Windows 11 24H2が非対応PCにインストール可能に?|報告相次ぐ”要件スルー現象”を解説

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最近、YouTubeなどで「Windows 11の24H2がシステム要件を満たしていないPCでもインストールできた」という報告が増えてきています。しかも、これまで必要だった裏技や特別なツールを使わずに、普通にインストールできてしまうというから驚きです。

「ひょっとして、Microsoftがこっそりシステム要件を緩和したのかな?」と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、2024年後半から急速に広まったこの「クリーンインストール時の要件スルー現象」について調べてみました。

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Windows 11 24H2の公式要件を改めて確認

まずは基本的なところから確認していきましょう。Windows 11 24H2の公式システム要件は次の通りです。

基本要件

  • CPU:1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサ
  • メモリ:4GB RAM
  • ストレージ:64GB以上
  • システムファームウェア:UEFI、セキュアブート対応
  • TPM:トラステッドプラットフォームモジュール2.0
  • グラフィックス:DirectX 12互換
  • ディスプレイ:9インチ以上、HD解像度(720p)

CPU世代の要件

  • Intel:第8世代Core以降
  • AMD:Ryzen 2000シリーズ以降
Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft Windows
Windows 11 の仕様と機能の概要を Microsoft で確認してください。Windows 11 のデバイス仕様、バージョン、対応言語の詳細をご覧ください

2024年までと何が変わったのか?

さて、今回の現象ですが、最近になって急に起こるようになったという点が問題です。

2021年〜2024年前半までは、CPU世代などの公式要件を満たしていないPCでWindows 11をインストールしようとすると、「このPCは要件を満たしません」というエラー画面で止まってしまうのが一般的でした。回避するには、レジストリ編集やRufusなどの専用ツールが必要だったのです。

しかし、2024年後半(24H2世代)からは状況が一変。TPM 2.0(または1.2)とUEFIブートの条件さえ満たしていれば、多くの非対応CPUでも追加作業や警告画面もなく、そのままクリーンインストールできてしまう例が相次いでいます。

つまり、「最近になって急にできるようになった」という感覚は正しいと言えそうです。

ただし、これは「クリーンインストール」に限った話です。Windows 10や古いWindows 11からのアップグレードでは、従来通り「このPCは要件を満たしません」のエラーで止まってしまいます。つまり、新規でのインストールでしか、この現象は発生しません。

実際にはどこまで古いPCで成功している?

YouTubeや海外のユーザーフォーラムでは、公式要件を満たしていないはずのPCでも24H2がインストールできたという報告が相次いでいます。

実際に、このテーマを扱った動画をYouTubeでいくつかチェックしました。動画は「Windows11 緩和」などのキーワードで検索すると、ヒットすると思います。これらの検証動画を見たところ、成功例の多くは次のような構成でした。

  • Intel第7世代:Core i5-7300U搭載のLifebook U938V(2019年発売)など
  • Intel第5世代:Core i7-5600U搭載のLatitude E7250(2015年発売)
  • Intel第4世代:Core i7-4700MQ搭載のVersaPro(2014年発売)
  • Intel第3世代:Xeon E5-2680 V2搭載のHP Z820(2012年発売)

多くの検証事例で「このPCは対応していません」という警告すら表示されず、通常のインストール画面が表示されてそのままインストールが完了しています。ただし、BIOS設定や過去のアップデート履歴によっては警告が表示される場合もあるようです。

なぜ24H2からクリーンインストールがスルーされるのか?

この現象の背景には、Microsoftのインストール手順の実装上の違いがあると推測されています。

アップグレードとクリーンインストールの違い

  • 既存環境からのアップグレード:従来通り厳格なCPUチェックが行われる
  • インストールメディアからのクリーンインストール:CPU世代チェックが事実上スルーされる

つまり、アップグレードとクリーンインストールでは、システム要件の判定処理が異なっている可能性が高そうです。

Microsoftの意図は?

公式には仕様変更の説明がないため推測になりますが、次のような意図があるのかもしれません。

  • セキュリティ担保(TPM/UEFI)は保持したい
  • ビジネス用途や自作PC層などの「自己責任利用」までは積極的に遮断しない
  • ただし公式に認可しているわけではない

いわば、「グレーな妥協」の現れとも考えられます。

実際の境界線はこのあたりかも

検証動画で成功しているPCの共通点は、CPU世代よりもマザーボードの仕様が決定要因になっているようでした。具体的には次のような要件で切り分けられている感じがします。

インストール可能な条件(24H2のクリーンインストール時)

  • TPM 1.2以上(TPM 2.0推奨)
  • UEFIブートに対応
  • 64ビットプロセッサ
  • 第3世代Core以降(ただし機種による)

インストール不可能な条件

  • TPMチップなし
  • Legacy BIOSのみでUEFI非対応
  • USBブート非対応の古いマザーボード
  • Core 2世代(SSE4.2非対応のため完全に起動不可)

重要なのは、CPU性能よりもマザーボードの対応状況です。TPM(1.2以上)とUEFIブートに対応していれば、意外なほど古いPCでもクリーンインストールが成功する可能性があります。

ただし、Core 2世代については、インストーラーすら起動せず完全に不可能であることが確認されています。これはSSE4.2命令セットの問題によるものです。

SSE4.2とPOPCNT命令セットとは?

これらは、CPUがソフトウェアの命令を効率よく処理するための「機能の一部」です。特定のアプリやOSが快適に動作するには、こうした命令セットに対応していることが必要になります。簡単に言うと、新しいソフトウェアが効率的に動作するために必要な「CPU側の機能」だと考えてください。

  • SSE4.2:2008年頃にIntel第1世代Core(Nehalem)から搭載された命令セット
  • POPCNT:SSE4.2に含まれる命令の一つで、データ処理を高速化する機能
  • 対応CPU:Intel第1世代Core以降、AMD Phenom/Athlon(K10アーキテクチャ)以降

つまり、2008年以前のCore 2 DuoやAthlon 64 X2などは、この命令セットに対応していないため、24H2では物理的に起動できないというわけです。

公式は黙認している?”緩和”の正体とは

ここで気になるのが「Microsoftは本当にシステム要件を緩和したの?」という疑問です。

これについての答えはNOです。Microsoftは公式要件を一切緩和したという発表はしていません。また、公式文書では「CPU・TPM2.0などの厳格な要件は変わっていない」と一貫して明言し続けています。

しかし、実際のインストールプロセスでは、クリーンインストール時に限ってCPUの世代チェックが事実上スルーされる仕様になっているのは事実のようです。これは「アップグレード経路」と「新規インストール経路」で実装上の判定手順が異なるためと推測されます。

ですが、これらは依然としてサポート対象外であり、Microsoftからの公式サポートは受けられません。また、BitLockerやセキュアブートなどの重要なセキュリティ機能が正常に動作しない可能性があり、将来的なアップデートで再び制限が強化される可能性もあります。実際、Microsoftは要件の「厳格化」方向を示し続けており、継続的な利用の保証はありません。

よって、インストールはできるけどサポートは受けられないという状況にあると考えた方がいいでしょう。これは今までの非対応PCへのインストールと変わらないところですね。

Microsoftの対応ははっきり疑問

ここで疑問に感じるのが、Microsoftがこの現象について一切公式発表していないという点です。

2024年後半から明らかにクリーンインストール時の挙動が変わっているにも関わらず、Microsoftは「公式要件に変更はない」とだけ繰り返しています。しかし、実際には多くのユーザーが非対応CPUでもインストールできてしまうという状況が続いています。これは、いたずらにユーザーを困惑させるだけです。

ユーザーが困惑する理由

  1. 情報の不透明性:なぜクリーンインストール時だけCPUチェックがスルーされるのか、公式説明がない
  2. サポート範囲の曖昧さ:「できるけどサポートしない」という中途半端な状況
  3. 将来性の不安:いつこの現象が封じられるかわからない不安定さ

特に問題に感じるのは、2021年から「第8世代以降必須」と厳格に要件を設定していたにも関わらず、実際には技術的にもっと古いCPUでも動作可能だったという点です。これにより、多くのユーザーが「本当は必要なかった」PC買い替えを行った可能性があります。

Microsoftとしては、セキュリティ強化の観点から新しいハードウェアへの移行を促したい一方で、ビジネス用途や特殊な環境での利用まで完全に遮断するのは現実的ではないという判断があるのかもしれません。しかし、それならばもう少し透明性のある情報開示があっても良いのではないでしょうか。

ここ最近のMicrosoftは非常に横柄な態度が見え隠れしているような気がしますね。昔から強気な方針(悪く言えば「傲慢」)を貫いてきた企業体質ではありますが、最近はユーザーとの対話や透明性の面でやや疑問を感じる対応も目立つように思います。

まとめ:Windows 11 24H2の対応ラインはこう見極めよう

検証動画をいくつかチェックしてわかったのは、Windows 11 24H2で「クリーンインストール時のCPUチェックが事実上スルーされる現象」が2024年後半から起こるようになったということです。

今回の現象のポイントをまとめると次のとおりです。

  1. 公式要件は変更されていない(第8世代Intel、Ryzen 2000以降)
  2. 2024年後半からクリーンインストール時のみCPUチェックがスルーされる(TPM・UEFI対応が条件)
  3. アップグレードでは従来通り厳格(既存環境からのアップデートは制限あり)
  4. Core 2世代は完全に不可能(SSE4.2非対応のため)
  5. 公式サポートは対象CPUのみ(非対応PCでの問題は自己責任)
  6. 重要な機能が制限・利用不可の可能性(セキュリティ機能、公式アップデートなど)
  7. この現象は将来的に封じられる可能性(継続利用の保証なし)

YouTubeで「インストールできた」と報告されているのは事実ですが、それがすべてのユーザーにとって最適な選択とは限りません。特にメインPCとして使用する場合は、将来的なサポートや安定性、セキュリティ機能の制約を十分に考慮して、対応するハードウェアを利用した方がいいのは変わりません。

この「クリーンインストール時のCPUチェックスルー現象」は、いつまで続くかわからない一時的な状況です。Microsoftが次のアップデートで制限を強化する可能性も十分にあるため、過度な期待は禁物と言えるでしょう。

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しげさん
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