生成AIサービスは数多くありますが、割と古参になってきたのがマイクロソフトの「Copilot」です。当初は無料でGPT-4が使えたりして、かなり使えた印象でした。しかし、先日のアップデートで恐ろしいほど劣化してしまいました。それについての考察です。
最新のアップデートでビックリするぐらいに劣化したCopilot
まず、以前のCopilotは次のような感じでした。Windows版の画面です。
画面の右側に固定で、いわゆる一般的な生成AIサービスのように質問ができるタイプ。ユニークだったのは、会話のスタイルを選択できて、回答の品質を指定できた点でした。AIモデルはGPT-4/GPT-4 Turboで、頭はいいほう。そして、無料プランでも空いている時間ならわりとサクサク使えていたんですね。
しかし、先日マイクロソフトはアップデートを行い、下のような感じに変わってしまいました。
全然違いますよね!
かなりポップな感じになったのですが、色々と機能が削ぎ落とされてしまっています。それに使うことのなさそうな質問が大きなアイコンで並んでいて、正直邪魔です。
ユーザーインターフェースが変わるだけならまだいいんですが、中身もビックリするぐらいに変わってしまいました。残念ながら悪い方向に…。
劣化した背景
まず、劣化具合を見てください。下の画像は、Copilotの料金プランについて質問してみたものです。
ちょっとあんまりですよね。とてもAIとは思えないような回答です。
これが「たまたま」だったらいいのですが、ほとんどこのレベルの回答しか返ってきません。
なぜこんなことになってしまったのか?
これは、マイクロソフトがこのアップデートでCopilotを刷新し、新しいインターフェースは「温かみがあり、魅力的」に設計され、没入感のあるチャット体験を提供しようとしたことが原因のようです。
恐らく、他の生成AIと差別化し、もっとユーザーフレンドリーなキャラクターを目指したのかもしれません。確かにChatGPTのお喋りモードとかはキャラが結構立っていますので、没個性なAIでは目立ちませんものね。
しかし、残念ながら、このアップデートにより多くの機能が失われることになってしまいました。
機能的な面に絞ってですが、主な劣化点は次の通り。
- ソースのハイパーリンクが表示されなくなった
- 言語切り替え機能が使えなくなった
- 会話のスタイルが選択できなくなった
- 音声テキスト変換機能が動作しない
- 回答の質が全体的に低下
正直、「温かみがあり、魅力的」を目指して、なぜここまで劣化するのかは謎ですが、とにかく大幅に劣化してしまったのです。
元に戻す手段は今のところない
それで最悪なのは、以前のバージョンに戻す手段が用意されていないことです。
新しいバージョンは順次展開されているため、タイミングによっては以前のユーザーインターフェースで見えている人がいるかもしれません。しかし、アップデートがされると新しいユーザーインターフェースに変わり、回答のレベルが大幅に劣化します。
現時点でこの話についてマイクロソフト側からは説明がありません。そのため、元に戻す手段が用意されるのか、以前のようにインターフェースが戻されるのか、逆に別のベクトルで進化するのかは不明です。
唯一の朗報は、マイクロソフトがユーザーからのフィードバックを受けて改善を検討中であるという噂があることぐらいでしょうか。
とにかく生成AIとしては回答があまりに簡素すぎて、とても今まで通りに使えるレベルにはありません。そのため、Copilotが元に戻るまでは、無料で使える別の生成AIサービスを使うしかないでしょう。
(そのまま乗り替えるのも手かもしれません。個人的には課金をしてもChatGPTやClaudeなどを使った方がはるかに生産性が高いと思います)
CortanaやOfficeのイルカの二の舞になってしまう
正直、このままではCortanaやOfficeのイルカのように消え去ってしまうような気がしてなりません。
ちなみにCortanaは、マイクロソフトが開発した音声認識型のAIアシスタントで、2014年に登場し、Windows 10に標準搭載されていたものです。AppleのSiri、Googleアシスタントなどに対抗して登場し、Windowsに強く紐付いていたのですが、ほとんど使われることなくひっそりと消え去りました。
ついでに説明すると、Officeのイルカとは、正式にはOfficeアシスタントの「カイル」のことで、Officeの使い方に関するヘルプ表示に出てきたキャラクターです。しかし、彼も何の役にも立たず、あまりに役に立たないので、「何について調べますか?」と聞かれたら「お前を消す方法」と言われまくって消えていきました。
このような調子では、Copilotもそんな悲しいキャラクターへ仲間入りしてしまいそうです。
とにかく元に戻って欲しい
個人的にCopilotはそれほど多用していませんでしたが、たまに検索などに使うには勝手がいいので利用していました。しかし、今の状態ではとてもじゃないけど使えたものではありません。
海外のニュースサイトでも嘆きがニュースになっていたりするので、全世界的に不評なのは間違いないでしょう。マイクロソフトもこの声を聞いて、対応してほしいものですね。
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コメント
ほんとに完全に同意ですー
こんな分かりやすい大改悪なかなか無いレベルですね・・・
コメントありがとうございます。
本当に今回ばかりは酷いとしか言いようがありませんよね。
せっかくCopilotキーも作ったのに、呼び出されるのがあれでは評判を大きく下げそうです。
明確に使いにくくなったと感じていたため、同じように思っている方がいて安心しました。
正直完全にChatGPTの下位互換でしかなく、いい加減な回答しか返ってこないのであればCopilotに質問するだけ時間の無駄かなあと考えてしまいますね。
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、ChatGPTの下位互換ですよね。回答もかなり杜撰なので、現時点ではちょっと使えないですね。