iPadOS 26では、マルチタスクの使い方が大きく変わりました。これまでのSplit Viewが廃止され、よりMacに近いウィンドウスタイルに変更されています。Macを使っている人ならそれほど違和感はないのですが、これまでiPadを中心にマルチタスクを使っていた人は馴染みにくいものだと思います。
そこで、基本的に押さえておきたいマルチタスクの使い方について解説していきます。
設定からマルチタスクを有効化する
デフォルトではオンになっているのでそれほど気にしなくてもいい部分ですが、iPadOSのマルチタスクは設定アプリで切り替えられます。作業に集中したいときとかはマルチタスクをオフにして、全画面でのみ使えるようにすると捗りますからね。
マルチタスクを利用するには、設定アプリで変更します。設定アプリの「マルチタスクとジェスチャ」を開き、「ウィンドウ表示アプリ」を選択します。

これでウィンドウ操作が可能になります。今までのiPadのように、全画面でしか操作しないなら「フルスクリーンアプリ」を選択すればOKです。
なお、さらに高度なマルチタスクとして「ステージマネージャ」があります。これはウィンドウをグループ化できる機能なのですが、これを説明するとかなり長くなるので、こちらの解説は別記事にしたいと思います。
コントロールセンターで素早く切り替える
設定アプリでウィンドウ操作と全画面表示を切り替えられますが、毎回設定アプリを開くのは面倒です。そこで、コントロールセンターで切り替えられるようにしておきましょう。
コントロールセンターを開いたら、左上の「+」をタップします。

コントロールセンターが編集できるようになるので、「コントロールを追加」をタップします。

画面下の方に「ユーティリティ」というセクションがあるので、その中の「マルチタスク」をタップして追加します。

これでコントロールセンターからマルチタスクのオン・オフが切り替えられるようになりました。

今までのSplitViewのような使い方をする場合はマルチタスクをオン、1つの作業に集中するときはマルチタスクをオフにすると便利です。
ウィンドウ操作の基本
では、マルチタスクをオンにしたときのウィンドウ操作についてまとめていきましょう。
ウィンドウを移動する
ウィンドウを移動するときは、ウィンドウの上部をドラッグします。これで好きな場所に移動できます。ただ、画面にタッチしてすぐにドラッグすると移動しないことがあるので、タッチして一瞬間を置いてからドラッグするといいでしょう。

また、画面の端をドラッグすると、ウィンドウの大きさが変わるので注意してください。
ウィンドウの大きさを変更する
ウィンドウの下部にハンドルのマークが表示されていれば、ウィンドウの大きさを変更できます。

大きさを変更する場合は、ウィンドウの4角のいずれかをドラッグすればOKです。別にハンドルが表示されていない場所でも大きさを変更できるので、好きな場所をドラッグしましょう。

アプリを終了する
アプリを終了する場合は、ウィンドウの左上にある信号機アイコンをタップします。表示された信号機アイコンの中から赤アイコンをタップするとアプリが終了します。


この操作はアプリの終了なので、普段はあまり使う必要はないと思います。「他のウィンドウの邪魔だから消したい」というときは、次のウィンドウの最小化を行なってください。
ウィンドウを最小化する
ウィンドウの最小化は、アプリは起動したままウィンドウを非表示にする操作です。一時的に非表示にしたい場合は、こちらの操作を行います。
ウィンドウを最小化するには、信号機アイコンを表示して、黄色のアイコンをタップします。これでウィンドウはDockに収納されます。

ウィンドウを全画面で表示する
ウィンドウを全画面表示したいときは、信号機アイコンを表示して、緑のアイコンをタップします。これでウィンドウは全画面表示になります。

ちなみに全画面表示にしても、いつでもウィンドウの大きさを変更できます。
信号機アイコンが表示されていない場合は
ウィンドウを全画面表示している場合は、信号機アイコンが表示されていません。この場合は、画面上端から下に向かってスワイプします。

メニューバーが表示され、信号機アイコンが表示されます。

メニューバーの使い方
上で説明したように、画面上端から下に向かってスワイプするとメニューバーが表示されます。これもMacではお馴染みですが、このメニューからさまざまな操作が可能です。ただ、アプリによって表示されるメニューの内容は異なります。
そこで知っておくと便利な操作方法だけまとめていきます。
アプリの設定を呼び出す
通常、アプリの設定画面は、設定アプリ→「アプリ」→アプリ名をタップして開く必要がありました。しかし、メニューバーなら一発で設定画面を呼び出せます。
メニューバーを表示したら、「ファイル」→「(アプリ名)設定」をタップします。これで、アプリの設定が表示されます。


サイドバーの表示・非表示を切り替える
iPadのアプリでは、サイドバーが用意されているものがあります。このタイプのアプリの場合、サイドバーの表示と非表示をメニューバーから切り替えられます。アプリによっては、サイドバーの表示と非表示を切り替える方法がわかりにくいものがあるので、この方法を知っていれば迷わずに切り替えられます。
サイドバーの表示と非表示を切り替えるには、「表示」→「サイドバーを非表示(表示)」をタップします。

ウィンドウを整列させる
以前のSplitViewみたいに使いたい場合は、ウィンドウを整列させる方法を知っておけば、同じような感覚で使えます。
整列メニューの使い方
まず、ウィンドウを整列させるには、信号機アイコンの緑アイコンを長押しします(信号機アイコンが小さい表示のときは、信号機アイコン自体を長押しします)。すると、整列メニューが表示されます。

整列メニューは上下に分かれていて、上段はこのウィンドウをどこに配置するかを選択できます。下段は画面上にあるウィンドウをどのように整列させるかを選択できます。

例えば、このウィンドウを右側に整列させたい場合は、上段の右側が黒いアイコンをタップします。すると、このウィンドウが画面の右側にリサイズして移動します。


以前のSplitViewのように使いたい場合は、下段のメニューを使います。例えば、2つのウィンドウを横に並べて表示させる場合は、下段の2分割のアイコンをタップします。これでSplitViewのような表示になります。


ちなみにウィンドウの境界線にはハンドルが表示されており、ここをドラッグすれば表示幅を調整できます。これも以前のSplitViewに似た感じの操作感ですね。ただし、SplitViewの場合、ハンドルを左右いずれかの端までドラッグすると、そちら側のウィンドウが閉じましたが、iPadOS 26ではこの操作はできません。ウィンドウを閉じる場合は、前述したウィンドウ最小化の操作をしてください。

ちなみに3分割、4分割の場合でも、横方向ならハンドルが表示されるので幅を調整できます。縦方向の調整はできません。
フリックで整列させる
ウィンドウを左右に整列させたい場合、ウィンドウを左右のいずれかの方向でフリック(弾くような操作)すると、その方向にウィンドウを整列させることができます。

ただ、この方法はかなりクセがあるので、慣れが必要です。
なお、上方向にフリックすると全画面で表示できます。
SlideOverは使えない?
以前のマルチタスクでは、SplitViewのほかにウィンドウを重ねて表示できるSlideOverがありました。しかし、iPadOS 26ではSlideOverも使えなくなっています。
しかし、iPadOS 26.1ではSlide Overは復活する予定です。iPadOS 26.1のデベロッパベータ(開発者向けベータ版)では、整列メニューの中に「SlideOver」が登場しており、これを選択するとすべてのウィンドウの前面にSlideOverのウィンドウが表示されるようになっています。
ベータ版のため、iPadOS 26正式版では手順が変わる可能性はありますが、一応復活する予定のようです。ベータ版を試してみましたが、問題なく動いているようなので、正式リリースを待ちましょう。
まとめ:慣れれば使いやすいマルチタスク
iPadOS 26のマルチタスクは、だいぶMacに近い感じになっています。そのため、以前のSplitViewに慣れている人は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえばだいぶ使いやすいものだとは思います。ただ、まだこなれていない感じはあるので、時間をかけてブラッシュアップされ、さらに使いやすくなるのではないでしょうか。
SplitViewに近い使い方もできますし、何より以前のマルチタスクは戻って来ませんので、現在の環境に慣れていくのが得策です。使っているうちにコツが掴めてくると思うので、どんどん触ってみてください。