっとした動作の不安定さまで、幅広い症状が出ているようです。
そこで、海外のRedditコミュニティやマイクロソフト公式フォーラム、専門ブログなどで報告されている不具合情報を整理して、どんなトラブルが起きているのか、どれくらい深刻なのかをまとめました。まだアップデートしていない方は参考にしていただければと思います。
KB5068861とは?基本情報をおさらい
KB5068861は、最新のセキュリティ修正プログラムと、先月のオプションのプレビュー リリースのセキュリティ以外の更新プログラムが含まれたWindows 11の2025年11月の月例アップデートです。
セキュリティアップデートが含まれているので「できるだけ早く適用すべき」とされているのですが、今回のKB5068861については慎重になった方がいいかもしれません。というのも、想定以上に多くのユーザーから不具合の報告が上がっているからなんですよね。
マイクロソフトの公式リリース情報では、このアップデートで修正される脆弱性やセキュリティ上の改善点が説明されていますが、残念ながら現時点では不具合についての公式見解は出ていないようです。
報告されている主な不具合カテゴリ
RedditやMicrosoft公式コミュニティ、専門ブログなどを確認したところ、KB5068861の不具合報告は大きく5つのカテゴリに分類できます。それぞれの症状と報告状況を詳しく見ていきましょう。
インストール失敗・エラーコード問題
最も報告が多いのが、このインストール失敗の問題です。アップデートをダウンロードして適用しようとすると、途中でエラーが発生してインストールが完了しないという症状ですね。
報告されている主なエラーコードには次のようなものがあります。
- 0x80071ab0 – ROG Ally Xなど一部のゲーミングデバイスで特に多く報告
- 0x800f0991 – システムファイルの整合性に関連するエラー
- 0x800f0905 – コンポーネントストアの破損を示すエラー
これらのエラーが出ると、何度試してもインストールが進まず、結果的に古いビルドのまま使い続けることになってしまいます。セキュリティを含むアップデートが適用できないというのは、本来の目的を考えると本末転倒な状況ですよね。
特にASUSのゲーミングハンドヘルド「ROG Ally X」では、0x80071ab0エラーが頻発しているという報告が目立ちます。ゲーミングデバイス特有のドライバー構成が影響している可能性が指摘されています。
シャットダウン・再起動ができない
次に多いのが、PCの終了や再起動ができなくなるという問題です。これは日常的にPCを使う上で非常に困る症状で、深刻度も高いトラブルといえます。
具体的な症状としては次のようなものがあります。
- シャットダウンボタンを押しても反応しない、またはフリーズする
- 再起動を選択すると無限ループに入ってしまう
- 電源ボタンの長押しでしか終了できない
- スリープから復帰できなくなる
このトラブルが発生すると、作業の終了時に毎回強制終了しなければならなくなり、データ損失のリスクも高まってしまいます。Reddit上では「KB5068861をインストールしてからノートPCが正常に終了できなくなった」という報告が複数のスレッドで確認されていますね。
この問題は、特定のハードウェア構成に限定されているわけではなく、さまざまなメーカーのPCで報告されています。つまり、環境依存というよりはアップデート自体に何らかの問題がある可能性が高いということになります。
エクスプローラーのクラッシュとネットワークドライブの異常
エクスプローラーが頻繁にクラッシュする、あるいはネットワークドライブにアクセスすると極端に動作が遅くなるという報告も多数上がっています。
システム管理者の方々が集まるRedditのr/sysadminでは、特にネットワーク関連の問題が話題になっていました。ネットワークドライブ上のファイルを検索すると応答が返ってくるまでに数分かかる、ファイルサーバーへのアクセスが異常に遅いといった症状です。
個人ユーザーでも、エクスプローラーで特定のフォルダを開こうとするとクラッシュする、ファイルをコピー中に応答しなくなるといった報告が見られます。日常的なファイル操作に支障が出るわけですから、仕事で使っている方にとっては致命的です。
こうしたファイルシステム関連の不具合は、KB5068861がファイル管理やネットワークプロトコルの処理方法を変更した結果、互換性の問題が生じている可能性があります。
ブラックスクリーンと映像出力のトラブル
アップデート後に画面が真っ暗になる「ブラックスクリーン」問題も深刻な不具合の一つです。この問題は、MacでWindows 11を動かしているエミュレーション環境で多く報告されています。
報告されている症状は次のようなものがあります。
- アップデート後の再起動で画面が表示されなくなる
- ログイン画面は表示されるが、その後ブラックスクリーンになる
- 画面の輝度調整ができなくなる
- 外部ディスプレイが認識されない
Mac環境でのトラブルが多い理由として、Appleのハードウェアとマイクロソフトのアップデートの相性問題が考えられます。特にGPUドライバーやディスプレイ管理システムとの衝突が原因の可能性が指摘されています。
Windows Report(海外の専門ニュースサイト)でも、Windows 11 25H2環境でのブラックスクリーン問題が取り上げられており、一部のユーザーはセーフモードでしか起動できない状態に陥っているようです。
その他の不具合:BSOD、オーディオ、アプリクラッシュ
上記以外にも、さまざまな不具合が散発的に報告されています。
ブルースクリーン(BSOD): システムクラッシュを引き起こすBSODが頻発するようになったという報告があります。エラーメッセージから判断すると、ドライバーとの互換性問題が疑われるケースが多いようです。
オーディオ問題: KB5068861適用後にスピーカーやヘッドホンから音が出なくなった、音質が劣化した、ノイズが入るといった症状も報告されています。オーディオドライバーとの相性問題が原因と考えられますね。
ゲーム・アプリのクラッシュ: 特定のゲームやアプリケーションが起動しなくなる、プレイ中にフリーズするという報告も見られます。Reddit上では「アップデート後からゲームが頻繁にクラッシュする」という投稿が複数確認できました。
これらの症状は、前述の主要な問題と比べると報告数は少ないものの、影響を受けたユーザーにとっては深刻な問題です。
不具合が発生した場合の基本的な対処法
もしKB5068861をインストール後にこうした深刻な問題が発生した場合、アップデートのアンインストールが最も確実な方法です。
設定→Windows Update→更新の履歴→アップデートのアンインストールから、KB5068861を削除できます。ただし、セキュリティアップデートを削除することになるため、次の修正版が配信されるまでの間はセキュリティリスクが高まる点には注意が必要ですね。
まとめ:当面は様子見が賢明かも
KB5068861の不具合ですが、現時点(2025年11月中旬)では、さまざまな環境で多様な不具合が報告されており、完全に安全なアップデートとは言い難い状況です。特にインストール失敗、シャットダウン問題、Explorer関連のトラブルは報告数が多いのが気になります。
一方で、すべてのユーザーに問題が発生しているわけではなく、環境によってはスムーズにアップデートが完了しているケースも多数あります。ハードウェア構成やインストール済みのドライバー、使用しているアプリケーションなどの組み合わせによって、不具合の発生率が変わってくるようですね。
そのため、まだインストールしていない場合は、マイクロソフトから公式の修正パッチや見解が発表されるまで、アップデートを保留することを検討してもいいかもしれません。Windows Updateの設定で、一時的に更新を停止することができます。
すでにインストールして問題が出ている方は、前述のアンインストール手順を試してみてください。また、マイクロソフトのフィードバックHubアプリから不具合を報告することで、早期の修正につながる可能性があります。
問題なく使えていても、念のためシステムのバックアップを取っておくと安心です。万が一後から問題が表面化した場合でも、迅速に対処できますからね。
マイクロソフトからの公式アナウンスや、修正版のリリース情報には引き続き注目していきたいと思います。
参考情報・出典
この記事は次の情報源を参考に作成しました。
- Microsoft公式サポート:November 11, 2025—KB5068861
- Windows Report:複数の不具合報告記事
- Reddit:r/WindowsHelp、r/sysadmin、r/bootcamp等の各種スレッド
- Microsoft Learn公式フォーラム:ユーザー報告とディスカッション
- YouTube:トラブルシューティング動画とコメント
※不具合の状況は日々変化する可能性があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

