Windows 10のサポート終了が2025年10月に迫る中、「Windows 11に移行すべきか?」と悩んでいる人も多いかもしれません。しかし、すでにWindows 12の噂も海外のリークサイトを中心に出始めています。仮にWindows 11の動作要件ギリギリのPCに買い替えた場合、Windows 12登場時に再び買い替えが必要になる可能性も否定できません。
そこで、海外のリーク情報をもとに、Windows 12で予想される機能と必要スペックを詳しく解説します。PC買い替えのタイミングで失敗しないよう、最新情報をしっかりチェックしていきましょう。
Windows 12のリリース時期は2026年以降が現実的
まず気になるのがリリース時期ですが、現時点では2026年以降の登場が現実的と考えられます。現時点(2025年5月)では、Microsoftからは公式発表がなく、海外のリーク情報でさまざまな憶測が飛び交っている状況です。
なお、過去のWindowsリリースサイクルは次のとおり。
- Windows 7(2009年)→ Windows 8(2012年):約3年
- Windows 8(2012年)→ Windows 10(2015年):約3年
- Windows 10(2015年)→ Windows 11(2021年):約6年
この傾向を見ると、Windowsの新OSリリース間隔は3〜6年程度です。つまり、Windows 12のリリースは2024年〜2027年頃となります。
Windows 10から11は6年かかっていますが、それは「Windows 10を最後のWindowsにする」という方針から変更されたためではないでしょうか。ですので、Windows 12は6年はかからないかと思います。ですが、2025年では影も形もありませんので、やはり来年あたりに発表されそうな感じがします。
Windows 12の機能を予想
Windows 12の最大の特徴になりそうなのは、AI技術の全面的な統合です。現在のWindows 11でもCopilot機能はありますが、Windows 12ではその比ではない大幅な進化が予想されています。
Copilot+の全面進化
Windows 12最大の目玉とされているのは、AI機能の全面統合です。現在のWindows 11にも「Copilot」が搭載されていますが、Windows 12では次のような大幅な機能拡張が予想されています。
- 文書自動作成機能:簡単な指示だけで報告書やメールを自動生成
- ファイルの自動整理:散らかったデスクトップを内容に応じて自動分類
- 文脈理解型検索:「先週作った資料」といった曖昧な検索ワードでも、AIが内容を理解して該当ファイルを見つけ出す
これらの機能により、日常的なPC作業が格段に効率化されそうですね。
インターフェースの大幅刷新
Windowsは新しくなるたびにUI(ユーザー・インタフェース)を刷新して、ユーザーを混乱させる傾向にありますが、Windows 12でもやはり変化がありそうです。主に次のような点が変わる可能性があります。
- フローティングタスクバー:画面下部に固定されないタスクバー
- 動的ウィジェット:時間や状況に応じて表示内容が変化
- AI生成のライブ壁紙:天候や時間帯に連動して自動変更される背景
これまでのWindowsよりもモダンなデザインになりそうです。もっとも、UIの刷新は必ずしもユーザーに歓迎されているわけではありません。ただし、これもWindowsの「お約束」と考えて割り切る必要がありそうです。
NPU(Neural Processing Unit)必須時代の到来
Windows 12では、AI処理専用のチップであるNPUの重要性が大幅に高まると予想されます。
今のPCでAI機能を使うには、クラウド(インターネット上のサーバー)で処理する必要があります。つまりネットに接続し、情報をサーバーに送って処理する形ですね。この方法だと、大切な情報を外部に送信しなければならず、セキュリティ的に問題がありました。
しかしWindows 12ではNPUが必須となることにより、自分のPC内でAI処理が完結できるようになります。これにより次のようなメリットが生まれます。
- プライバシーの向上:個人データがクラウドに送信されない
- 処理速度の向上:インターネット回線の速度に左右されない
- オフライン利用:ネット接続がなくてもAI機能が使える
- ランニングコスト削減:クラウドAIの従量課金から解放
Windows 12では、この「ローカルAI」を前提とした新機能が多数搭載される可能性があります。
気になるWindows 12の必要スペック予想
気になるのはWindows 12で予想される必要なスペックです。Windows 11と比較してみましょう。
システム要件比較表
項目 | Windows 11要件 | Windows 12予想要件 | 変更点 |
---|---|---|---|
プロセッサー | 1GHz 64bit 2コア | Intel 14th Gen以降 | 新世代CPU必須化の可能性 |
RAM | 4GB | 8GB(最低)~16GB推奨 | 100%以上の増加 |
ストレージ | 64GB | 64GB(NVMe SSD推奨) | SSDが実質必須 |
TPM | 2.0 | 2.0(必須維持) | Plutonセキュリティチップ対応 |
グラフィック | DirectX 12対応 | DirectX 12 Ultimate対応 | AI処理用VRAM要件強化 |
NPU | 不要 | 推奨(ローカルAI用) | クラウド依存回避のため |
注目すべき変更点
- メモリ要件の大幅アップ
Windows 11の4GBから8GB(最低)へと倍増が予想されます。AI機能を快適に使うには16GBが推奨となりそうです。 - CPU世代の厳格化
現在Windows 11でも動作する第7世代Coreプロセッサーなどが、Windows 12では完全に対象外となる可能性があります。 - NVMe SSD必須化
従来のHDDや古いSSDでは、OSの起動やAI処理のスピードに支障をきたすため、高速なNVMe SSDが必須となりそうです。
NPU(Neural Processing Unit)って何?知っておくべき基礎知識
Windows 12ではNPU搭載が推奨されています。しかし、あまり馴染みのないチップではあるので、「NPU」について詳しく解説しておきましょう。
NPUとは何か?
「NPU」(Neural Processing Unit)は、AI処理に特化した専用チップです。従来のCPUやGPUとは異なり、機械学習や深層学習といったAI計算を効率的に実行するために設計されています。役割をわかりやすく例えると、次のような感じになります。
- CPU:パソコンの「頭脳」として様々な処理を担当
- GPU:グラフィックや並列計算が得意
- NPU:AI処理だけに特化した「AI専用エンジン」
なぜNPUが必要なの?
AI処理をCPUやGPUで行うことも可能ですが、NPUを使うことで次のメリットが生まれます。
- 電力効率が抜群
同じAI処理でも、NPUを使えば消費電力を大幅に削減できます。特にノートPCではバッテリー持続時間に大きな差が出ます。 - 処理速度の向上
AI専用設計のため、音声認識や画像処理などがリアルタイムで快適に動作します。 - CPUの負荷軽減
AI処理をNPUが担当することで、CPUは他の作業に集中でき、全体的なパフォーマンスが向上します。
現在NPUを搭載しているPC
残念ながら、現在市販されているPCでNPUを搭載しているモデルは限られています。現在、NPUを搭載しているのは次のチップセットです。
- Intel Meteor Lake(第14世代Core Ultraシリーズ)
- AMD Ryzen AI(一部のRyzen 7000シリーズ)
- Qualcomm Snapdragon X Elite(Windows on ARM)
つまり、現在Windows 11が問題なく動いているPCの大部分はNPU非搭載です。
NPU非搭載PCはどうなる?
現在のCopilot+PCの要件は「NPUを必須」としていることから「Windows 12でもNPU必須化」が心配されています。しかし、海外リーク情報を総合すると、完全な必須要件とはならない可能性が高いと分析されています。
まず、完全なNPU必須化を避ける理由として、次のような現実があります。
- 2025年時点でNPU搭載PCの普及率が40%未満と予測される
- NPU搭載CPUの価格帯が依然として高止まりしている
- Windows 11のTPM 2.0必須化時の混乱を繰り返したくない
NPUを搭載したPCは高止まりしており、まだそれほど普及していない状況です。このような状況で「NPU必須」とすると、アップグレードできないPCが多数発生してしまうでしょう。Windows 11で「TPM2.0必須」にして大混乱を招いた状況に似てきます。本音としては「NPU必須にしたいけど、それは避けたい」といったところでしょうか。
そのため、Windows 12では、次のような柔軟なアプローチを検討している模様です。
- 機能限定対応:AIコパイロットやリアルタイム翻訳など特定の高度機能のみNPUを要求
- OS本体は従来通り:基本的なWindows 12の動作にはNPUを必須としない
- クラウド連動機能:NPU非搭載機種向けにクラウド処理による代替機能を提供
そのため、NPU非搭載機種では次のような制限が発生する可能性があります。
- AI機能の50-70%が利用不可
- 動的壁紙やAI最適化ウィジェットなどの新UI要素が無効化
- ローカルでの機械学習処理がクラウド依存に
現状のリーク情報を総合すると、「NPU必須=OSインストール不可」ではなく「NPU推奨=フル機能利用条件」という線引きが現実的でしょう。
MacやiPhoneで同社の生成AI「Apple Intelligence」を使うには、指定されたチップが必要で、非対応のモデルはAI機能だけが使えませんが、Windowsもそのようなイメージになると思います。
今のPCはWindows 12にアップグレードできるのか?
Windows 11を使っている人の場合、Windows 12へアップグレードできるのかどうかは気になるポイントです。
まず、次の条件を満たしていれば、Windows 12でも使用できる可能性があります。
- プロセッサー:Intel 12世代以降、またはAMD Ryzen 5000シリーズ以降
- RAM:16GB以上搭載
- ストレージ:512GB以上のNVMe SSD
- NPU:Intel Meteor LakeやAMD Ryzen AI搭載
つまり上記条件(NPU以外)を満たしていないPCでは、Windows 12への対応が困難と予想されます。条件を満たしていてもNPUを非搭載の場合は、最新のAI機能は使えないでしょう。
Windows 10ユーザーはどうする?
問題なのは、Windows 11への移行を迫られているWindows 10ユーザーです。今焦ってWindows 11へ移行すると、Windows 12でさらに移行が求められる可能性があります。だとしたら、どのように立ち振る舞えばいいでしょうか?
緊急性がない場合は「様子見」がよさそう
現在のPCがWindows 10で問題なく動作しており、すぐに買い替える必要がない方は、Windows 12の正式発表まで様子を見るのがよさそうです。その理由は次の通りです。
- Windows 12の正式仕様が明確になってから判断できる
- 対応ハードウェアの選択肢が増える
- Windows 12リリースされる頃にはNPU搭載PCの価格が下がっている可能性がある
なお、Windows 11へのアップデートに迷っている場合、次の条件に該当するPCを使っているなら、Windows 11にアップグレードしてから備えた方がいいでしょう。
- 現在のPCがWindows 11の要件を満たしている
- Windows 10のサポート終了までに新PCを購入する予定がない
- セキュリティリスクを避けたい
今すぐ買い替えが必要な場合の選択基準
どうしても今PCを購入する必要がある方は、次のスペックを最低ラインとして考えた方がいいでしょう。
- CPU:Intel Core i5-13世代以降、AMD Ryzen 7000シリーズ以降
- RAM:16GB以上(32GBあれば安心)
- ストレージ:512GB以上のNVMe SSD
- NPU:搭載モデルを優先(Intel Meteor Lake、AMD Ryzen AI)
まとめ:Windows 12時代に向けた準備を始めよう
Windows 12は単なるOSのアップデートではなく、AI技術との本格的な融合による「次世代PC」といったニュアンスの強いものになりそうです。特にNPU搭載やメモリ増量など、ハードウェア要件の大幅な引き上げが予想されるため、現在PC購入を検討している方は慎重な判断が必要ですね。
重要なポイントをもう一度まとめると、次のような感じになります。
- Windows 12のリリースは2026年以降が現実的
- AI機能統合により必要スペックが大幅アップする可能性
- メモリ8GB以上、NVMe SSD、新世代CPUが必須になると予想
- 緊急性がなければ正式発表まで様子見がベター
- 今購入する場合は将来を見越した高スペック機を選択
Windows 10のサポート終了という「締切」がある中で、最適な選択をするために、今回の情報を参考にしていただければと思います。