iPadを充電しているのに、「充電停止中」と表示されてしまい、バッテリーが一向に増えない…。そんなトラブルに遭遇したことはありませんか?
この現象は、主に「熱の問題」か「電力不足」のどちらかが原因です。そこで、まずは熱の問題がないかを確認し、それでも改善しない場合に電力まわりの対策を行う、という順番で対処法を解説します。
熱の問題:温度が高すぎても低すぎても止まる
まず、1つ目の原因ですが、iPad自体の熱問題です。iPadには、バッテリー保護のための温度制御機能が備わっています。充電中に本体が熱くなりすぎたり、逆に寒すぎたりすると、自動的に充電を停止する仕様になっています。
具体的には、iPadは0℃〜35℃の範囲で正常に動作するよう設計されており、高温環境(直射日光が当たる車内など)では、過熱を防ぐために充電が止まります。また、冬場の屋外や寒い部屋でも、温度が低すぎると同様に充電が停止することがあります。
これからの季節は、特に高温による充電停止の可能性が高いでしょう。この場合、iPad自体が熱く感じられると思います。このような場合は、次の対策を試してみてください。
- iPadを風通しの良い涼しい場所へ移動する。
- ケースを外して放熱を促す。
- 本体が熱を持っている場合は、一度使用をやめて冷めるのを待つ。
また、充電中にiPadを操作するのはNGです。特に動画編集や重たいゲームをプレイ中など、端末に負荷がかかる状況で充電すると、本体が発熱しやすく、「充電停止中」になることがあります。
充電しながらの使用は、バッテリーの劣化を早める原因にもなります。バッテリーの寿命を延ばすためにも、できるだけ使用を控えましょう。
電力不足:供給が足りていないと充電できない
熱に問題がなさそうなら、次に確認したいのが電力の供給状況です。iPadはスマートフォンよりも多くの電力を必要とするため、高い電力で充電されていない場合に「充電停止中」と表示されてしまいます。実体験からすると、こちらの原因がほとんどですね。
具体的には、次のような原因が考えられます。
出力の低いUSBポートやハブ、PC経由での充電
1つ目が接続しているポートの出力不足。iPadに接続している充電器やUSBポートの出力不足が原因で、「充電停止中」と表示されてしまっています。例えば、ノートPCのUSBポートに接続していたり、USBハブに接続していたりするケース。これは出力不足に陥りやすく、充電できないことが多くあります。
もし、PCやUSBハブから充電をしていた場合は、必ず壁のコンセントに直接アダプタを挿して充電するようにしましょう。
コネクタ部分の汚れや接触不良
iPadのコネクタ部分にゴミやホコリが溜ま理、これが原因になっていることもあります。ここにゴミやホコリが溜まっていないか確認しましょう。
掃除する場合は、糸くずの出ない布や柔らかい棒を使って、やさしく掃除しましょう。爪楊枝などを使ってゴミやホコリを掻き出すと内部の端子を傷つける恐れがあるので、できれば避けた方がいいでしょう。
また、ティッシュは破れやすく繊維くずが残る恐れがあり、液体クリーナーは内部に入り込んでショートや腐食を引き起こすリスクがあるため、使用は避けてください。
非純正または劣化したケーブル・アダプタの使用
最後に、使っているケーブルやアダプタが原因のケース。iPadの充電には高い電力が必要なため、Apple純正、または適切なケーブル・アダプタを使用する必要があります。特にアダプタについては、20W以上の出力があるものが必要です。
iPadに付属してきたケーブルとアダプタを使っていれば大丈夫ですが、充電には他社製のものを使っているケースも多いでしょう。このようなときは注意したいですね。
もし他社製のものを使っているなら、まずはiPadに付属してきたケーブルとアダプタで接続して充電を試してみましょう。これで充電できるなら、ケーブルまたはアダプタの原因が高まります。
これまで充電できたのに、突然できなくなったといった場合は、劣化も考えられます。見た目に問題がなくとも、内部が断線しているケースもありますので、別のケーブルやアダプタで試してみてください。これで充電できれば、ケーブルやアダプタが原因と問題を切り分けられます。
システムやハードウェアの問題
ここまで確認しても「充電停止中」と表示される場合は、システムの不具合が考えられます。ソフトウェアの問題で充電が止まることがあるので、¥iPadを一度再起動してください。また、iPadOSを最新バージョンにアップデートしてみましょう。
それでも改善しない場合は、バッテリーや基板の故障の可能性もあります。この場合は、速やかにAppleサポートや修理専門店に相談した方がよいでしょう。
おすすめの充電器・ケーブル
充電環境を整えるためには、信頼できる充電器やケーブルを選ぶことも重要です。Apple純正品を使うのが間違いありませんが、他社製品を選ぶ場合でも、次のポイントを押さえて選びましょう。
- MFi認証を取得しているか確認する
iPhoneやiPad向けにAppleが認定している「MFi認証」があれば、安心して使えます。 - 20W以上の出力に対応しているかチェックする
iPadは高出力を必要とするため、20W以上の急速充電に対応しているアダプタを選びましょう。 - USB-C to USB-Cケーブルなら規格も確認する
最新モデルではUSB-C対応が進んでいます。データ転送や充電性能を最大限活かすため、USB PD(Power Delivery)対応品を選ぶのがおすすめです。 - 安全性の高いメーカー製品を選ぶ
Anker、Belkin、UGREEN、Aukey、VOLTMEなど、実績のあるブランド製品を選ぶと安心です。安さだけで選ぶと、出力不足や過熱の原因になることは少なくありません。長く安心して使うためにも、信頼できる製品を選びましょう。
個人的にアダプタを選ぶときは、複数のデバイスを充電することを考えて60W以上の出力を持つ製品がおすすめです。ケーブルは柔らかいものを選ぶと、取り回しが良く、扱いやすくて便利です。
そのような観点から見ると、次の製品は比較的安心して使えるものばかりです。もしアダプタやケーブルを探している場合は参考にしてみてください。
なお、以前VOLTMEの高速充電器とケーブルを詳しくレビューしています。👇の記事を併せてご覧ください。
まとめ:多くは熱か電力不足が原因
「充電停止中」と表示される原因は、大きく分けて熱の問題と電力不足の2つです。まずはiPad本体が熱くなっていないか・寒すぎないかを確認し、それでも解決しない場合はケーブルや電源まわりを見直すのが基本的な流れです。
ほとんどのケースは、適切なアダプタ・ケーブルの使用やコネクタ掃除などのシンプルな対策で解決できます。それでも改善しない場合は、迷わずAppleなどに相談するのがおすすめです。