2025年6月現在、iOS18.5にアップデートしたiPhoneユーザーの間で「メールアプリが開かない」「フリーズする」「メール一覧が表示されない」などの深刻な不具合が多数報告されています。6月5日頃から急激に症状を訴えるユーザーが増加しており、日常的にメールを使っている方にとっては非常に困った状況です。
そこで、現在報告されている症状と、実際に効果があった対処法を詳しく解説していきます。根本的な解決にはAppleのアップデート待ちとなりますが、一時的でも改善できる方法を試していきましょう。
iOS18.5メールアプリ不具合の主な症状
今回の不具合は、iOS18.5にアップデートしたiPhoneのメールアプリが使えなくなるというものです。主な症状としては、次のものがあります。
- メールアプリを起動しても画面が真っ白(または真っ黒)になり操作不能
- アプリが途中でクラッシュしたり、起動後すぐに落ちる
- メールが受信できない、送信に失敗する
- メールの一覧が表示されず、アプリが固まってしまう
- 再起動すると一時的に改善するが、しばらくすると再発する
特に厄介なのは、一度改善しても時間が経つと再び同じ問題が発生してしまうことです。これはiOS18.5特有の不具合で、ほぼ全てのiPhoneモデルで発生しているようです。なお、iPadでの発生例はほとんど報告がありません。
発生しやすい条件と傾向
今回の不具合ですが、次のような傾向にあるようです。
- 未読メールが多い場合や迷惑メールフォルダに大量のスパムがある場合に発生しやすい
- ただし、未読メールがなくても症状が出るケースも多数報告されている
- メールアカウントの種類(iCloud、Gmail、Outlookなど)や登録数に関係なく発生
- ネットワーク環境やストレージ不足、メールデータの破損なども一因となる場合がある
つまり、誰でも発生する可能性があるということですね。
不具合を解消するために試してみたい方法
では、効果的な対処法を順番に見ていきましょう。リスクの低い順に紹介していきます。ただし、説明にも書いていますが、「メールアカウントの削除と再追加」以降の対処法は、再設定が必要などかなり面倒な作業が発生します。
今回のトラブルは、iOSに依存するもので、アップデートされれば問題が解消されると思われるので、後述する一時的な回避策でしのぎ、アップデートを待った方が余計な手間は取られなくて済むと可能性が高いです。
メールアプリの強制終了と再起動
最もリスクが低く、手軽に試せる方法から始めましょう。アプリの一時メモリをクリアすることで、軽微な不具合を解消できます。
- ホーム画面で下から上にスワイプして中間で停止(ホームボタンがある機種はダブルクリック)
- アプリ一覧からメールアプリを見つける
- メールアプリのプレビューを上にスワイプして閉じる
- ホーム画面に戻り、メールアプリを再度開く
この方法は何の設定も変更せず、データも失われないため安心して試せます。即効性もありますが、根本的な解決にはならない場合が多いです。
iPhone本体の再起動
一時的ですが、最も多くのユーザーで効果が確認されている方法です。ただし、再発率が高いため、他の対処法と組み合わせることをおすすめします。
- 電源ボタンと音量ボタンを長押し
- 「スライドで電源オフ」を実行
- 完全に電源が切れたら、1分ほど待つ
- 電源ボタンを長押しして起動
多くのユーザーが「再起動で一時的に改善する」と報告していますが、半日から1日程度で再発することが多いようです。それでも、データを失うリスクがなく効果も高いため、メールアプリの再起動で改善しない場合は次に試すべき方法です。
メールアカウントの削除と再追加
ここからは少し設定を変更する方法になります。設定しているメールアカウントを一旦削除し、再度追加したら改善したという報告があります。
この操作を行っても、メールはサーバーに保存されているため、アカウントを再設定すれば再び表示されます。ただし、メール設定に必要な情報(パスワードなど)を再設定する必要があります。これらの情報がわからないならこの対処は行わない方が無難です。
メールアカウントの削除と再追加をする場合は、次の手順で行います。
- 設定アプリで「アプリ」→「メール」→「メールアカウント」の順にタップします。
- 問題のあるアカウントをタップします。
- 「アカウントを削除」をタップします。
- iPhone本体を再起動します。
- 再度、設定アプリを開き、「アプリ」→「メール」→「メールアカウント」の順にタップします。
- 「アカウントを追加」をタップし、使用するメールアカウントを設定します。
Apple Accountのサインアウト・再サインイン
iCloudメールを利用している場合、Apple Accountのサインアウト・再サインインで改善したという報告が複数あります。
ただし、Apple Accountからサインアウトすると、すべてのiCloudサービスが利用できなくなります。再サインインをすれば元通りに使えるようになりますが、同期などにかなりの時間を取られる恐れがあるため、やむを得ない事情(どうしてもメールアプリを使いたい)がない限り、行わない方がいいでしょう。
念のため、手順は書いておきます。Apple Accountのサインアウト・再サインインするには、次のように操作します。
- 設定アプリで「[ユーザー名]」をタップします。
- 画面下部にある「サインアウト」をタップします。
- サインアウトできたら、iPhone本体を再起動します。
- 再度Apple Accountでサインインします。
繰り返しますが、Apple Accountの再サインインはかなり面倒なので、個人的にはおすすめしません。
ネットワーク設定のリセット
多くのユーザーの報告では、ネットワーク設定のリセットは比較的効果が高いとされる方法のひとつです。ただし、この操作により、次の内容がリセットされます。
- Wi-Fiパスワード
- VPN設定
- 携帯電話設定
- Bluetooth接続
つまり、通信に関する部分を再設定しなければなりません。「これらの再設定に時間が取られるのは困る」「再設定する自信がない」などの不安があるなら、後述するその他の対処法を行うのがおすすめです。
一応手順は書きますが、行う場合は自己責任でお願いします。
- 設定アプリで「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」をタップします。
- 「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」をタップします。
- パスコードを入力して実行します。
- iPhoneを再起動します。
- すべてのネットワーク設定(Wi-Fi、モバイル回線、Bluetoothなど)をやり直します。
その他の対処法と回避策
上記の方法で改善しない場合や、Appleの修正を待ちたい場合には、次のような代替手段の活用がおすすめです。これらの方法を活用することで、不具合の影響を最小限に抑えながらメールを利用できます。
代替メールアプリの利用
純正メールアプリが使えない間は、他のメールアプリを利用するのも効果的な回避策です。各アプリは日本語UIに対応しており、App Storeの評価も高めです。
- Gmail
Googleが提供する公式メールアプリで、Gmailのほか複数のアカウント(Yahoo、Outlookなど)も一元管理できます。シンプルで使いやすいインターフェースが特徴です。

- Outlook
Microsoftが提供する多機能メールアプリで、Outlook.comやHotmailだけでなく、GmailやYahooなどもサポート。カレンダーやTo Do機能との連携も優れています。

- Spark Mail
洗練されたデザインと機能性を両立したメールアプリで、複数アカウントをまとめて管理できるのが特長。スマート受信箱やスヌーズ機能など、生産性向上に役立つ機能も充実しています。

- Yahoo!メール
Yahoo!メール専用の公式アプリで、迷惑メール対策機能や通知カスタマイズが豊富。Yahoo!ユーザーにとっては最も安定して使える選択肢です。

これらのアプリは純正メールアプリとは独立して動作するため、iOS18.5の不具合の影響を受けません。どのアプリもApp Storeから無料でダウンロードできます。個人的には、Gmailをメインで使っているなら「Gmailアプリ」、複数のメールアドレスをまとめて管理するなら「Spark Mail」がおすすめです。
ウェブメールの利用
余計なアプリをインストールしたくない場合は、ウェブメールを使うのがおすすめです。SafariでGmail、Yahoo!メール、iCloud.comなどにアクセスしてメールを確認すれば、緊急性の高いメールもすぐにやり取りできます。
プロバイダメールを使っている人も、ウェブメールを用意しているプロバイダは多いので、使えるかどうかを確認してみるのがおすすめです。
アプリやウェブメールを使ってメールを処理する
別のメールアプリやウェブメールを利用している間に、次の整理も併せて行うと、純正メールアプリが利用できるようになる可能性があります。
- 未読メールの処理
報告によると、未読メールが多いと不具合が発生するという報告が僅かながらあります。そのため、できる限り未読メールを「開封済み」にしてみてください。メールアプリが復旧した際の再発防止にも役立ちます。 - 迷惑メールフォルダの確認
迷惑メールフォルダに大量のスパムが蓄積されると動作が不安定になる場合があるため、不要なメールは削除しておきましょう。
現在の状況とAppleの対応
2025年6月中旬現在、Appleから公式な修正パッチやアナウンスは出ていません。上記の対処法はあくまで「一時的な回避策」であり、根本的な解決には今後のiOSアップデートを待つ必要があります。
過去の例を見ると、このような広範囲な不具合についてはAppleが比較的早期にアップデートで修正する傾向があります。設定で自動アップデートを有効にしておくか、定期的に「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を確認するのがおすすめです。
まとめ:再起動などで直らないなら一時的な回避策で凌ぐのが無難
iOS18.5のメールアプリ不具合は現在進行形の問題ですが、適切な対処法で一時的でも改善できるケースがほとんどです。ただし、手間のかかる対処法をするぐらいなら、一時的な回避策でアップデートが配布されるのを待つのが無難です。