家族が亡くなった後、その方のスマートフォンやパソコンはどうしていますか?現代では、これらのデバイスに大切な写真や個人情報、さらには金銭的価値のあるデータが保存されています。しかし、パスワードがわからないために放置してしまうと、思わぬトラブルや損失につながる可能性があります。そこで、「デジタル遺品」と呼ばれるこれらのデータを放置するリスクと、安全に整理するための専門サービスについて詳しく解説します。
デジタル遺品は他人事ではない!あなたの「もしも」に備える
現代の私たちの生活は、スマートフォンやパソコンなしには成り立ちません。これらのデバイスには、日々の写真や動画、大切な人とのメッセージ、仕事のファイル、銀行口座の情報まで、膨大なデジタルデータが蓄積されています。このすべてが、やがては「デジタル遺品」として残されることになります。
SNSのアカウント、ネット銀行、オンラインショッピングサイト、各種サブスクリプションサービス…。普段使っているオンラインサービスは数十個に及ぶことも珍しくありません。しかし、その多くはパスワードで保護されており、家族であってもアクセスするのは困難です。
デジタル遺品の問題は、「いつか起こるかもしれない」話ではなく、「必ず起こる」現実です。総務省の「令和5年通信利用動向調査(2023年実施)」によると、60代で約93%、70代で約79%、80代前半でも約66%がスマートフォンを保有しており、デジタル遺品は年齢を問わずすべての人に関わる問題となっています。
大切な家族に負担をかけないため、そして自分自身の「もしも」に備えるために、今できることを一緒に考えていきましょう。
デジタル遺品を放置する「3つのリスク」
デジタル遺品を整理しないことで生じる問題は、想像以上に深刻で多岐にわたります。「パスワードがわからないから仕方ない」と諦めてしまうと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
リスク1:個人情報・プライバシーの流出
最も深刻なのが、故人の個人情報やプライベートな情報が流出してしまうリスクです。
SNSアカウントの乗っ取り被害
放置されたSNSアカウントは、サイバー犯罪者の格好のターゲットになります。アカウントが乗っ取られると、故人の名前で詐欺メッセージが送られたり、不適切な投稿がされたりする可能性があります。実際に、故人のFacebookアカウントが乗っ取られ、友人リストを悪用した詐欺事件も報告されています。
プライベート情報の拡散
スマートフォンには家族写真や個人的なメッセージが大量に保存されていますよね。これらが第三者の手に渡ると、意図しない形で拡散される危険性があります。特に、クラウドサービスに自動同期されている場合、アカウント情報が流出すると被害が拡大する恐れがあります。
遺族による誤操作
故人のデジタル機器を触る際、ITに詳しくない遺族が誤って情報を流出させてしまうケースも少なくありません。間違ったボタンを押してしまい、プライベートな写真をSNSに投稿してしまったという事例も実際に起きています。
リスク2:金銭的な損失
デジタル遺品の中には、見落とすと大きな金銭的損失につながるものが数多く存在します。
ネット銀行・投資口座の見落とし
メガバンクの口座は通帳や印鑑で存在がわかりますが、ネット銀行は基本的にオンライン上でしか確認できません。楽天銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行など、複数のネット銀行に口座を持っている人も多いでしょう。これらの口座に預金があっても、家族が存在を知らなければ永久に取り戻せません。
投資についても同様で、証券会社のオンライン口座、仮想通貨取引所、FX口座などは、アカウント情報がわからなければ資産の存在すら確認できないのが現状です。
サブスクリプションの支払いが続く
月額課金のサブスクリプションサービスは、解約手続きをしない限り永続的に課金され続けます。
- Netflix、Amazon Prime、Spotify などの動画・音楽配信サービス
- Microsoft 365、Adobe Creative Cloudなどのソフトウェア
- 各種アプリの有料プラン
- オンラインゲームの課金サービス
1つひとつは数百円から数千円でも、積み重なると月に数万円の支出になることも珍しくありません。故人が複数のサービスを利用していた場合、年間で十数万円の無駄な支出が発生する可能性があります。
ポイント・電子マネーの消失
楽天ポイント、dポイント、PayPayマネーなど、現代ではさまざまなポイントや電子マネーが日常的に使われています。これらは現金と同じ価値を持ちますが、アカウントにアクセスできなければ使うことができません。貯まったポイントが数万円分あったとしても、パスワードがわからなければ失われてしまいます。
リスク3:遺族への精神的・物理的負担の増大
デジタル遺品の整理は、遺族にとって想像以上の負担となります。
膨大な時間と労力
故人のデジタル機器を整理するには、まずパスワードの解読から始まり、各種アカウントの特定、サービスの解約手続きなど、非常に多くの作業が必要です。ITに詳しくない方にとっては、1つひとつの手続きに何時間もかかることも珍しくありません。
仕事をしながら、他の相続手続きと並行してこれらの作業を進めるのは、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。
アクセスできないストレス
故人の大切な思い出の写真や動画、仕事の重要なファイルなどにアクセスできないという状況は、遺族にとって非常に大きなストレスです。「きっと大切なものが入っているはず」とわかっていても、パスワードがわからないために諦めざるを得ないケースが多く報告されています。
家族間トラブルの原因
デジタル遺品の処理方法について家族間で意見が分かれ、トラブルに発展することもあります。「プライバシーを尊重して触らない方がよい」という意見と「重要な情報があるかもしれないから調べるべき」という意見が対立し、相続問題が複雑化するケースも実際に起きています。
デジタル遺品整理で実際に困ってしまうケース
デジタル遺品に関する問題は、実際に直面してみるまで気づかないことが多いものです。特に次のようなケースで「困った!」となりやすいです。
「故人のスマホのロックが解除できない」
現在のスマートフォンは指紋認証や顔認証が主流で、パスコードを知らない家族にとっては手の施しようがありません。大切な写真や連絡先が入っているとわかっていても、アクセスできずに途方に暮れてしまうケースが非常に多いです。
「何のオンラインサービスに登録していたかわからない」
故人がどんなWebサービスを利用していたか、家族が把握していることは稀です。銀行口座、ショッピングサイト、SNS、各種サブスクリプション…リストアップするだけでも一苦労です。
「ネット銀行や証券口座の存在すら知らなかった」
メールボックスをチェックして初めて、複数のネット銀行や投資サービスからの通知で口座の存在を知るというケースも少なくありません。しかし、口座があることがわかっても、ログイン情報がなければ結局アクセスできません。
「遺されたデータの中から、必要なものだけをどう探せばいいかわからない」
パソコンの中には何年分ものファイルが蓄積されています。重要な文書、思い出の写真、仕事関連のデータなど、膨大な情報の中から本当に必要なものを見つけ出すのは至難の業です。
「SNSのアカウントをどうすればいいか迷っている」
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSアカウントは、そのまま放置するべきか、削除するべきか、追悼アカウントに変更するべきか、判断に迷うところです。サービスごとに手続きも異なり、複雑さに頭を抱えている方も少なくありません。
これらの問題は、多くの家庭で実際に起こっていることです。「うちには関係ない」と思っていても、いざそのときになると想像以上に大変だということを覚えておいてください。
自分で何とかしようとして失敗するケースが急増中
「業者に頼むほどでもない」「自分でなんとかできるはず」と考えて、独自にデジタル遺品の整理を試みる方もいるでしょう。しかし、専門知識がないまま作業を進めてしまい、かえって状況を悪化させてしまうケースが後を絶ちません。
よくある失敗例と深刻化するトラブル
実際にどのような失敗が起きているのか、具体的な事例を見てみましょう。これらは決して珍しいケースではなく、多くの方が経験している現実的な問題です。
間違ったパスワード入力による完全ロック
スマートフォンやパソコンは、間違ったパスワードを何度も入力すると、セキュリティ機能により完全にロックされてしまいます。iPhoneの場合、6回間違えると1分間、7回目で5分間、8回目で15分間操作できなくなり、10回間違えるとデータが自動削除される設定になっていることもあります。
「故人の誕生日」「結婚記念日」「ペットの名前」など、思いつくパスワードを手当たり次第に試した結果、永久にアクセスできなくなってしまったという事例が数多く報告されています。
端末の初期化による全データ消失
「ロックがかかってしまったから、とりあえず初期化して中身を見よう」と考える方もいらっしゃいますが、これは最も避けるべき行為です。初期化を行うと、端末内のすべてのデータが完全に消去されてしまいます。
大切な家族写真、連絡先、メッセージ履歴など、二度と取り戻せない思い出が一瞬で失われてしまうのです。また、クラウドサービスにバックアップされていたとしても、アカウント情報がわからなければ結局アクセスできません。
市販アプリの使用による被害拡大
インターネットで「パスワード解除アプリ」を購入して試す方もいますが、これらのアプリは期待通りの結果を得られないことがほとんどです。特にこの手のアプリは信頼性の低いものが多く、実はマルウェアであることは少なくありません。
実際に、「無料でパスワード解除」と謳うアプリをダウンロードした結果、パソコンがウイルスに感染し、他の重要なデータまで失ってしまったというケースも報告されています。これ以外にも次のような被害を被る可能性があります。
- 解除処理中にデータが破損する
- 個人情報が外部に送信される
- 高額な追加料金を請求される
もしアプリが動作しても、パスワードを解除できない可能性が高いため、この手のアプリには手を出さないのが鉄則です。
なぜ素人の作業は失敗しやすいのか
「パスワードを調べるだけなのに、なぜこんなに失敗してしまうのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。その背景には、現代のデジタル技術の複雑さと専門性の高さがあります。
セキュリティ技術の高度化
現代のデジタル機器は、不正アクセスを防ぐために非常に高度なセキュリティ技術が使われています。暗号化、二段階認証、生体認証など、素人が簡単に突破できるものではありません。
専門知識と技術の必要性
デジタル遺品の整理には、IT技術だけでなく、法的な知識や個人情報保護に関する理解も必要です。間違った方法で作業すると、法的な問題に発展する可能性もあります。
時間的プレッシャーによる判断ミス
故人の機器を早く整理したいという気持ちから、十分な調査や準備をせずに作業を開始してしまい、取り返しのつかない失敗をしてしまうケースが多いのです。
「最初から専門家に頼んでおけば…」という後悔
これらの失敗を経験した多くの方が口にするのが、「最初から専門家に頼んでおけばよかった」という言葉です。自分で何とかしようとして貴重なデータを失った後では、もう手の施しようがありません。
特に、故人との思い出が詰まった写真や動画、重要な文書などは、一度失われると二度と取り戻すことができません。「数万円をケチったために、何百万円分の価値があるデータを失った」という後悔をする方も少なくないのです。
専門家による「デジタル遺品整理サービス」とは?
ここまで解説してきたような複雑で専門的な問題に対して、近年注目を集めているのが「デジタル遺品整理サービス」です。この分野の専門企業が提供するサービスを利用することで、遺族の負担を大幅に軽減し、安全かつ確実にデジタル遺品を整理することができます。
サービスの概要
デジタル遺品整理サービスでは、主に次のような作業を専門的に行います。
ロック解除・データ復旧
スマートフォンやパソコンのパスワード解除を、専用のツールと技術を使って安全に行います。単純なパスワード解除だけでなく、故障したハードディスクからのデータ復旧にも対応可能です。
オンラインアカウントの調査・整理
故人が利用していたWebサービスやアプリを徹底的に調査し、リストアップします。メール履歴やブラウザの保存データ、アプリのログイン情報などから、隠れたアカウントも発見することができます。
デジタル資産の洗い出し
ネット銀行、証券口座、仮想通貨、各種ポイント、電子マネーなど、金銭的価値のあるデジタル資産を漏れなく特定します。
データの分類・整理
膨大なデジタルデータを「重要文書」「思い出の写真・動画」「仕事関連」などのカテゴリーに分類し、遺族が必要なものを見つけやすい形で整理します。
アカウント解約・承継手続き
不要なサブスクリプションサービスの解約手続きや、必要に応じてアカウントの名義変更・承継手続きを代行します。
専門家が行うメリット
では、プロに依頼することで具体的にどのような利点があるのでしょうか。料金はかかりますが、それ以上に得られる価値やメリットは大きいものです。
安全・確実な作業
素人が手探りで作業すると、重要なデータを誤って削除してしまったり、個人情報を流出させてしまったりするリスクがあります。専門家なら、故人のプライバシーを保護しながら、安全に作業を進めることができます。
時間と労力の大幅な節約
デジタル遺品の整理には専門知識と多くの時間が必要です。遺族が自分で行う場合、数ヶ月かかることも珍しくありませんが、専門家なら数週間で完了することができます。
法的な知識とコンプライアンス
デジタル遺品には著作権、個人情報保護法、相続法など様々な法的側面が関わってきます。専門業者なら、これらの法的要件を満たしながら適切な処理を行うことができます。
見つけられない情報の発見
専門的なツールや技術を使うことで、一般的な方法では発見できない隠れたデジタル資産やアカウントを見つけ出すことが可能です。削除されたファイルの復元や、複雑な暗号化の解除なども対応できます。
利用の流れ
デジタル遺品整理サービスの一般的な流れは次のようになります。
- 初回相談・状況確認:現在の状況や希望するサービス内容について相談
- 見積もり・契約:作業内容と料金の提示、契約手続き
- 機器の預かり・診断:スマートフォンやパソコンなどの機器を預かり、詳細な診断を実施
- 作業実施:ロック解除、データ抽出、アカウント調査などの実作業
- 結果報告・データ納品:整理されたデータの納品と作業結果の詳細報告
- アフターフォロー:必要に応じて追加の手続きや相談対応
多くの業者で初回相談は無料となっており、まずは気軽に相談できるのも大きなメリットです。
デジタル遺品整理は、技術的な専門性が高く、かつプライバシーや法的配慮が重要な分野です。専門家に依頼することで、安心して故人のデジタル遺品と向き合うことができるでしょう。
まとめ:安心のために、今できること
デジタル遺品の問題は、現代社会に生きる全員に関わる重要な課題です。「まだ元気だから大丈夫」「うちには関係ない」と思っていても、いざそのときになると想像以上に大変なことになるでしょう。
デジタル遺品を放置することで生じる3つのリスク—個人情報の流出、金銭的損失、遺族への負担—は、いずれも避けることができる問題です。適切な準備と対処によって、これらのリスクを最小限に抑えることができます。
専門的なデジタル遺品整理サービスを利用すれば、技術的に複雑な作業も安全かつ確実に処理できます。「自分でやるには不安」「時間がない」「専門的すぎてわからない」という場合は、プロに任せるのが最も安心できる選択肢です。
デジタル遺品の問題は、放っておけばおくほど複雑になります。まずは現状を把握し、必要に応じて専門家に相談することで、ご自身やご家族の負担を大きく減らすことができます。
信頼できる専門業者「デジタルデータフォレンジック」のご紹介

ここまでデジタル遺品の問題と解決策について解説してきましたが、「実際にどこに相談すればいいの?」と思われている方も多いでしょう。そこでおすすめなのが、デジタル遺品整理の分野で高い実績を持つ「デジタルデータフォレンジック」です。
デジタルデータフォレンジックとは
デジタルデータフォレンジック(DDF)は、デジタル機器のデータ調査・解析を専門とする業者です。同社の最大の特徴は、警視庁をはじめとする全国の警察署や捜査機関からも依頼を受けている高い技術力にあります。
事件現場に残されたデジタル機器の調査から、一般家庭のデジタル遺品整理まで、幅広い案件に対応している実績があり、「どんなに困難なケースでも諦めない」姿勢で取り組んでいます。
デジタルデータフォレンジックが選ばれる3つの理由
デジタルデータフォレンジックをおすすめできる理由は次の通りです。
警察レベルの高度な技術力
警視庁や全国の捜査機関から信頼されている技術力は、一般的なデータ復旧業者とは一線を画します。事件解決にも使われるデジタルフォレンジック技術により、次のような難しいケースにも対応可能です。
- 複雑なパスワードで保護された機器
- 物理的に破損したスマートフォンやパソコン
- データが削除された機器
- 暗号化されたデータ
安全で確実な作業プロセス
前述した「自分で操作して失敗するリスク」を完全に排除した、作業を実施しています。
- 間違ったパスワード入力による機器ロックを防ぐ専門技術
- 初期化リスクを回避する安全な解析手法
- 市販ソフトでは対応できない高度な解除技術
包括的なデジタル遺品サービス
単なるパスワード解除だけでなく、デジタル遺品に関する包括的なサポートを次にように提供しています。
- パスワード解除・データ復元
- 重要データの抽出・整理
- ネットバンクや投資口座の情報調査
- SNSアカウントやサブスクリプションサービスの特定
- 暗号資産・仮想通貨の調査
- ご遺族への詳細な報告書提供
こんな方におすすめ
デジタルデータフォレンジックのサービスは、特に次のような状況の方におすすめです。
- 他社で「解除不可能」と言われたケース
- 故人が金融取引やオンライン投資を行っていた可能性がある
- 事業関連の重要なデータが含まれている可能性がある
- 絶対にデータを失いたくない大切な思い出が入っている
- 確実で安全な作業を最優先に考えている
まずは無料相談がおすすめ
デジタルデータフォレンジックでは、お客様の状況を詳しく伺う無料相談を実施しています。「こんなケースでも対応可能か?」「料金はどの程度か?」「作業期間はどれくらいか?」など、どんな疑問にも専門スタッフが丁寧にお答えします。
デジタル遺品の問題は、放置すればするほど複雑になり、リスクも高まります。「どうすればいいかわからない」「自分で触るのは不安」という場合は、まず専門家に相談することがおすすめです。
警察からも信頼される技術力で、あなたの大切なデジタル遺品を安全に整理します。相談は無料ですので、デジタル遺品でお困りの方は、まずは相談してみてはいかがでしょうか。