いつものように倍速で動画を見ようと思ったら、「あれ?速度が変えられない…」と困った経験はないでしょうか?実は、2025年11月上旬から、YouTubeで動画の再生速度が変更できないトラブルが発生しています。
そこで、この問題の発生状況や原因、そして今すぐ試せる対処法まで詳しく解説していきます。
どんな症状が出ているのか?
まず、今回の不具合でどのような症状が報告されているか確認していきましょう。
主な症状としては、次のようなものがあります。
- 歯車アイコンから「再生速度」を選んでも、1倍速しか選択できない
- 再生速度メニュー自体が表示されない
- 再生速度の項目がグレーアウトして操作できない
- ショートカットキー「Shift + .」を押しても反応しない
通常であれば、0.25倍速から4倍速まで自由に選べるはずなんです。でも今回の不具合では、多くのユーザーが1倍速でしか視聴できない状態になっています。効率的に情報収集したい方や、学習目的で倍速視聴していた方にとっては、かなり不便な状況ですよね。
最新の発生状況と公式発表
この問題は2025年11月1日頃から報告が増え始めました。11月13日現在も完全には解消されていない状況です。
YouTube側も「一部ユーザーで再生速度に関する問題が発生していることを認識しており、調査を進めている」と発表しています。つまり、YouTubeもこの問題を把握しているということなんです。
SNSやコミュニティフォーラムでも多数の報告が寄せられており、日本国内だけでなく海外でも同様の症状が確認されています。特にRedditなどの海外掲示板では、「playback speed not working」という投稿が多く見られますね。
そして、この問題は今回が初めてではないという点です。実は2025年8月にも同様の不具合が発生していて、その時はAndroid版のYouTubeアプリで大規模に発生しました。今回はブラウザ版を中心に発生しているという違いがあります。
不具合が起こる原因は?
では、なぜこのような問題が起きているのでしょうか。いくつかの原因が考えられます。
YouTube側の新機能テストによる影響
最も有力な原因は、YouTube側で新しいプレーヤー仕様のテストを行っており、その実験機能が一部のアカウントに誤って適用されているというものです。
YouTubeは常に新機能の開発を進めていて、一部のユーザーを対象にテスト版を配信することがあります。今回の問題も、このテスト機能が意図せず一般ユーザーに影響を及ぼしている可能性が考えられます。
広告ブロッカーや拡張機能の干渉
ブラウザに広告ブロッカー(AdblockやuBlock Originなど)をインストールしている場合、これがYouTubeのプレーヤー機能と干渉することがあります。
YouTubeは広告ブロッカーを使用するユーザーに対して、さまざまな対策を講じています。その過程で、再生速度を含む一部の機能が正常に動作しなくなってしまうケースがあるんですね。
特に動画を自動でスキップする系の拡張機能や、YouTubeのUIをカスタマイズする系の拡張機能は要注意です。
ブラウザの設定や不具合
Google Chromeを使っている場合、「ハードウェアアクセラレーション」という設定が原因で、YouTubeの描画が崩れることがあります。
この機能は、動画処理をGPU(グラフィック機能)に任せることで、動画をスムーズに再生するためのものです。しかし、環境によっては逆に不具合の原因になってしまうことがあるんです。
また、ブラウザのキャッシュやCookieが破損している場合も、YouTubeのプレーヤーが正常に読み込まれないことがあります。
影響を受けやすい環境
この不具合は、特に次の環境で発生しやすいという報告があります。
- Google Chromeを使用している(最も報告が多い)
- 広告ブロッカーをインストールしている
- 複数のYouTube関連の拡張機能を使用している
- ブラウザを長期間再起動していない
Firefoxでも発生することはありますが、Chromeユーザーからの報告が圧倒的に多いようです。
今すぐ試せる対処法
それでは、具体的な対処方法を見ていきましょう。簡単なものから順番に試していくのがおすすめです。
1. ページを再読み込みする
まずは基本中の基本ですが、ページを再読み込みしてみましょう。
キーボードの「F5」キーを押すか、ブラウザの更新ボタンをクリックするだけです。一時的な読み込みエラーであれば、これだけで解決することもあります。
完全に再読み込みしたい場合は、「Ctrl + Shift + R」(Macの場合は「Command + Shift + R」)を押すと、キャッシュを無視して再読み込みできます。
2. ブラウザを再起動する
ページの再読み込みで解決しない場合は、ブラウザを完全に終了してから、もう一度起動してみてください。
ただし、タブを閉じるだけでは不十分です。ブラウザを完全に終了させる必要があります。Chromeの場合、タスクマネージャーを確認して、バックグラウンドで動作しているプロセスも終了させるとより効果的ですね。
3. 広告ブロッカーや拡張機能を無効化する
広告ブロッカーや他の拡張機能が干渉している可能性があるため、一時的に無効化してみましょう。
Chromeの場合、以下の手順で確認できます。
- ブラウザ右上の「︙」(三点リーダー)をクリック
- 「拡張機能」→「拡張機能を管理」を選択
- インストールされている拡張機能を一つずつオフにする
特にAdblock系の拡張機能を停止すると、問題が解決するケースが多いです。もし拡張機能をオフにして再生速度が変更できるようになったら、どの拡張機能が原因だったのか特定できますね。
4. シークレットモード(プライベートブラウジング)で試す
シークレットモードでは、拡張機能やキャッシュが無効になるため、問題の切り分けに役立ちます。
Chromeの場合、「Ctrl + Shift + N」(Macの場合は「Command + Shift + N」)でシークレットウィンドウを開けます。
シークレットモードで再生速度が変更できた場合、拡張機能やキャッシュが原因だと特定できますね。
5. 別のブラウザで試す
Chromeで問題が発生している場合、EdgeやFirefox、Safariなど別のブラウザで試してみるのも一つの方法です。
別のブラウザで正常に動作すれば、使用しているブラウザ固有の問題だと分かります。この場合、ブラウザの再インストールも検討してみてください。
6. ハードウェアアクセラレーションをオフにする
前述したとおり、Chromeのハードウェアアクセラレーションが原因の場合もあります。以下の手順で無効化できます。
- Chromeの「設定」を開く
- 「システム」を選択
- 「ハードウェアアクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオフにする
- ブラウザを再起動
この設定をオフにすることで、動画再生のカクつきが減る場合もあるので、一石二鳥かもしれません。
7. YouTubeからログアウトして試す
ログイン状態が影響している可能性もあるため、一度ログアウトしてから動画を再生してみてください。
YouTubeのテスト機能は、特定のアカウントに対して適用されることがあります。ログアウト状態で再生速度が変更できるようになった場合、アカウントに紐付いた問題だと分かりますね。
8. キャッシュとCookieを削除する
ブラウザに蓄積されたキャッシュやCookieが原因の場合もあります。この場合は、削除することで問題が解決することがあります。ただし、キャッシュやCookieの削除は他のサイトのサインインや設定なども消えてしまうので、影響が少し大きいです。
そのため、この方法を試す場合は、その点に留意してから行なってください。
Chromeでの削除方法は次の通りです。
- ブラウザ右上の「︙」をクリック
- 「設定」を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 期間を「全期間」に設定し、「キャッシュされた画像とファイル」と「Cookieと他のサイトデータ」にチェックを入れる
- 「データを削除」をクリック
削除後は、ブラウザを再起動してからYouTubeにアクセスしてみてください。
公式の対応を待つべき?
結論から言うと、ユーザー側でできる対処法を試しても解決しない場合は、公式の修正を待つしかありません。
過去の事例を見ると、2025年8月のAndroid版での不具合は、YouTube側が約24時間以内に修正を配信しました。今回も同様に、数日以内には修正される可能性が高いと考えられます。
ただし、すべてのユーザーに一斉に修正が適用されるわけではないため、自分のアカウントに反映されるまでには少し時間がかかるかもしれません。
まとめ
YouTubeの再生速度が変更できない問題は、YouTube側の新機能テストや広告ブロッカーの干渉が主な原因と考えられています。
今回紹介した方法を試しても解決しない場合は、YouTube側の修正を待ちましょう。過去の事例から見ても、数日以内には改善される可能性が高いです。

