夏休みが始まって、子供たちの外出機会がぐんと増えています。これからお盆休みも控えており、Nintendo Switch2を持って友達の家に遊びに行ったり、帰省先や旅行先に持参したりする機会も多くなるでしょう。
しかし、ここで気になるのが盗難や紛失のリスクです。スマートフォンであれば「探す」機能で位置を特定できますが、Switch2にはそうした機能が標準搭載されていません。大切なゲーム機を守るために、事前にできる対策をしっかりと準備しておきましょう。
Switch2を紛失・盗難されたらどうなる?
まず、「もしSwitch2を無くしたり盗まれたりしたら、どんなことが起こるのか」について整理しておきましょう。
起こりうるリスク
Switch2が手元からなくなって起こりうるリスクは次のようなものがあります。
経済的な損失
Switch2本体は決して安い買い物ではありません。本体価格に加えて、ダウンロードしたゲームソフトやアクセサリーも含めると、かなりの金額になってしまいます。
個人情報の悪用
本体に保存されているユーザー情報やゲームデータ、場合によってはクレジットカード情報などが第三者に渡ってしまう可能性があります。特に決済情報が登録されている場合は、不正購入のリスクも考えられます。
データ消失による心理的ショック
お気に入りのゲームや長時間かけて育てたキャラクターデータを失うことは、誰にとっても大きなショックです。「また同じゲームを最初からやり直し」というのは想像以上につらいものです。
でも、すべてを失うわけではありません
ただし、適切な対策を講じていれば被害を最小限に抑えることができます。特に重要なのは、ゲームデータの多くはニンテンドーアカウントに紐づいているということです。つまり、本体を失ってもアカウントさえ守れれば、新しい本体でデータを復旧できる可能性があります。
このような現実を踏まえて、Switch2にはどのようなセキュリティ機能が用意されているのか見ていきましょう。
Switch2の公式セキュリティ機能を理解しよう
それでは、Switch2にはどのようなセキュリティ機能が搭載されているのか、詳しく見ていきましょう。スマートフォンとは異なる部分もありますが、しっかりと設定すれば十分な防犯効果を期待できますよ。
遠隔ロック・位置追跡機能の現実
まず重要なことをお伝えしておくと、Nintendo Switch2にはスマートフォンのような遠隔ロック機能や位置追跡機能は搭載されていません。「iPhoneを探す」のように、紛失した本体をリアルタイムで追跡したり、遠隔操作で使用不可にしたりする機能は存在しません。実際、この点については、任天堂が公式に注意喚起しています。
これは、期待されていた機能だけに、この点を残念に思う方も多いかもしれません。しかし、Switch2には他の形でのセキュリティ対策が用意されています。
PINロック機能を最大限活用する
Switch2に搭載されている最も重要なセキュリティ機能が「PINロック」です。これは4〜8桁の暗証番号を設定できる機能で、本体のスリープ解除時や起動時に入力を要求できます。
このロック機能ですが、間違った暗証番号を複数回入力すると、段階的に本体がロックされる仕組みになっています。例えば、3回間違えると30分、6回で1時間、10回で24時間といったように、不正アクセスを物理的に阻止できます。ですので、外に持ち歩くことがあるなら、必ず設定しておいた方がいいでしょう。
設定のコツとしては、8桁の複雑なPINを設定し、解除タイミングを「スリープ解除時」「アプリ起動時」など細かく設定するのがおすすめです。家族で共有している場合は、子どもだけでは解除できないように大人が管理するのが安全ですね。
ただし、注意点もあります。本体を工場出荷状態に初期化されると、このPINロックも解除されてしまいます。そのため、あくまで「抑止力」として考え、過信は禁物です。
シリアル番号によるBAN機能
もう1つの重要な機能が、シリアル番号を使った本体のBAN(利用停止)機能です。盗難届を出して任天堂に連絡すると、そのシリアル番号の本体がオンラインに接続された場合、自動的にBANされて多くの機能が利用不能になります。
具体的には、ゲームの購入ができなくなったり、アップデートが受けられなくなったりします。これにより、盗んだ本体の転売価値を大幅に下げることができます。ただし、オフラインでは使用できる可能性があるため、完全な対策とは言えません。
アカウント保護が最重要
実は、本体よりも重要なのがニンテンドーアカウントの保護です。購入済みソフトやクラウドのセーブデータ、個人情報などの「デジタル資産」はすべてアカウントに紐づいています。
つまり、本体を失ってもアカウントさえ守れれば、新しい本体でデータを復旧できるということです。必ずニンテンドーアカウントに強力なパスワードを設定し、二段階認証を有効にしておきましょう。
ニンテンドーアカウントの不正ログイン対策については、任天堂の公式サポートページ「不正ログインを防ぐために」で詳しく解説されています。パスキーや二段階認証の設定方法、パスワードの安全な管理方法、万が一不正ログインされた場合の対処法まで、包括的にカバーされているので、ぜひ一度確認してみてください。

おすすめの外部デバイス・サービス
Switch2には公式の位置追跡機能がないとはいえ、外部デバイスを使えば一定の安心感を得ることは可能です。最も手軽で効果的な対策を紹介していきます。
紛失防止タグの活用
最も手軽で効果的なのが、紛失防止タグをSwitch2に装着する方法です。紛失防止タグを選ぶときは、次のような点をチェックするといいでしょう。
- Switch2のケースやストラップ穴に、タグをしっかり固定できるものを選ぶ
- 予算や用途に応じて、落下や置き忘れ時の通知機能の有無もチェック
- iPhoneユーザーならAirTagが本体で一括位置確認・通知が便利
- Android含めるならTileが実用性が高い
これらのポイントを踏まえて、おすすめの紛失防止タグを紹介していきます。
Apple AirTag
- Apple AirTag
- 特徴:iPhoneの「探す」アプリで位置追跡+スピーカー内蔵で音でも見つけやすい
- 機能:防水・電池交換式・精密な場所特定が可能
- 取付方法:ケースやホルダーを併用してSwitch2に固定
- 向いている人:iPhoneユーザーで最も確実な追跡を求める場合
Anker Eufy Security SmartTrack Link
- 特徴:iOS「探す」にもEufyアプリにも対応するコンパクトなキーホルダー型
- 機能:ボタン電池交換可能、低価格で導入しやすい
- 取付方法:キーホルダー形状でケースに直接装着可能
- 向いている人:コストを抑えつつ両OS対応を求める場合

Tile スターターパック(Mate + Slim セット)
- 特徴:iOS・Android両方のTileアプリに対応、MateとSlimの2個セットで2段構えの対策が可能
- 機能:音で知らせる・Tileネットワークで広範囲カバー・異なる形状で用途に応じて使い分け
- 取付方法:Mateはキーホルダーとしてケースに、Slimはカードタイプで薄型収納部に装着
- 向いている人:複数の場所に装着して確実性を高めたい場合、コミュニティ機能を活用したい場合
盗難リスクを下げる持ち運び用ポーチ・ケースの選び方
外出時の持ち運びには、防犯性を意識したポーチやケースの選択も重要です。まずは、持ち運び時の盗難リスクを下げるための選び方のポイントを確認してみましょう。
デザイン面
手提げよりもバッグの奥に入る薄型で、黒系や無地といった目立たないデザインがおすすめです。外から見て高価なゲーム機が入っているとバレにくいものを選ぶのがコツです。
構造面
ファスナー付きや2重構造のケースの方が、こじ開け抑止効果が期待できます。また、カラビナやストラップ付きのものなら、バッグ内の金具やポケットに固定してスリ対策にもなります。
追加対策
必要に応じて、前述した防犯タグやGPSタグ(AirTagなど)をポーチに隠して装着しておくとさらに安心です。
これらのポイントを踏まえて、「耐衝撃性」「しっかりと閉じられる構造」「目立たないデザイン」「内部ベルト・ストッパーで本体の落下や不意な飛び出しを防ぐ」といった機能性を持つおすすめモデルを紹介します。
キーズファクトリー スリムハードケース for Nintendo Switch 2 ブラック
- 特徴:傷が目立ちにくいナイロン風生地、内側は柔らかな起毛+クッション素材
- 機能:6枚分のゲームカード収納、落下防止ベルト装備、ファスナーでしっかり開閉
- 防犯性:バッグの中で目立ちにくいデザイン&コンパクト設計
エレコム GM-NS225EVDCBK セミハードポーチ
- 特徴:EVA素材で衝撃に強く、ゲーム機+12枚ソフト収納可能
- 機能:落下防止ストッパー付きポケット、ダブルファスナー採用
- 防犯性:不意なこじ開け防止効果、ブラックカラーで目立ちにくい
キーズファクトリー クイックポーチ for Nintendo Switch 2
- 特徴:フード状の蓋+面ファスナーでサッと出し入れ可能
- 機能:伸縮&クッション性が高い素材、Joy-Con装着のまま収納
- 防犯性:最小限の薄型設計でバッグの奥にしまいやすい
サイバーガジェット CYBER・シンプルポーチ (Switch2用)
- 特徴:汎用のシンプルな外観で中身が分かりにくい
- 機能:EVA製で軽量かつ耐衝撃、画面保護パッド内蔵
- 防犯性:最大14枚分のゲームカードスペース、カバー装着のまま使用可能
ユーザーができる実践的な自衛策
公式のセキュリティ機能に加えて、日常的に実践できる自衛策も重要です。技術的な対策と合わせて、これらの基本的な対策を組み合わせることで、Switch2をより安全に守ることができますよ。
シリアル番号の控えは必須
万が一の事態に備えて、Switch2のシリアル番号を必ず控えておきましょう。本体の裏面や購入時の箱に記載されているので、スマートフォンで撮影して保存しておくのが簡単です。
このシリアル番号があることで、盗難時に警察や任天堂への連絡がスムーズに進みます。また、前述したBAN機能を利用する際にも必要になる重要な情報ですからね。
みまもり設定を活用する
基本的なPINロック設定に加えて、お子さんが使用する場合は任天堂の「みまもり設定」も併用しましょう。これは単なる使用時間の制限だけでなく、盗難後の二次被害を防ぐという観点でも非常に有効な機能なんです。
みまもり設定では、不要な権限やチャット機能、課金、個人情報の変更などを制限することができます。万が一本体が盗まれた場合でも、これらの機能が制限されていれば、不正な課金や個人情報の悪用といった被害を最小限に抑えられます。
みまもり設定の詳しい使い方や制限できる内容については、任天堂の公式サポートページ「みまもりサポート」で包括的に解説されています。スマートフォンアプリを使った設定方法から、本体のみでの設定方法まで、様々な状況に対応した情報が掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。

持ち歩き・保管の工夫
日常の管理も非常に重要です。外出時は必ずバッグの奥や専用ケースに入れて、人目のある場所や机の上に放置しないよう心がけましょう。
また、GPSタグや落とし物防止タグに加えて、目立つ防犯シールを装着しておくのも効果的です。これらは紛失時の発見率を上げるだけでなく、盗難の抑止効果も期待できます。
緊急時の初動対応
盗難や紛失が判明したら、まずはアカウントのパスワード変更と決済情報の削除を迅速に行ってください。その後、警察への届け出と任天堂カスタマーサポートへの連絡を行い、シリアル番号を伝えてBAN申請を行いましょう。
このような多段階の対応により、被害を最小限に抑えることができます。
盗難や紛失が起きたときの緊急対処
万が一、Switch2が盗まれたり見つからなくなってしまった場合の対処法も頭に入れておきましょう。
初動対応
まずは慌てずに、最後にゲームをした場所や置いた場所を思い出してみましょう。案外、意外な場所で見つかることも少なくありません。
位置情報タグを装着していた場合は、専用アプリを開いて「最後に検知された場所」を確認してみてください。手がかりが得られるかもしれません。
公的手続きと任天堂サポートへの相談
被害が確実な場合は、警察への被害届提出も検討してください。その際、前述したシリアルナンバーが重要な情報となります。
併せて、Nintendoカスタマーサポートにも連絡して、適切な対応手続きを取りましょう。公式サポートからのアドバイスを受けることで、より適切な対応ができるはずです。
まとめ:多重防御とアカウント保護で安心のゲームライフを
Nintendo Switch2には確かにスマートフォンのような標準的な遠隔ロック・位置追跡機能はありません。しかし、PINロック機能の最大活用、シリアル番号によるBAN機能、そして紛失防止タグなどの外部デバイスを組み合わせることで、安心な状態を作り出せます。
特に重要なのは、本体よりもニンテンドーアカウントの保護です。強力なパスワードと二段階認証を設定し、万が一の際は迅速にアカウント保護措置を取ることで、デジタル資産を守れます。
何より大切なのは、子供にもわかりやすいルールを作って、家族みんなでSwitch2を守る意識を共有することです。日常の防犯意識と、今回ご紹介した技術的対策を組み合わせることで、この夏の楽しいゲームライフを安心して満喫できるはずです。