2025年3月19日、Google は待望の新型スマートフォン「Pixel 9a」を正式発表しました。Pixel シリーズの中でもコストパフォーマンスに優れた「aシリーズ」の最新モデルとして、手頃な価格ながら魅力的な機能を数多く搭載しています。新しいデザイン、AIを活用したカメラ機能、そして史上最大のバッテリー容量など、前モデルから大きく進化した点が多いのが特徴です。
この記事では、Pixel 9a の特徴やスペック、実際の使用感、そして競合製品との比較を通して、このミッドレンジスマートフォンが本当に「買い」なのかどうかを詳しく解説していきます。
Pixel 9aの概要とスペック
突然発表された Pixel 9a。すでに商品紹介のムービーも公開されています。
Pixel 9a は、フラッグシップモデルの Pixel 9 の技術を一部継承しつつ、価格を抑えたエントリーモデルとして位置づけられています。499ドル(約7万4000円)という手頃な価格設定ながら、最新のTensor G4 チップを搭載し、AI の恩恵を最大限に受けられる点が大きな魅力です。
今回発表されたのは、米国 / 英国 / オーストラリア / スペイン / ポーランドですが、日本でも発売は予定されているので、後日正式発表されると思われます。国内版のスペックはまだ正式発表されていませんが、海外モデルと極端に変わることはないと思いますので、この記事では海外の発表をベースに解説していきます。
主要スペック
今回発表された主なスペックは次のとおり。前モデルの「Pixel 8a」と比べると、ディスプレイは6.3インチ Actuaディスプレイ(有機EL)に変更され、一回り大きくなっています。プロセッサは、Pixel 9 と同じ Tensor G4 を搭載。メモリは 8GB で、ストレージは 128GB と 256GB の 2 モデルが用意されています。ただ、日本では、これまでの流れで 128GB モデルだけになる可能性もありそうです。
- ディスプレイ
6.3インチ Actuaディスプレイ(最大2,700ニット、120Hz適応型リフレッシュレート) - 画面解像度
1080×2424 - プロセッサ
Google Tensor G4 - メモリ・ストレージ
8GB RAM / 128GB または 256GB - メインカメラ
4,800万画素(OIS搭載)超広角カメラ1,300万画素(Macro Focus対応) - フロントカメラ
13MP - Wi-Fi
Wi-Fi 6E - バッテリー
5,100mAh(30時間以上の通常使用) - 充電
23W有線充電 / 7.5W無線充電 - 防水・防塵
IP68等級 - OS
Android 15(7年間のアップデート保証) - カラー
Obsidian(黒)、Porcelain(白)、Peony(ピンク)、Iris(紫) - サイズ・重量
73.3×154.7×8.9mm 185.9g - 価格
$499(約7万4000円)から
刷新されたデザイン
Pixel 9a では、これまでの Pixel シリーズの特徴的だった背面のカメラバーが姿を消し、よりミニマルでスリムなデザインに変更されています。カメラユニットはフラットに背面へ埋め込まれ、全体としてよりスタイリッシュでシンプルな印象です。
カラーバリエーションは、Iris(紫)、Peony(ピンク)、Porcelain(白)、Obsidian(黒)の 4 色が用意されています。特にシャクヤクを意味する Peony は Pixel 9 でも採用されたカラーなので、案外人気になるかもしれません。
フレームはアルミ製で、側面は直線的な形状。丸みを帯びつつエッジが効いているので、手に持ったときのフィット感は良さそうです。ただ、画像を見る限りベゼルがちょっと太そうなのは残念なポイントです。実機画像は👇のGIGAZINE の記事でリーク画像が紹介されています。

進化したディスプレイ
Pixel 9a は、前モデルの 6.1 インチから 6.3 インチへとサイズアップし、明るさや色彩表現が大幅に向上しています。また、最大 2,700 ニトという明るさは、A シリーズの中で最も明るく、屋外での視認性が大きく改善されています。
また、120Hz の適応型リフレッシュレートにより、スクロールやアニメーションがよりスムーズ。バッテリー消費を抑えるために、静止画表示時には自動的にリフレッシュレートを下げる仕組みも取り入れられているので、バッテリーの持ちにも期待です。
カメラは画素数が減少、実力は向上?
Pixel 9a のカメラは、メインカメラは前モデル(Pixel 8a)の 6,400 万画素から 4,800 万画素へとダウングレードされています。一見すると前モデルよりスペックダウンしているように見えますが、実際には AI 処理の強化により、画質の向上が期待できます。
特筆すべきは、A シリーズで初めて「Macro Focus」が搭載された点です。これにより、被写体に近づいて細部まで撮影することが可能になりました。また、光学式手ブレ補正(OIS)や「Night Sight」による夜景撮影の強化など、実用面での性能は確実に向上しています。
ただし、望遠カメラを搭載していないため、遠くの被写体を撮影する際にはデジタルズームになるので、画質はあまり期待できないかもしれません。また、夜間のビデオ撮影ではノイズが目立つ場合があります。
AI を活用した豊富なカメラ機能も魅力だが心配も
Pixel 9a では、AI 技術を活用した多彩なカメラ機能が利用できます。具体的には次のとおり。
- Add Me:グループ写真を撮影する際、撮影者も写真に加えることができる機能
- Best Take:複数の写真から最適な表情の組み合わせを作成する機能
- Magic Editor:被写体の移動や背景の変更など、高度な編集が可能
- Magic Eraser:不要な被写体を消去できる定番機能
- Night Sight:暗所での撮影性能を向上させる機能
- Astrophotography:星空や天体の撮影に特化したモード
個人的には AI が余計なことをしないことを祈るばかりです。例えば、読めない文字を AI が勝手に補完して、写っていないものを創造してしまうことがあります。これでは AI の生成画像のようなもので、写真としてはどうなの?と思ってしまうのです。
バッテリーと防水・防塵性能は優秀
Pixel 9a の最大の強みとも言えるのが、5,100mAh という大容量バッテリーを搭載していること。これは Pixel シリーズの中でも最大容量で、Google の公称では通常使用で 30 時間以上、「Extreme Battery Saver」モードでは最大 100 時間の使用が可能とされています。
この値が正しければ、1 日は余裕をバッテリーが持つので、充電の不安から解放されますね。充電性能は 23W の有線充電と 7.5W の無線充電に対応。しかし、競合他社の高速充電技術と比較するとやや見劣りします。日常的に急速充電が必要な人にとっては、この点はデメリットになるかもしれません。
防水・防塵性能は、Pixel 8a の IP67 から IP68 にアップグレード。これまでの A シリーズの中では最も耐久性が高く、液体こぼれ、落下、へこみにも耐えられます。
実用的な AI 機能も充実
Pixel 9a は、Tensor G4 チップの搭載により、実用的な AI 機能が利用できるのもポイントです。具体的には、以下のような AI 機能が利用可能です。
- リアルタイム翻訳
- 音声文字起こし
- Google レンズによる視覚的検索
- AI 搭載のカメラ機能
- スマートな通知管理
これらの機能は日常生活での利便性を大きく向上してくれると思います。個人的には音声文字起こしはかなり重宝しそうな気がします。
長期間のサポートは大きな安心感
Pixel 9a は、最新のAndroid 15を搭載。7 年間の OS アップデートとセキュリティアップデートが保証されている点は大きな強みです。これにより、2032 年まで最新の機能とセキュリティを享受できることになります。
コストパフォーマンスは抜群
Pixel 9a の価格は 499 ドル(約 7 万 4000 円)からとなっており、前モデルの Pixel 8a と同じ価格帯を維持しています。この価格設定は、アップルの iPhone 16e や Samsung の Galaxy S24 FE といった競合製品と比較しても手頃。コスパは高いと思います。
特に、7 年間のソフトウェアアップデート保証は、この価格帯では類を見ない大きなメリットです。長期間の使用を前提としたユーザーにとって、Pixel 9a は魅力的な選択肢ですね。
iPhone 16e とは比較できない
「iPhone 16e とどっちがいい?」という疑問はつきまとうものかと思います。しかし、正直これは比較できないと思うんですよね。iPhone はあくまでも「iPhone を使いたい人が使うスマホ」「アップル製品で固めている人が使うスマホ」なので、Android スマホはまったく別のジャンルだと思うのです。
どちらのスマホも主要なアプリはほぼ共通しているため、普段使いにおいてはどちらを選んでも大きな違いはありません。ですが、アップルのエコシステムを活用している人にとって、Android スマホはかなり利便性が落ちると感じるでしょう。逆に Google のエコシステムを活用している人は、iPhone はイマイチに感じると思います。
ただ、サブ端末として、別の OS のスマホを持つというのは十分ありだと思います。そういう点では、今回の Pixel 9a はかなり魅力的。個人的には素直に買いたいと思った 1 台です。
まとめ:Pixel 9aは「買い」か?
発表されたスペックやリーク情報を見る限り、Pixel 9a は、ミッドレンジスマートフォンとして非常にバランスの取れた製品に仕上がっているように見えます。特に以下の点がいいですね。
- 手頃な価格設定
- 大容量バッテリーによる長時間の使用
- AIを活用した多彩なカメラ機能
- 7年間のソフトウェアサポート
一方で、望遠カメラの非搭載や充電速度の遅さなど、いくつかの妥協点も存在します。しかし、これらの欠点を補う価格設定や長期的なサポートを考えれば、Pixel 9a は「買い」の一台と言えるような気がします。
特に、スマートフォンを長く使いたいユーザーや、コストパフォーマンスを重視するユーザー、Google のエコシステムを活用したいユーザーにとっては、非常に魅力的な選択肢となるはずです。
気になるのは、Pixel 9a の日本での発売日と価格。どちらもこれらは未発表です。米国 / 英国 / オーストラリア / スペイン / ポーランドでの発売は 4 月になるので、日本の発売も 4月以降なのは確実。それほど遅れることはないと思います。
価格は 128GB モデルで 499 ドル。為替レートが 150 円だったら、大体 7万5,000円ぐらいです。おそらくこの辺りに落ち着くのではないでしょうか。
とにかく急に発表された Pixel 9a。おおよそのリーク通りでしたが、綺麗にまとまったコスパの良い端末だと思います。日本での今後の発表に期待したいところです。
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