最近はサイバー攻撃の話題が増えてきており、セキュリティやプライバシーについて不安を感じる人は多いのではないでしょうか。そのような方におすすめしたいのが「VPN」。通信のセキュリティを強化し、プライバシーをしっかり保護してくれるサービスです。
ただ、「VPN」という言葉を聞いて「なんだか難しそう」と思ってしまいませんか?
そこで、VPNの基本的な仕組み・メリット・デメリット・選び方のポイントなどをしっかりとまとめました。さらに、あまり慣れていない人でも簡単に使えるオススメの有料VPNサービスも詳しく解説していきます。
そもそもVPNって何?
VPN(Virtual Private Network)を一言で説明すると、インターネット上に仮想的な専用線を設ける技術のこと。しかし、これだけだとよくわからないかもしれません。まずは仕組みと使いたい場面について解説しましょう。
VPNの仕組み
VPNは次のような仕組みで動作します。
- データを暗号化して、外部から読み取れないようにする
- 暗号化したデータを、VPNサーバーとVPNクライアントの間の仮想トンネルの中を通して送受信する
- 受信したデータを復号化して、元のデータに戻す
このような仕組みで通信するので、インターネット上を流れるデータを盗み見られたり、改ざんされたりすることが防げるのです。
わかりやすく道路に例えてみましょう。
一般的な通信はみんなが使う公道を通ってインターネットへ接続します。一方、VPNは決められた人しか通れないトンネルを使ってインターネットへ接続します。つまり、トンネルで隠れた専用道路で通信をするので、一般的な通信よりも安全になるというわけですね。
VPNを使いたい場面
このようにVPNを使うと安全性がグンと向上します。よって、安全性が低い場面では可能な限りVPNを使いたいということになります。具体的には次のような場面です。
- フリーWi-Fiを利用するとき
- 海外へ渡航したとき
街中や駅、ホテルなどにあるフリーWi-Fiは、ギガを節約できるので非常に便利ですよね。しかし、セキュリティが非常に甘く、盗聴される危険性が少なくないのです。しかし、VPNを利用すれば通信が暗号化されるので、盗聴の危険性を低減できます。
海外のインターネット接続環境もあまり信頼性が高くありません。例えば、出張などで海外に出かけた場合、現地でネットにつなぐ場面が出てきます。その際は、業務で使うデータをやり取りするわけですから、安全性は非常に重要。だからこそVPNが必要になるというわけです。
VPNを利用する3つのメリット
VPNを利用するメリットはさまざまなものがありますが、ここでは主な3つのメリットを紹介しましょう。
安全な通信環境を簡単に作れる
VPNの最大のメリットは、「簡単に安全な通信環境を作れる」という点です。
先にも説明しましたが、VPNは通信を暗号化し、仮想専用線を設けて外部からの攻撃による盗聴や改ざんを防いでデータを保護します。また、VPN接続にはユーザー名とパスワードによる承認が必要なため、強固なセキュリティを実現できます。
多くのVPNサービスはノートパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも利用できます。ですので、どの端末でも安全に利用できるのがいいところですね。外出先で公共Wi-Fiを活用する機会が多いなら、VPNを使って万が一に備えるのが理想的です。
地域制限を回避できる
VPNを利用すると、特定の国でしか見られないコンテンツを見たり、サービスにアクセスできるようになります。
動画配信サービスや一部のウェブサイトは、海外からの視聴や利用を制限していることがあります。例えば、海外から利用できない日本のコンテンツには次のものがあります。
- AbemaTV
- Yahoo!ジャパン
- NHKオンデマンド
VPNはその国に設置されているVPNサーバーを経由して通信します。そのため、IPアドレスがその国のものとなってアクセスするため、地域制限されているコンテンツやサービスも利用できるようになります。
VPNによる地域制限回避は、「日本から海外」「海外から日本」のどちらでも活用できますので、海外から上記のコンテンツにアクセスしても、問題なく利用できるのです。どこにいても日本と同じようにコンテンツが使えるのは便利ですよね。
ただし、VPNを用いた地域制限の回避は、規制の厳しい国では法律に抵触する可能性があるため注意が必要です。利用する前にその国の法律を確認し、抵触する可能性がないかを確認してください。
プライバシーを保護できる
VPNを使うと、プライバシーの保護が強力になるのもメリットです。
VPNを利用すると、インターネットへ接続する際に、まずVPNサーバーを経由して通信するようになります。これにより、アクセス先のウェブサイトには、自分の本来のIPアドレスではなく、VPNサーバーのIPアドレスが表示されます。つまり、アクセス先にはあなたの居場所が直接わからなくなり、プライバシーを保護できるというメリットがあります。
また、VPNを使うと、インターネットサービスプロバイダー(ISP)や広告を出す会社があなたのオンライン活動を追跡するのが難しくなります。多くの有料VPNサービスは「ノーログポリシー」を採用しており、通信記録を保存しないため、外部からの情報開示請求にも対応しにくくなります。ただし、VPNの信頼性はサービスによって異なるので、慎重に選ぶことが大切です。
VPNを利用する2つのデメリット
いいところだらけに見えるVPNですが、次のようなデメリットも存在します。
通信速度の低下
VPNを利用するときの最大のデメリットは、通信速度の低下でしょう。
VPNではデータが暗号化するため、その過程での処理が増えるため速度が低下します。また、VPNサーバーにアクセスが集中した場合も通信速度が下がる可能性があります。
ただし、通信速度が速い有料VPNサービスなら大きな低下は発生しない可能性が高いです。動画やオンラインゲームなどのコンテンツを利用するなら、通信速度はできるだけ妥協せずにVPNサービスを選んだほうがいいでしょう。
利用料金が必要
VPNサービスは多くの企業が提供していますが、有料のサービスが少なくありません。有料の場合、月額で数百円~2,000円ほどの料金が発生します。
それであれば無料のサービスを選択したくなりますよね。しかし、無料のVPNサービスは、セキュリティや機能が不十分である場合が多く、信頼性が低いのでおすすめできません。
なお、有料VPNサービスを長期契約をすれば、大きな割引を受けられることが多くあります。加えて、返金保証制度を採用している有料VPNサービスなら、使い勝手を確かめてから契約を結べます。そのため、VPNを使うなら有料でしっかりとしたサービスを提供するところを選ぶようにしたいですね。
VPNを選ぶ際のポイント
それでは、安心できるVPNサービスを選ぶにはどうしたらいいでしょうか?
「ここだけは押さえておきたい」というポイントを紹介していきましょう。
通信速度が速い
まず1つ目が通信速度です。
通信の速いサービスなら、快適に動画やオンラインゲームを楽しめます。通信速度が速いVPNサービスを選ぶ際に重要となるのは、
- サーバー数が多い
- 口コミ・評判で評価が高い
の2点です。これらを重点的に確認して、良さそうなものを選ぶと失敗が少ないです。これらの口コミや評判を確認する場合、X(旧Twitter)や口コミサイトで検索するのがおすすめです。
サーバー数・設置国数が多い
次に、サーバー数や設置国数が多いかどうかをチェックします。
サーバー数・設置国数が多いVPNサービスは、規模が大きくユーザーに人気のある信頼性が高いVPNサービスだと判断できます。
もちろん、実際の快適さも変わってきます。サーバー数が多い場合、混雑時にも安定した通信が期待できますし、設置国数が多いと地域制限を回避できる可能性が高くなるのも大きなメリットです。
具体的に目安となる規模ですが、サーバー数は1,000台以上、設置国数は30か国以上を目安にして選ぶと外れは少ないでしょう。
ノーログポリシーを掲げている
次に「ノーログポリシー」です。
ノーログポリシーとは、ユーザーの接続履歴・IPアドレス・通信内容などの個人情報を記録しない方針のこと。VPNサービスの多く(特に無料のサービス)はこれらの情報を記録しています。一方、ノーログポリシーを採用しているVPNサービスは、ユーザーのプライバシー保護の観点からこれらの情報を保存しません。
そのため、VPNサーバーがサイバー攻撃を受けても、個人情報の漏えいはあり得ません。つまり、より匿名性や安全性が高いとサービスと言えるのです。
注意したいのが、ノーログポリシーを掲げているけど、実践されていないVPNサービスが存在することです。そのため、ノーログポリシーが実際に実施されているかどうかを検証し、その結果を掲示しているVPNサービスがおすすめです。
VPN以外の機能が優れている
VPN以外のサービスが充実しているかどうかも重要なポイントです。
広告ブロッカー、マルウェア保護、キルスイッチなどがあるVPNサービスを選ぶと、より安全にネットを使えます。特にチェックしておきたいのは次のような機能です。
機能名 | 概要 |
脅威対策・マルウェア保護 | インターネットを閲覧時にマルウェア・トラッカー・広告をブロック |
ダークウェブモニター | ユーザーの情報がダークウェブに漏えいした場合に通知 |
メッシュネットワーク | 自分が保有するほかのデバイスに直接接続し、ファイル共有などができる |
キルスイッチ | VPN接続が切れた場合、自動的にインターネットアクセスをブロック |
自動接続 | 安全でないネットワークにアクセスするとき、自動的にVPN接続する |
固定IPアドレス | 個人用に固定IPアドレスを提供 |
リンクチェッカー | URLをスキャンしてマルウェアやフィッシングの脅威を確認。例えばNordVPNの場合、次のようなリンクチェッカーを提供している https://nordvpn.com/ja/link-checker/ |
VPN以外にどのような機能があるかは、そのサービスの公式サイトで確認しておきましょう。
料金が安い
やはり、料金は重要です。機能が充実していて、できるだけリーズナブルなコスパのよいサービスを選びたいですね。
ここまで説明してきた機能面(信頼性・通信速度・サーバー数)を総合的に検討しつつ、月額料金の安いところを選ぶのがおすすめです。さらにお得にしたい場合、長期契約も検討するといいでしょう。
多くの有料VPNサービスは、1年~2年の長期契約によって月額料金が大幅に抑えることができます。ただし、長期契約の場合は最初に一括払いする必要があるので注意が必要です。例えば、月額600円で1年プランを選択した場合、契約時に7,200円を支払う必要があります。
VPN初心者には日本語対応のNordVPNがおすすめ
さて、ここまでVPNの選び方について紹介してきましたが、ここでおすすめのVPNを紹介します。
それが「NordVPN」です。
NordVPNは、公式サイトやアプリが日本語に対応しているため、初心者でも簡単に導入できるのが大きな魅力。また、NordVPNは世界111か国に6,400台以上のサーバーを展開しており、通信速度が速いのが特徴です。
さらに、ノーログポリシーを採用しており、第三者機関からも検証されているため安心ですし、メッシュネットワーク・キルスイッチ・マルウェア保護など、数多くの便利な機能を利用できます。
これらに加え、30日間の返金保証制度があるのも魅力です。実際にVPNを利用してから契約を継続するかどうかを検討できるので、申し込みの敷居が低くなっていますね。
NordVPNの料金や機能の詳細は次の通りです。
料金(税込み) | 2年プラン:580円/月 1年プラン:800円/月 1か月プラン:2,110円/月 |
サーバー数/国数 | 6,441台/111か国 |
ノーログポリシー | ◯ |
通信速度 | ◯ |
同時接続台数 | 10台 |
カスタマーサポート | 365日24時間対応公式サイト・アプリが日本語対応メール・ライブチャット |
公式サイト | https://nordvpn.com/ja/ |
このように、NordVPNは機能が非常に充実しており、契約プランによっては料金をかなり抑えて利用できます。セキュアな通信環境で安全・快適にインターネットを楽しむにはおすすめのVPNと言えるでしょう。
ネットを安全に使うならVPNを不可欠!
サイバー攻撃など、インターネットの世界は徐々に安全ではなくなってきています。しかし、今の世の中、インターネットは不可欠ですよね。それであれば、できるだけ安全に使えるようにしておきたいものです。
今回紹介したVPNは、インターネットをできる限り安全に利用できるサービス。特にフリーWi-Fiを使うことが多い人や、海外への渡航が多い人は不可欠なサービスと言えるでしょう。
しかし、VPNサービスは多くの企業が提供しており悩んでしまうかもしれません。そのため、VPNを選ぶときは、料金・通信速度・サーバー数・ノーログポリシーなどを考慮するのが重要です。今回の記事でしっかり説明してきましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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