iPhone を使っているうちに、ストレージの空き容量が不足していくことがあります。容量不足はさまざまな原因で起きますが、案外見落としがちなのがアプリのキャッシュが肥大化して容量を食っているパターンです。特にYouTubeなどのアプリは要注意。もし、容量が足りないと感じた場合は、アプリごとの使用サイズを確認し、必要に応じてキャッシュクリアするのがおすすめです。
キャッシュとは?
キャッシュとは、アプリが使用するデータや、閲覧したウェブサイトのデータを一時的に保存しておく機能のことです。キャッシュを使うことにより、アプリやブラウザが高速に動作・表示できるというメリットがあります。要はデータを新規に取得するのではなく、再利用するので速くなる仕組みですね。
ですが、このキャッシュが溜まってくると、アプリのサイズがどんどん大きくなり、ストレージを逼迫する要因になります。例えば、下の画像は YouTube アプリのサイズを確認したものですが、アプリ自体は 275MB 程度ですが、キャッシュなどのデータが 3.46GB も溜まっている状態です(ちなみにサイズを確認するには、設定アプリで「一般」→「iPhone ストレージ」を開き、アプリ名をタップします)。

このように、キャッシュが溜まったアプリが増えると、iPhoneのストレージを圧迫する原因になります。これ以外にも、キャッシュが増えてくると、次のようなデメリットが出てきます。
- 動作が重くなる
キャッシュが溜まってくると、データの読み込み速度が遅くなり、全体的に動作が重くなります。 - アプリが正常に動作しない
キャッシュは壊れることがあります。もし壊れた場合、アプリが正常に動作しないことがあります。
キャッシュなどを削除するにあたって注意したいこと
キャッシュをクリアするとストレージの空き容量が増え、動作が軽快になる可能性がありますが、注意点もあります。主に次の点は要注意です。
- ログイン情報が消える可能性
キャッシュを削除すると、保存されていたログイン情報や設定がリセットされる場合があります。そのため、再度ログインが必要になることがあるため、ID やパスワードを事前に確認しておきましょう。 - ブラウザの履歴も消える
ブラウザのキャッシュをクリアした場合、これまでの閲覧履歴も消えます。そのため、再度訪問したいサイトについては、ブックマークに登録しておいた方がいいでしょう。 - データ通信量の増加
キャッシュを削除すると、次回アプリやウェブページを使用する際にデータを再ダウンロードする必要があるため、一時的にデータ通信量が増えることがあります。そのため、キャッシュクリア後にアプリを使う際は、Wi-Fi 環境で行うのがおすすめです。 - ページ表示速度の低下
キャッシュ削除後は、ウェブページやアプリの初回読み込みが遅くなる場合があります。これは、キャッシュが再生成されるまでの一時的な現象です。 - 必要なデータが消えるリスク
一部のアプリでは、キャッシュ削除によって保存されていたデータ(例: 未保存の画像や一時ファイル)が失われる可能性があります。削除する前に必要なデータは保存しておくようにしてください。
キャッシュをクリアする方法
ここからはキャッシュが溜まりやすいアプリのキャッシュ削除方法を紹介していきます。アプリにキャッシュを削除する機能があるかどうかで手順が異なります。
前述の通り、キャッシュのクリアは上記のように必要なデータが削除されるリスクがあるので、削除する前にデータを必ず保存してください。その上で、作業は自己責任で行なってください。
キャッシュを削除する機能があるアプリでのクリア方法
アプリにキャッシュを削除する機能がある場合は、アプリから削除を行います。
Safari
Safari のキャッシュをクリアするには、設定アプリを開き、一番下にある「アプリ」をタップします。アプリ一覧が表示されるので「Safari」をタップします。

Safari の設定画面が表示されるので、「履歴とWebサイトデータを消去」をタップします。

履歴の消去が表示されるので、「すべての履歴」を選択し、「履歴を消去」をタップします。

Chrome
Chrome のキャッシュをクリアするには、画面右下にある「…」をタップします。

メニューが表示されるので、「閲覧履歴データの削除」をタップします。

削除画面が表示されるので、「データを削除」をタップします。

X
X のキャッシュをクリアするには、画面左上のアカウントアイコンをタップします。メニューが表示されるので、「設定とプライバシー」をタップします。

メニューが表示されるので、「アクセシビリティ、表示、言語」をタップします。

次の画面で「データ利用の設定」をタップします。

次の画面の下部にある「メディアストレージ」と「ウェブサイトストレージ」をそれぞれタップします。

メディアストレージでは、X アプリで表示した画像や GIF ファイルのキャッシュが保存されています。「メディアストレージを削除」をタップして削除します。

ウェブサイトストレージでは、X アプリで表示したウェブサイトのキャッシュが保存されています。サイトのキャッシュだけを削除する場合は「ウェブストレージを削除」をタップします。Cookie やログイン情報を含めたすべてのデータを削除する場合は「すべてのウェブサイトストレージを削除」をタップします。

LINE
LINE のキャッシュをクリアするには、「ホーム」タブを開き、画面右上の歯車アイコンをタップします。

設定画面が表示されるので、「トーク」をタップします。

トークの設定画面が表示されるので、「データの削除」をタップします。

「キャッシュ」にある「削除」をタップします。

キャッシュを削除する機能がないアプリでのクリア方法
アプリにキャッシュを削除する機能がない場合は、アプリを一旦削除し、再インストールします。キャッシュをクリアする機能がない代表的なアプリは次のとおりです。
アプリ名 | 消えるデータや設定 | 注意点 |
---|---|---|
アプリ内データ、キャッシュ | アカウントや投稿データは削除されない。 再インストール後、同じアカウントでログインすれば元の状態に戻る。 | |
キャッシュ、検索履歴 | 再インストール後はログインが必アカウントや投稿データは削除されない。 再インストール後、ログインすれば元の状態に戻る。 | |
YouTube | キャッシュ、ダウンロードした動画、一部設定 | アカウントや再生履歴、検索履歴はGoogleアカウントに保存されているため消えない。再インストール後、ログインすれば元の状態に戻る。 |
Kindle | アプリ内のキャッシュデータ、ダウンロード済みの電子書籍 | 購入済みの電子書籍はAmazonアカウントに紐づいているため、再インストール後に再ダウンロード可能。 |
これ以外では、多くのゲームアプリもキャッシュクリア機能がないため、再インストールの必要があります。アプリによってセーブデータの扱いが異なるため、すぐに削除はせず、確実にセーブデータを保存してから削除して方がいいでしょう。
なお、アプリを削除するには、該当のアプリアイコンを長押しし、「アプリを削除」をタップします。

確認のダイアログが表示されるので、「アプリを削除」をタップします。

再度確認のダイアログが表示されるので「削除」をタップします。これでアプリが削除されました。

AppStore を開き、アプリを再インストールします。再インストール後は、アプリの指示に従ってログインや設定をしてください。

まとめ:容量不足に感じたらアプリのサイズをチェック
最近のアプリは元々サイズが大きいことが多い(特にゲーム)ので、入れすぎるとすぐに容量がいっぱいになってしまいます。もし、容量不足だと感じた場合は、まずはアプリの使用容量を確認してみるのがおすすめです。
ただし、iOS はストレージ管理が比較的自動化されており、長期間使用していないキャッシュは自動削除されることもあります。ですので、容量に多少の余裕があるなら無理して削除しなくても大丈夫です。あくまで、「カツカツでまずい!」というときに行うといいでしょう。
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