Amazon が提供する 8 インチの Fire タブレット(Fire HD 8)は、手頃な価格と使いやすさで人気のあるデバイスです。しかし、あまりいい評判を聞かないこともあるので、「これは本当に買いなのか?」と悩んでしまう人もいることでしょう。そこで、8インチ Fire タブレットの良い点と悪い点を詳しく解説していきたいと思います。
コスパ最強の 8 インチタブレット「Fire HD 8」
Fire タブレットは、Amazon が提供しているエントリーモデルのタブレット。セールの定番で、非常に安価に購入できるのが特徴です。現在は 8〜11 インチモデル、キッズタイプという子供向けのモデルが用意されています。

ここの記事では 8 インチモデルを中心にしていきます。まずは、8 インチモデルの基本スペックを確認しておきましょう。
- ディスプレイ:8インチ HD(1280×800、189ppi、IPSパネル)
- プロセッサ:2.0GHz 6コアプロセッサ(MediaTek MT8169A)
- メモリ(RAM):
- 32GBモデル:3GB
- 64GBモデル:4GB
- ストレージ:
- 内部ストレージ:32GBまたは64GB
- microSDカードで最大1TBまで拡張可能
- バッテリー:最大13時間の駆動時間
- カメラ:
- フロント:2MP(720pビデオ録画対応)
- リア:5MP(1080pビデオ録画対応)
- 重量:337g
- OS:Fire OS(Androidベース)
- 接続性:デュアルバンドWi-Fi、Bluetooth 5.2対応
スペックだけ見てもよくわからないと思いますので、実際に使っていて思うところについて書いていきます。
実際の動作感はどんな感じか
実際に使ってみての動作感ですが、正直にいうと「そこそこ」というレベルです。iPad と比較するのはあまり適切ではないと思いますが、やはり動作がもたつく場面があるのは気になります。ただし、常にそういう状態ではなく、一部のアプリで引っかかるような感じがあるというレベルですね。
Amazon 系のサービスを使う分には、大きな不満は感じません。サードパーティ製のアプリでちょっと重たいものが多いという印象でしょうか。
ただし、経年によってモッサリ感が出てくる可能性は考慮しておいた方がいいかもしれません。以前はこれより弱いスペックの 7インチ Fire タブレットを使っていましたが、年を追うごとにかなりモッサリしてきました。ですので、OS がアップデートしていくうちに徐々にモッサリ感は出てくると思います。
ちなみに、上の動画で使っている端末は、Fire HD 8 Plus(2022年モデル)です。こちらは、Fire HD 8 (2024年)の 3GB モデルとほぼ同じスペックです。
使ってみて感じた良いところ
一番気になる挙動を見ていただいたので、それを踏まえて、まずはポジティブに感じるところについてまとめていきましょう。
とにかくコスパが良い
いきなり金の部分か。と思われるかもしれませんが、やはりコスパという点は外せません。なんといっても 8インチタブレットが 1 万円台後半で購入できます。さらにセール時なら 1 万円台前半まで値引きされます。
あまり聞いたことのない中華タブレットなら似たような価格帯の製品がありますが、やはり無名メーカーは正直心配なところ。しかし、Amazon が提供するタブレットですから、品質も一定以上はクリアしていますし、サポートなどの点でも安心感は違います。
そう考えると、お買い得感は非常に強いモデルです。
ちょうど良いサイズ感
8 インチというサイズは、電子書籍や動画視聴に最適。片手で持てる軽さ(337g)もあり、長時間の使用でも疲れにくいです。
この話は別に Fire タブレットに限ったことではありませんが、10 インチだとやはりちょっと大きいんですよね。、本や動画を楽しむなら、ちょうどいいサイズ感なのが 8 インチです。

Amazon のサービスが使いやすい
Amazon のタブレットですから、Amazon のサービスとの親和性が高いのもいいところですね。初期設定時に Amazon アカウントでログインしますが、それを済ませてしまえば Amazon のサービスがすぐに利用できます。
具体的には、Prime Video、Kindle、Audible、Amazon Music などでしょうか。これらのサービスを活用している人には非常に便利に使えるタブレットです。特にプライム会員であれば、追加費用なしで多くのコンテンツを楽しめるのもいいところですね。

ただ、Prime Video は 4 月から広告付きになるようなので、その点は気になるところです。
アレクサをすぐに呼び出せる
Amazon の音声アシスタント「アレクサ」をすぐに呼び出せるのもいいところ。他のタブレットの場合、アレクサアプリを開かないと基本的には呼び出せませんが、Fire タブレットの場合、「アレクサ」と呼び掛ければすぐに反応してくれます。
どういう人にメリットがあるかと言えば、やはりスマートホーム化している人でしょうか。照明やエアコンのオン・オフ、ドアチャイムへの対応など、アレクサに話しかければ大抵は対応できてしまうので、利便性が高いです。
さらに、アレクサは今後 AI 対応になる予定。今のアレクサは正直それほど賢くありませんが、AI 対応によってパーソナルアシスタントになりそう。今でも話しかけると、たまには面白いリアクションをしてくれますが、今後はもっと楽しく、細かいところまで手が届く存在になりそうです。
SDカードで容量を拡張できる
Fire タブレットは、MicroSD カードでストレージ容量を拡張できるのが大きなメリットですね。内蔵ストレージは 32GB または 64GB と非常に小さいですが、最大 1TB 拡張が可能です。
Prime Video など、動画をダウンロードしておくとオフラインでも再生できて便利なので、そのような使い方をする人には嬉しいポイントだと思います。
使ってみて気になるところ
次に、使ってみて気になる点についてまとめていきます。
ディスプレイの解像度がやや物足りない
解像度 1280×800(189ppi)は、動画視聴や電子書籍には問題ありませんが、他の高解像度タブレットと比べるとやや見劣りします。普段、iPad mini を併用しているからかもしれませんが、やはり iPad mini の画面と比較すると「粗いな」と感じます。
特に細かい文字や画像を表示する際には、その差は顕著ですね。下の画像は、Fire タブレットと iPad mini の Kindle アプリで同じ書籍を開いたときの違いです。かなり微妙ですが、やはり iPad mini の方が綺麗です。

使えるアプリが少ない
Fire タブレットは、「Fire OS」という Android をカスタマイズした OS を採用しています。しかし、Google Play ストアが利用できないため、利用できるアプリは Android タブレットと比較するとかなり少ないです。
実際にアプリストアを見ると、結構豊富そうに見えます。

ですが、よくチェックしてみると、あまり知らないアプリで埋め尽くされているんですよね。
特にメジャーなアプリの一部が提供されていないのは痛いところです。例えば LINE とかでしょうか。自分は使わないのであまりデメリットに感じませんが、タブレットでもやり取りに使っている人にとっては痛いと思います。
Fire タブレットで Google Play ストアを利用する裏ワザもありますが、OS のアップデートでいつ使えなくなるかわかりません。また、推奨されていない行為なので、Fire タブレットの動作に影響を与える可能性もあります。ですので、これについてはあまりお勧めしません。
YouTube はブラウザ経由で視聴する
上の続きですが、公式の YouTube アプリが提供されていないのは結構痛いポイントです。そのため、Fire タブレットで YouTube を楽しむには、基本的に内蔵アプリの Silk ブラウザで視聴します。Amazon のストア内には「YouTube〜」という名称の紛らわしいアプリもありますが、アプリ内課金が発生するものもあるので注意が必要です。

「面倒だからどうしてもブラウザは使いたくない」という方向けに、Amazon が「YouTube.com」というアプリを用意しています。このあぷりは、 内部ブラウザを利用して YouTube のモバイル版ウェブサイトを表示する仕組みで動いているので、事実上、ブラウザを使って視聴するのと同じ。結局、公式アプリの利便性は得られません。そこが残念なポイントですね。

観られないということではないので致命的な問題ではありませんが、残念なポイントの一つです。
スピーカーの音質はあまり良くない
内蔵スピーカーは底面に 2 つ搭載されており、Dolby Atmos 対応です。しかし、実際に音を聞いてみると、音質は非常に平均的。特に低音域は弱い印象です。やはり物足りなさは感じてしまいますね。いい音質で楽しむなら、外部スピーカーまたはイヤホンを使った方がいいです。ちなみに、Amazon 純正の Echo Buds はセールだと激安です。


ちなみに、イヤホンジャックは搭載されているので、有線のヘッドホンやイヤホンも利用可能です。
Fire タブレットはどういう人におすすめ?
ここまで、Fire タブレットのいい点や悪い点を書いてきました。では、実際にどのような人におすすめなのか?簡単にまとめていきます。
- コスパ重視の方
とにかく価格が手頃なので、基本的な機能を備えたタブレットを探している人にぴったりです。また、これからタブレットデビューする人にとってもエントリーモデルとしてちょうどいいですね。 - Amazonサービスを多用する方
Amazon のサービスと親和性が高いので、プライム会員の人にはおすすめです。また、Prime VideoやKindle、Audible、Amazon Music などを活用している人にもおすすめできます。 - 軽作業やエンタメ用途の方
軽い動作なら特に問題ないので、動画視聴、電子書籍、ウェブブラウジングなどを楽しみたい人には手軽な端末としてピッタリです。 - 子供用タブレットを探している方
あまり紹介しませんでしたが、Fire タブレットは耐久性が高いという特徴もあります。そのため、乱暴に扱いがちなお子様にも最適。また、キッズモデルも用意されているので、そちらを選んでもいいかもしれません。
逆にいうと、次のような方にはあまり向いていません。
- 高性能なゲームを楽しみたい人
3D ゲームなど、高性能なゲームは快適に動作しません。この手のゲームを遊ぶ人には向いていないですね。 - クリエイティブ系のアプリを使う人
クリエイティブ系のアプリも基本的に高いスペックを要求されるため、快適には動作しません。 - 仕事用途で使う人
正直、ビジネス系アプリも時折動作が引っかかるので、結構ストレスが溜まると思います。仕事の場合、集中力が大切ですが、動作の引っかかりはその集中力を途切れさせてしまいます。よって、あまりお勧めしません。
このように、Fire タブレットはスペックを要求するアプリを使うのには向いていません。ですので、エンタメ用途で割り切って使うのがベストな端末だと思います。
まとめ:サブ機として最適
Fire タブレットは、競合他社と比べて性能面では控えめながらも、以下の点で優れています。
- 圧倒的なコストパフォーマンス(特にAmazonサービス利用者向け)
- 軽量で持ち運びやすいデザイン
用途に応じて選ぶことが重要ですが、「手軽に使えるタブレットが欲しい」「Amazonのサービスをフル活用したい」という方には、Fire HD 8は非常に良い選択肢と言えるでしょう。
現在、自分は「Fire HD 8 Plus」という Fire HD 8 の 3GB モデルとほぼ同じスペックのものを使っています。主な用途は読書ですが、これに関してはストレスを感じたことはあまりありません。動画視聴も、見始めたら特に気になることはないですね。
先にも述べましたが、やはりエンタメ特化の端末として考えるのが一番いいと思います。ややネガティブな意見を書いていますが、この価格(特にセール時)で、一定のクオリティを持ったタブレットが買えるのは本当に凄いことだと思います。
自分の普段使いは iPad がメインですが、入浴中やちょっとした隙間時間の読書や動画鑑賞に Fire タブレットは活躍してくれています。ちなみに、Fire タブレットは防水じゃないので、お風呂で使う場合は、👇のようなアイテムが必須です。音楽聴きながら読書するので、外部スピーカーもあった方がいいですね。

というわけで、Fire タブレット(主に 8 インチ)について紹介してきました。セールの時は本当にお買い得ですので、気になっている方はぜひチェックしてみてください。

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