LINEで「おっ、未読がある…でも通知来てなかったよな?」そんな経験ないでしょうか?
LINEの「ミュートメッセージ」という機能を使うと、相手側には通知はされないでメッセージが送れます。主に、相手を気遣って送りたいときに使うものですが、逆に相手をモヤモヤさせてしまうことがあるんですよね。
今回は、このミュートメッセージがなぜ「うざい」と感じられることがあるのか、その心理的な仕組みと、上手な使い方について詳しく解説していきます。
ミュートメッセージって何?「通知オフで送れる」機能の概要
まず、ミュートメッセージがどんな機能なのかを整理しておきましょう。
ミュートメッセージは、LINEの比較的新しい機能で、相手に通知を送らずにメッセージを送信できるというものです。深夜や早朝、相手が忙しそうなときでも気軽に連絡できるよう配慮された「気遣い機能」として登場しました。
ただし、標準では無効化されているので、この機能を使ってメッセージを送信するには事前の設定が必要です。
有効化の手順
ミュートメッセージを有効化するには、「ホーム」タブから「設定」(歯車アイコン)をタップして設定画面を開きます。次に「LINEラボ」をタップします。


LINEラボの設定画面が表示されたら、「ミュートメッセージ」をオンにします。

これで、ミュートメッセージが送れるようになりました。
実際の使い方
ミュートメッセージでメッセージを送信するには、メッセージを送る際に紙飛行機アイコンを長押しします。すると、メッセージの送信方法が表示されるので、「ミュートメッセージ」をタップします。


これで、ミュートメッセージが送信されました。メッセージを受け取った相手のスマホに通知音やバナー通知が届きません。
通知はされないがバッジは表示される
ミュートメッセージの重要なポイントは、通知は来ないけれど、未読バッジは表示されるということです。つまり、相手がLINEアプリを開けば、未読の数字は確認できます。また、トーク内では通常のメッセージと同じように表示されます。

つまり、完全に「気づかれない」メッセージではなく、「通知だけ来ない」メッセージと考えた方が正確でしょう。
なぜうざいと感じるのか?「気遣い」のはずがプレッシャーに変わる理由
さて、ここからが本題です。
送る側は相手への気遣いで「ミュートメッセージ」を使っていることがほとんどだと思います。しかし、受け取る側からしてみると、なぜかミュートメッセージが届いたことに気づくと、「うざい」と感じてしまうことが多いのです。
これはどうしてなのか?解説していきます。
未読バッジが気になってしまう心理
人間の脳は、未完了のタスクを記憶し続ける性質があります(心理学では「ツァイガルニク効果」と呼ばれます)。未読バッジが表示されていると、内容を確認するまでなんとなく気持ち悪い感覚が続いてしまうんですね。
通知が来ていないのに未読がある状態は、まさにこの心理的な不快感を引き起こします。「あれ?いつの間にメッセージが…」という違和感が、地味にストレスになってしまうのです。
「無視している」と思われる可能性
ミュートメッセージには「通知は来ないが、未読バッジは表示される」という特徴があります。このため、送信者と受信者の間で認識のズレが生まれやすくなってしまうのです。
送る側は「ミュートメッセージでも未読バッジはつくから、そんなに返事は遅れないはず」と思っているため、受け取る側が既読をつけるのが遅いと、「あれ?なんで既読がつかないの?」と疑問に思われる可能性が出てくるのです。
つまり、こんな状況が生まれてしまいます。
- 送信者の認識: 「ミュートで送ったから通知は行かないけど、未読バッジで気づいてもらえるはず」
- 受信者の状況: 通知が来ないので気づかず、しばらく未読のまま
- 結果: 送信者から「バッジが出てるのに、なぜ気づかない?」と思われてしまう
気遣いのつもりが、かえって「無視している」と誤解される原因になってしまうんですね。
意図せず見張られているような感覚
「静かに送るね」という配慮は、一見ありがたく感じます。でも、裏返すと「あなたの都合を見計らって送ってます」という意味でもあります。この「見られている感」が、人によっては心理的なプレッシャーになる可能性もあります。
特に、仕事関係の人から頻繁にミュートメッセージが来ると、「常にチェックされているような気分」になってしまう方もいるでしょう。
そもそもミュートメッセージを知らない人にとっては謎の現象
ここまでの話は、ミュートメッセージの仕組みを知っている前提で進めてきましたが、実はこの機能、まだあまり知られていないのが現状です。では、まったく知らない人にミュートメッセージが届いたらどうなるでしょうか?
通知は来ないのに、アプリを開くと未読がある。
その状態に対して、多くの人がこんなふうに感じてしまいます:
- 「あれ?LINEに未読があるのに通知が来なかった…なぜ?」
- 「LINEの通知設定がおかしいのかも?」
- 「重要なメッセージを見逃していたらどうしよう…」
通知がなかった理由がわからないと、「何かの不具合かな?」と不安になってしまうのです。
特に、スマホ操作に不慣れな方や年配の方にとっては、「いつもと違う」ことそのものがストレスの原因になります。せっかくの気遣いのつもりが、相手に戸惑いや心配を与えてしまっては本末転倒ですよね。
控えてほしい使い方
ミュートメッセージの機能自体は悪くないのですが、使い方によっては相手を困らせてしまうことがあります。
重要な連絡をミュートで送るのはNG
「緊急ではないけれど大切な用件」をミュートメッセージで送る人がいますが、これは本末転倒です。通知が来ないことで、相手が気づくのが遅れる可能性があります。
重要度の高い内容は、やはり通常の送信方法を選ぶべきでしょう。
連続でミュートメッセージを送るのも考えもの
一度にまとめて送れる内容を、わざわざ分けてミュートメッセージで送り続ける人がいます。受け取る側からすると、未読バッジの数字がどんどん増えていくのは、けっこうプレッシャーになるんですよね。
「なんか怖い…」と感じる人も少なくありません。
スタンプだけをミュートで送るのは逆効果
「通知がオフだからと気軽に送れる」と思って、スタンプだけをミュートメッセージで送る人もいますが、これも要注意です。内容がないメッセージほど、受け取る側は「なんで送ってきたんだろう?」と困惑してしまいます。
気遣いのつもりが、逆にうざがられる典型的なパターンですね。
ミュートメッセージの”正しい使い方”とは?
では、どんなときにミュートメッセージを使えばいいのでしょうか?
相手が機能を知っているか、ひとこと添えて確認を【重要】
ミュートメッセージは便利な機能ですが、まだまだ認知度が高いとは言えません。相手がこの機能の存在を知らない場合、通知が来ないことに戸惑ったり、不安を感じてしまう可能性もあります。
そんなトラブルを防ぐには、最初に軽く説明を添えておくことが大切です。
たとえば、次のような一言を加えるだけでも印象が大きく変わります。
- 「通知オフで送りますね。あとで時間があるときに見てください」
- 「今、ミュートメッセージって機能を試してみてます。届いてますか?」
こうした気遣いがあると、相手も安心してメッセージを受け取れますし、「気が利く人だな」と良い印象を持たれることもあるでしょう。特に年配の方や、スマホにあまり詳しくない相手に送るときは、ちょっとした説明が大きな配慮になります。
深夜・早朝の気遣いで使う【◎】
これは最も適切な使い方です。相手が寝ている可能性が高い時間帯に、どうしても送っておきたいメッセージがある場合、ミュートメッセージは本当に助かります。
「おやすみ中だと思うので、気が向いたときに見てください」という気遣いが自然に伝わりやすくなります。
仕事中の相手への配慮【○】
会議中や業務時間中の相手に連絡する際にも有効です。ただし、この場合は「伝わらないリスク」も考慮して、本当に急ぎでない内容に限定するのが賢明でしょう。
送りっぱなし系の内容【○】
報告やリンク共有など、「相手からの返事を急いでいない」内容の場合は、ミュートメッセージが活躍します。
例えば、次のような「情報提供系」のメッセージで使えば、相手へのプレッシャーにもならず、急ぎでもないので、ちょうどいい感じになります。
- 「今日の会議の資料、共有しておきますね」
- 「面白い記事を見つけたので、時間があるときにどうぞ」
- 「写真撮れたので送っておきます」
まとめ:LINEの気遣いは、説明しないと伝わらない
ミュートメッセージは、確かに便利な機能です。でも、「ミュートメッセージ=優しさ」として、説明のいらない配慮だと思い込んでしまうのは危険かもしれません。
実際には、この機能に対して心理的な違和感や圧を感じる人も多いのが現実です。通知は来なくても未読バッジは表示されるという仕様が、「静かな圧迫感」を生み出してしまうんですね。
大切なのは、「使う側の配慮」と「受け取る側の認識」にはズレが生じやすいということを理解することです。ミュートメッセージを過信せず、相手との関係性や内容に応じて使い分けていきましょう。
もし相手から「ミュートメッセージがちょっと…」と言われたら、素直に受け入れて使い方を見直すのがベストです。結局のところ、コミュニケーションで一番大切なのは、お互いが快適にやり取りできることですからね。
技術は進歩しても、人の心は複雑なまま。そのことを忘れずに、新しい機能と上手に付き合っていきたいものです。