Android タブレットをしばらく所有していなかったので、そろそろ新しいものを 1 台購入を考えていたところ、目に留まったのが Headwolf FPad 6 です。2万円程度の非常に安価な Android 14 搭載タブレットですが、実際に使ってみると「これは結構いいかも」という仕上がり。実際に使ってみた感じを完全自腹レビューしていきたいと思います。
Headwolf FPad 6 の概要
Headwolf FPad 6は、2024 年 11 月発売の 8.4 インチ Android タブレットです。Helio G99 搭載で高精細 2.5K ディスプレイや大容量バッテリー、Widevine L1 対応など、コストパフォーマンスに優れた小型モデルとして注目されています。SIM フリーで 4G LTE 通信や GPS にも対応し、電子書籍や動画視聴、日常的なアプリ利用に最適な仕様です。

主なスペックは次の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
OS | Android 14 |
SoC | MediaTek Helio G99(オクタコア:Cortex-A76@2.2GHz×2 + A55@2GHz×6) |
GPU | Mali-G57 MC2 |
RAM | 8GB LPDDR4X(+仮想RAM 8GBで最大16GB) |
ストレージ | 128GB UFS 2.1(microSDXC最大2TB対応) |
ディスプレイ | 8.4インチ IPS 2.5K(2560×1600) 500nit 高輝度 Widevine L1対応 |
バッテリー | 6,500mAh |
カメラ | リア:16MP、フロント:8MP |
サイズ | 約202×125×7.5mm、約320グラム |
SIM | nanoSIM×2(デュアルSIM、2ndスロットはmicroSDと排他) |
通信 | 4G LTE(B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28AB/38/39/40/41/66) |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(IEEE802.11ac) |
その他機能 | 6軸ジャイロ、地磁気センサー、重力感知、GPS、Bluetooth 5.2、顔認証 |
スピーカー | デュアルスピーカー(縦持ち下部に配置) |
Headwolf FPad 6 の外観
ディスプレイは 8.4 インチで、解像度は 2560×1600 ピクセル。アスペクト比は「16:10」で、一般的なタブレットの中でもやや縦長(横長のワイド画面)の仕様です。

背面は非常にシンプルで、カメラと Headwolf の刻印があります。

カメラは一眼(シングル)で、やや出っ張りがある感じ。平らなところに置くと、ちょっとガタガタしますね。

右側面には、電源ボタンと音量ボタン。縦持ちにした場合、音量ボタンが上になるのが個人的にはちょっと馴染めませんでした。

左側面には、SIM と microSD カードがあります。モバイル通信は 4G LTE をサポート、microSD は最大 2TB をサポートしています。嬉しいのはイヤホンジャックがあること。有線のヘッドホンも利用可能です。

下側面は、USB ポートとスピーカー。スピーカーは 2 基搭載のステレオですが、横持ちにした場合は、片方からしかならないので、実質モノラルです。

厚さは 8.5mm でやや厚めの印象。重量は約 320 グラムで、それほど重たいわけではありませんが、ずっしりとした感じです。ただ、厚さは厚すぎるということもなく、しっかり握れるので使い勝手は良い感じですね。
色々な意味で「ちょうどいい」タブレット
購入したのは 3月末なので、大体 2 週間程度使っています。そこで抱いた感想は、本当にバランスが良いタブレットということ。特にいいなと思った点を紹介していきます。
2.5K高解像度IPSディスプレイ:屋外でも鮮明な視認性
Headwolf FPad 6 の最大の特徴の一つが、2.5K 解像度(2560×1600ピクセル)の IPS ディスプレイ。このディスプレイは非常に鮮やかで色彩の再現性が高く、視野角も広いため、どの角度から見ても鮮明な映像を楽しめますね。また、500nit と非常に明るいので、屋外でも画面が非常に見やすいのもポイント。
8インチタブレットなので、主な用途は動画の視聴や読書になりますが、細部まで美しく表示されるので、非常に快適ですね。

Widevine L1対応:高画質で動画を楽しめる
動画視聴を楽しむ人にとって気になるのが「Widevine」ですね。これは、Google が開発したデジタル著作権管理(DRM: Digital Rights Management)技術のことで、主に Netflix、Amazon プライムビデオ、Disney+ などの動画ストリーミングサービスで利用されているもの。Widevine のセキュリティレベルが低いと、画質が落ちてしまうのです。
Headwolf FPad 6 の場合、最高レベルの L1 に対応。これにより、デバイスのハードウェア内の信頼された環境(TEE)で復号・再生処理が行われるため、HDR など高画質コンテンツを再生できます。

Helio G99搭載:日常用途に十分な性能
搭載されているチップセット(SoC)は、Helio G99プロセッサ。8コア設計でミドルレンジの性能を持つものです。AnTuTu ベンチマークでは約 40 万点を記録しており、日常用途や動画視聴、電子書籍の閲覧などに十分な性能を発揮します。
ちなみに、AnTuTu のスコアですが、大体次のスコアが目安です。
- 50万以上:インターネットや動画視聴などの普段使いには問題なく、重いゲームも遊べるレベル
- 30万~50万:インターネットや動画視聴などの普段使いには問題なく、軽いゲームも遊べるレベル
- 20万〜30万:インターネットや動画視聴などの普段使いでたまに引っかかるレベル
- 20万以下:インターネットや動画視聴などの普段使いでもストレスを感じ始める
FPad 6 は 40万点台ですので、普段使いにはほぼ問題なし。実際に操作しているときに引っ掛かりを感じたことはほとんどありません。
さらに、Mali-G57 GPUとの組み合わせにより、軽めのゲームも快適にプレイ可能です。
8GB RAM+8GB 仮想RAM:快適なマルチタスク
Headwolf FPad 6 が搭載する物理メモリは 8GB。製品の説明画像には「16GB」とあるので「嘘じゃないか!」と思う方もいるかもしれません。
実は、FPad 6 は仮想メモリを追加することが可能で、これにより最大「16GB」を利用できるようになります。普段は 8GB でもそれほど問題ないですが、複数のアプリを同時に使用する場合は設定しておくと、よりスムーズに使えます。
ちなみに、仮想メモリを追加するには、設定アプリで「メモリ拡張」を開き、「メモリ拡張サイズ」をオンにしてサイズを指定すれば OK です。

6,500mAh の大容量バッテリー:長時間利用可能
バッテリー容量は 6,500mAh となかなかの大容量。動画視聴や電子書籍の閲覧、ウェブ閲覧などの使い方であれば、1日使っても充電の心配が少ない感じですね。旅行や出張時にも安心して持ち運べます。
ただし、ディスプレイが高解像度のため、他のタブレットと比較するとバッテリーの減りが速い印象を受けるかもしれません。
GPS や 6 軸ジャイロを搭載:カーナビとしても使いやすい
FPad 6 は、4G LTE に対応し、GPS や 6 軸ジャイロ、重力センサー、地磁気センサー(コンパス)を搭載。カーナビ用途でも使えます。GPS 精度は「1 m以内」とされており、位置情報の捕捉も非常に速く、4合1 GPSなので、都市部や山間部でも正確な位置情報を取得可能です。
ディスプレイも高解像度で明るいので、直射日光下でも視認性が高く、地図表示も鮮明。このように、FPad 6 は安価なタブレットですが、カーナビとしても十分に実用的なレベルで使えます。
気になるのは、一部のレビューで「地磁気センサーの精度が悪く、90° ほどズレる」というものがあった点。個体差があるのかもしれませんが、方位を重視するナビアプリでは注意が必要かもしれません。
余計なアプリが入っていない
個人的にかなり嬉しかった点が「余計なアプリが入っていない」という点。Android 端末は、各メーカーでカスタマイズして色々とアプリや付加機能があるものですが、FPad 6 はプリインストールアプリは非常に少なく、ほぼGoogle 純正アプリのみで構成されています。
独自アプリとして「Headwolf」というメーカーの案内やサポート情報、プロモーション用のアプリが 1 つ入っていますが、これは削除や無効化も可能なので、普段使いで邪魔になるものではありません。

気になった点
ここまで紹介してきたように、かなり2万円そこそこで買えるタブレットとしては、かなり性能も良く、コスパが高いモデルだと言えます。しかし、いくつか気になる点もあったので、そちらを紹介していきます。
明るさの自動調整に非対応
まず、普段使いでちょっと不便に感じたのは明るさの自動調整に非対応である点です。周囲の明るさに応じてディスプレイの明るさを調整する機能はスマホでは当たり前ですが、FPad 6 はどこにいても同じ明るさなので、自分で調整しなければなりません。
普段から自分で調整している人なら特に問題にならないと思いますが、明るさの自動調整を使っている人は、自分で調整するのが面倒に感じると思います。
顔認証がイマイチ
FPad 6 は顔認証に対応しており、ロック解除のたびにパスコードを入力する必要はありません。生体認証は、格安タブレットだと対応してないものが多いので、これは良い点です。しかし、顔認証が行われるタイミングがわかりづらいんですよね。
iPad の場合、生体認証時は画面に何かしらメッセージが表示されますが、FPad 6 は何も表示されないので、今認証されているのかどうかがわからないのです。また、顔認証自体も、タブレットから少し話さないと認証されないので、使い勝手もイマイチ。結局ロック番号を入力して解除するということになります。
Android 15にアップデートできない?
搭載されているのは、一つ前の Android 14 です。Android 15 へのアップデートについて、公式なアナウンスや提供予定の情報はありません。
一般的に、ミッドレンジ以下の中華タブレットは OS メジャーアップデートが 1 回のみ、もしくはアップデート自体が限定的な場合が多いです。したがって、FPad6 が今後 Android 15 へアップデートできる可能性は低く、現状ではAndroid 14 が最終バージョンとなる可能性が高いです。
もちろん、もしかしたら Android 15 へのアップデートが提供されるかもしれませんが、あまり期待しない方が良さそうです。
カメラが出っ張っている
カメラの出っ張りも気になるところ。実際に使ってみると、写真で見るよりも出っ張っていると感じると思います。雑に扱うと他のものを傷つけてしまいそうなので、不安な人はカバーとかを装着した方がよさそうです。
横持ちのときはモノラル
スピーカーは、縦持ちで下部に2つ配置されているため、横持ち時は事実上モノラルとなってしまいます。動画を楽しむときは横持ちにすることが多いので、これはかなり残念なポイントです。また、カーナビとして使うときもモノラルになってしまいますね。
まとめ:コスパ良好でおすすめできる 8 インチタブレット
Headwolf FPad 6 は、コンパクトながらも高性能なタブレットとして使える一台です。良い点をまとめると次のような感じです。
- 2.5K高解像度IPSディスプレイは500nitの高輝度で、屋外でも見やすい。
- Widevine L1 対応で、Netflix や Amazon プライムビデオを高画質で視聴可能。
- Helio G99 搭載で、日常用途や動画視聴、電子書籍に十分な性能。
- 8GB RAM+8GB 仮想 RAM でマルチタスクも快適。
- 6,500mAh の大容量バッテリーで長時間利用可能。
- 4G LTE をサポートし、GPS などを搭載しているので、カーナビ用途でも OK。
- 余計なアプリが入っていないので、ピュア Android として使える。
このようにかなりいい感じの性能を持ちつつ、2万円程度と非常にコストパフォーマンスに優れています。現在開催中の Amazon のセール対象にもなっているので、高コスパな 8 インチタブレットを探している方はぜひチェックしてみてください。