インターネットで情報を調べるとき、どのくらいの時間をかけていますか? 「ちょっと調べるだけ」のつもりが、あちこちのサイトを回っているとあっという間に時間が経過してしまいます。そんなリサーチ作業を劇的に効率化してくれるのが、Perplexity AIの新機能「Deep Research」です。 AIが数十回の検索を自動で行い、情報を分析してまとめてくれるので、これまで数時間かかっていた調査が、わずか数分で完了します。そこで、この「Deep Research」の特徴や使い方、競合との違いについてわかりやすく解説していきます。
Perplexity AIの「Deep Research」とは?
Perplexity AIの「Deep Research」とは、AIを活用して情報収集・分析を行い、ユーザーが求めるリサーチ結果を効率的に提供するツールのこと。 従来の手動検索では多くの時間がかかる複雑な調査を、AIが代わりに行うことで、短時間で包括的なレポートを生成します。
この機能の使い方は、今までの Perplexity とほぼ同じで、ユーザーが質問(プロンプト)するだけ。あとは、AI がインターネット上の情報を自動で収集・分析し、整理された回答を提示します。
例えば、
- 「2024年の生成AI市場のトレンドは?」
- 「コーヒーが健康に与える影響について詳しく知りたい」
といった質問を入力すると、AIが検索を繰り返し、複数の情報源をもとに整理された回答を提供してくれます。
Deep Research の動作と得られる結果は?
この説明だけ聞くと、「Google 検索の延長ではないの?」と思われてしまうかもしれません。しかしそれは違います。Deep Research は次のような動作で結果を導き出しています。
- ユーザーの質問を解析し、適切な検索クエリを自動生成する
- 何十回もの検索を AI が行い、関連情報を広範囲に収集する
- 取得した情報を分析し、信頼性や関連性を評価する
- 重要なデータを抽出し、整理されたレポートとして提示する
- 初回検索後、得られた情報を基に「次に何を検索すべきか」を推論し、追加検索を実施する
- 必要に応じて深掘りし、より詳細な情報を取得する
このように、結果を出すまでに複数回の精査を行なっているんですね。この動作によって、ユーザーは短時間で詳細な情報を手に入れられるのです。つまり、信頼性の高い情報源からの要約や、複数のデータを組み合わせた包括的なレポートが得られるため、調査の質が飛躍的に向上します。また、PDF や Markdown 形式での出力が可能なため、後から情報を整理しやすい点も魅力です。
Deep Research の動作の仕組みを知ると、まるで人間のリサーチアシスタントのように、段階的に情報を掘り下げていくことがわかるかと思います。
ChatGPT や Google Gemini の Deep Research との違い
この「Deep Research」という機能は、ChatGPT や Google Gemini といった競合サービスでも提供されており、基本的には同じように動作します。しかし、サービスによって異なる点があるのも事実。そこで、どのような違いがあるかまとめていきましょう。
リアルタイムのウェブ検索結果を統合できる
Perplexity の Deep Research 機能は、情報源の明示と検索プロセスの可視化されるので、ユーザーは明確に確認できるのがメリットです。具体的には次のような感じです。
- どのウェブサイトから情報が取得されているか
検索結果として使用された各ウェブサイトへの直接リンクが提供され、情報の出典を容易に確認できます。 - AIがどのような手順で情報を分析しているか
AIがどのような手順で情報を収集・分析しているかが逐次表示され、情報収集の過程が透明化されています。 - 各情報源の信頼性評価
使用された情報源の信頼性評価基準が明示され、得られた情報の信頼度を自分で判断できます。
つまり、得られた情報の信頼性を自分で判断できる点が特徴です。
無料で利用できる
ChatGPT や Google Gemini の場合、有料プランへの加入が必要なのがハードルの高いところです。具体的には、ChatGPT の場合は、「ChatGPT Pro」という月額 200 ドルのプランへの加入が必要です。Gemini の場合は、月額 2,900 円の「Gemini Advanced」に加入しなければなりません。
一方、Perplexity の場合、無料ユーザーの場合でも 1 日 5 回までなら利用可能。有料プラン(Perplexity Pro 月額 20ドル)のユーザーなら、1 日 500 回まで利用できます。
また、Perplexity はソフトバンクと業務提携しているので、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOのユーザーなら、1 年間は無料で Perplexity Pro を利用できるので、該当している人は思う存分使えます(2025年2月時点。キャンペーンのため、実際に使えるかは公式サイトをご確認ください)。
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基本的な使い方
Perplexity の Deep Research は、質問を入力し、「Deep Research」を選択して送信するだけで利用できます。
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すると、Perplexity AI が前述の動作で深掘りしていき、結果をまとめます。下の画像を見るとわかりますが、1 つの質問をし、その結果をまとめます。まとまった結果を元に次の質問を行なっています。このように深掘りをしていくので、より精度の高い結果が得られるというわけです。
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数分待つと、回答がまとめられて表示されます。回答の上部には参照した代表的なサイトへのリンクが表示されます。
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たまにいつまで待っても回答が出てこない場合があります。基本的には数分以内に回答が表示されるので、もし長く待っても表示されない場合は、質問をやり直してみてください。
「+〇〇のソース」をクリックすると、すべてのソースをまとめて表示できます。
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明らかに不要なソースが混じっていた場合、そのソースにチェックを付けて「ソースを削除」をクリックします。そのソースを除外して回答を再生成できます。
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文中のリンクは、その文節で参考にしたサイトへのリンクが表示されており、クリックすればそのサイトを参照できます。
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回答結果の下にある「エクスポート」をクリックすると、PDF や MarkDown 方式で回答を出力できます。
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Deep Research の活用例
Deep Research は、個人の情報収集からビジネスでの活用まで、さまざまな場面で役立ちます。たとえば、最新のトレンドを知りたいとき、商品を比較したいとき、競合の動向を分析したいときなど、手間をかけずに詳細な情報が得られます。だいたい次のような使い方が考えられるでしょうか。
個人利用
- 最新ニュースの深掘り
- 社会の動向や最新技術の発展について、正確で信頼性のある情報を取得できます。
- 例:「ChatGPTの最新アップデートの影響について調査してください。」
- 買い物のリサーチ
- 製品の仕様やレビューを比較し、自分に最適な選択ができます。
- 例:「2024年のコスパ最強スマートフォンを比較してください。」
ビジネス利用
- 市場調査や競合分析
- 競合企業の動向や市場のトレンドを把握し、戦略を立てる際に役立ちます。
- 例:「日本国内の電気自動車市場の最新トレンドと主要プレイヤーを分析してください。」
- トレンド分析や企画立案
- 新規プロジェクトやマーケティングキャンペーンの計画に活用できます。
- 例:「2024年のデジタルマーケティングにおける重要なトレンドを教えてください。」
注意点
このような感じでかなり便利な機能ですが、注意したいのは、リンク先の内容が間違っていたときです。Deep Research では、検索して拾った情報を元に解答をまとめるため、リンク先の内容が間違っていると誤った結果が出る可能性があります。
そのため、レポートの内容をうのみにせず、重要な情報は必ず複数の情報源と照らし合わせて確認することが大切です。もし誤ったソースがあった場合は、前述の方法でソースを削除してから回答を再生成したほうがいいでしょう、
まとめ:より詳しい回答を手軽に得られる
Perplexity AIの「Deep Research」を簡単にまとめると、次のようなツールだと言えます。
- 短時間で深いリサーチが可能
- 無料でも使えるので気軽に試せる
- 専門的な調査にも対応し、ビジネスにも活用できる
今までのように「情報収集に時間をかけたくない!」という方は、試してみる価値があるかと思います。現在はウェブ版だけで利用可能ですが、今後はモバイルアプリ版でも利用できるようになるそうです。気になった方は、一度ぜひお試しください。
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