最近、Amazonで買い物をした後に思わぬトラブルに巻き込まれる人が急増しています。「Amazonで注文したものが代引きで届いた」という経験はありませんか?これ、実際にこの間、自分が経験したばかりです。参りました。被害は未然に防げましたが、もし知らなかったらまんまとお金を取られていたかもしれません。
このAmazonを使った詐欺手口は、2024年頃から急激に増えているようです。そこで、その仕組みから対処法まで詳しく解説していきます。
急増中の詐欺手口:その巧妙な仕組みとは
今回紹介する手口は、一見すると正規の取引と見分けがつきません。具体的にどのような流れで詐欺が行われるのか、順を追って確認していきましょう。
ステップ1:普通にAmazonで商品を購入
まず、ユーザーは普通にAmazonマーケットプレイス(Amazon以外の出品者が販売している商品)で何かを購入したとします。この時点では、特に怪しいことはありません。クレジットカードで決済を完了し、商品の到着を待つだけです。
ステップ2:出品者が突然キャンセル
ところが、注文してから数時間〜数日後、出品者から一方的に注文がキャンセルまたは返金がされてしまいます。キャンセルのケースでは、「在庫切れ」や「システムエラー」など、もっともらしい理由が多いようです。自分の場合は特に理由もなく、一方的な返金でした。
ステップ3:代引きで怪しい商品が届く
そして数日後、ユーザー宛に代引きで商品が届きます。配送伝票には、先ほどキャンセルされた商品と同じような名前が記載されており、代引き金額もキャンセルしたときと同額です。
もし、そこで代引き料金を払って受け取ってしまうと詐欺は達成。受け取った商品は、恐らく注文した商品と何も関係のないガラクタです。ちなみに自分のケースの場合、明らかにサイズ感がおかしい(小さすぎる)ものが届きました。
なお、このようなケースの場合、Amazonが販売したものではないため、Amazonのサポート(返金など)は受けられません。
なぜこの手口が成功してしまうのか
この詐欺が成功してしまう理由は、主に次のような心理的な要因があります。
- Amazonで実際に注文していたため、商品が届くこと自体に違和感がない
- 金額が注文した商品と同じため、「システムの不具合」だと誤解しやすい
- 家族が代わりに受け取った場合、事情を知らずに支払ってしまう
- 配送業者も正規の荷物として扱っているため、怪しまれにくい
【重要】Amazonは2024年6月に代引きを廃止済み
まず、知っておきたいのは、Amazonは2024年6月以降、公式に代引き(代金引換)サービスを廃止しています。
つまり、現在Amazonから代引きで商品が届くことは、システム上100%あり得ません。「Amazonから代引き商品が届いた」という状況は、間違いなく詐欺だと断言できます。
この事実を知らない人が多いため、詐欺師たちはこの情報格差を悪用して犯行を重ねています。今後、Amazon関連の代引き商品が届いた場合は、迷わず詐欺だと判断してください。
安全にAmazonを利用するための予防策
このような詐欺をできる限り防ぐには、次のポイントをチェックします。これだけで、かなりのリスクを減らすことができます。
基本的には販売元が「Amazon.co.jp」の商品を選ぶ
まず、基本的には「発送物と販売元」が「Amazon.co.jp」となっている商品を選ぶのがベストです。確認するには、購入ボタンの下に表示されている「発送物と販売元」をチェックします。

「Amazon.co.jp」となっていれば、Amazon販売なので今回のような詐欺とかはありません。価格はマーケットプレイスより高いことはありますが、販売価格に極端な差がないのであれば、Amazonのものを購入した方が安全です。
マーケットプレイスを使うときは、出品者を確認する
「発送物と販売元」が「Amazon.co.jp」以外の場合は、マーケットプレイスに出品している第三者から購入することになります。この場合は、出品者の評価を必ず確認してください。
確認するには、「発送物と販売元」または「販売元」に書かれている出品者名のリンクを開きます。詐欺業者の場合、大抵レビューはひどいことになっています。


また、名前を変えて出品を繰り返している業者もいるので、「新規出品者」となっている場合も用心した方がいいですね。これ以外で特にチェックをしておきたい特徴は次のとおりです。
- 出品者名が意味不明な英数字の羅列
- 評価が極端に少ない(10件未満など)
- 商品画像が他の出品者とまったく同じ
- 価格が相場より大幅に安い
- 出品者の所在地が海外(特に中国)
家族への情報共有
もし「購入してしまった!」という場合、自分は用心できますが、家族が知らないと被害を受ける可能性が高くなります。実際、家族が代わりに受け取って被害に遭うケースが多発しています。そのため、前述した手口に引っかかったと思ったら、すぐに家族へ「代引きは受け取らない」ことを情報共有しましょう。
また、次の情報は家族全員で共有しておくとより安心です。
- Amazonは2024年6月以降、代引きサービスを廃止している
- Amazon関連の代引き商品は100%詐欺である
- 身に覚えのない代引き商品は絶対に受け取らない
もし代引き商品が届いてしまったときの正しい対処法
もし、詐欺出品者から購入してしまった場合、いずれかのタイミングで商品が代引きで届くと思います。この場合は、次のように対処します。
- 絶対に受け取らない
配送業者に身に覚えのないものと伝え、受け取りを必ず拒否します。最近、この手の詐欺が増えているので、大抵の配達員の方は理解してくれます。もし、理解してもらえない場合は、「Amazonは代引きサービスを廃止しているので、これは詐欺です」と説明すればいいでしょう。とにかく、受け取り拒否することが大切です。 - 記録を残す
可能であれば、配送伝票の写真を撮っておきます。後で警察に相談する際に役立ちます。 - Amazonカスタマーサポートに連絡
Amazonの公式カスタマーサポートに状況を報告します。たいした対応はしてもらえないかもしれませんが、「同様の被害を減らすためにも、詐欺業者への対策をどうにかしろ」と伝えることは大切です。
もし家族が代わりに受け取ってしまった場合、前述したとおり、返金などのサポートはAmazonから受けられません。そのため、次のような対処を行いましょう。
- 絶対に開封しない:商品は開封せず、そのまま保管してください。
- 警察に相談:詐欺事件として警察に相談することも重要です。同様の被害を防ぐためにも、必ず報告してください。
今回のようなトラブルの主な相談先は次のとおりです。
- Amazonカスタマーサポート:0120-999-373(24時間対応)
- 消費者ホットライン:188(局番なし)
- 警察相談專用電話:#9110
クレジットカード情報は大丈夫?安全性について
「この詐欺に遭ったら、クレジットカード情報も盗まれてしまうの?」という心配をされる方も多いでしょう。結論から言うと、この詐欺手口でクレジットカード情報自体が漏洩する可能性は低いと考えられます。
なぜクレジットカード情報は比較的安全なのか
この詐欺手口は、主にAmazonマーケットプレイスの出品者が「注文時に取得した氏名・住所・電話番号」などの配送情報を悪用し、Amazon外で代引き詐欺を仕掛けるものです。
注文後に出品者がキャンセル・返金処理を行うため、Amazon経由でのクレジットカード決済は成立せず、カード会社からの引き落としも発生しません。つまり、詐欺業者はAmazonのシステムを通じてカード番号そのものを取得することはできません。
Amazonではカード情報は厳重に管理されており、出品者には開示されません。したがって、この手口でカード番号やセキュリティコードなどの機密情報が出品者に渡ることは基本的にありません。
ただし注意すべき個人情報の悪用リスク
一方で、注文時に入力した「氏名・住所・電話番号」などの個人情報は詐欺業者の手に渡ってしまいます。これらの情報は今後、別の詐欺や迷惑行為に使われる可能性があるため注意が必要です。
例えば、次のような二次被害のリスクがあります。
- 別の代引き詐欺のターゲットにされる
- 迷惑電話やSMS詐欺の対象になる
- 個人情報が詐欺グループ間で共有される
念のための確認事項
クレジットカード情報の直接的な漏洩リスクは低いとはいえ、念のため次については定期的に確認しておいた方がいいでしょう。
- クレジットカードの利用明細:身に覚えのない請求がないかチェック
- Amazonの注文履歴:勝手に注文されていないか確認
- 不審な取引を発見した場合:速やかにカード会社やAmazonに連絡
まとめ:冷静な対処が重要
今回紹介した詐欺手口は、2024年以降急激に増加しており、多くの人が被害に遭っているそうです。しかし、正しい知識さえあれば確実に防ぐことができる詐欺でもあります。特に覚えておきたいポイントは次のとおりですね。
- Amazonは2024年6月以降、代引きサービスを完全廃止している
- Amazon関連の代引き商品は100%詐欺
- 代引き商品が届いても絶対に受け取らない
- 家族への情報共有が被害防止の鍵
今回、自分が失敗したのは、セールのタイミングで欲しかった商品が通常よりも安くて、出品者をあまり確認せずに購入してしまったということですね。すぐに返金の通知が来たので「怪しい」と思ったら案の定でした。
インターネットショッピングは便利ですが、こうしたリスクもあることを常に頭に置いておくことが大切ですね。皆さんも十分気をつけて、安全にお買い物を楽しんでください。