最近のスマホは誰もで手軽に高画質な写真が撮れますよね。AIの力も借りて、よりパワーアップしています。そんな時代ですが、あえてトイカメラを手にするのも楽しいもの。懐かしさを感じるエモい写真が撮れて、スマホの写真とは別の次元で楽しいのです。
トイカメラの特徴
トイカメラとは、主にプラスチック製のボディとレンズを持つ、どこか懐かしく、ユニークな仕上がりの写真が撮れるカメラのこと。昭和の頃のコンパクトフィルムカメラを思わせるノスタルジックな写真が手軽に撮れるので、密かに人気があるカメラです。
トイカメラで撮影された写真は、光漏れやレンズの歪み、色味に偏りなどがあるので、予測できない独特な雰囲気が生まれます。この偶然性が撮影を楽しくし、どこか懐かしい仕上がりの写真を生み出します。また、操作がシンプルで、初心者でも気軽に楽しめるのが特徴です。
トイカメラで撮れる写真の画質は、現代のスマートフォンやデジタルカメラと比べると非常に粗いです。しかし、それが味わいとなっています。例えば、1995年に発売された初期のデジタルカメラ、カシオのQV-10は25万画素でしたが、トイカメラの写真もそれに近い感じです。
最近、古いスマホで撮影した写真を好む人も増えてきていますが、トイカメラはそれよりもさらに粗い感じ。これがかえってアート的な価値を生んでいます。本当にエモい。
トイカメラの楽しみ方
トイカメラは「低画質のエモさ」と「不自由さ」を楽しむようなものです。画質の粗さは既に書きましたので、「不自由さ」について。これは昭和の頃のカメラを思わせる不便さのことです。
多くのトイカメラは、スマホやデジカメのようにその場で撮影したものを確認できません。ですので、「うまく撮れなかった」からといって撮り直しということはできません。1枚が一発勝負なのです。でも、昔のカメラはそれが当たり前だったんですよね。その感覚が蘇ります。
昔のフィルムカメラは写真を撮って、それを現像に出して、初めて写真を確認できる。その感覚に近いですね。トイカメラは家に帰って取り込むまでどのように写真が撮れたのかわかりません。この不自由さが、実際に写真を手にしたときの驚きや感動が大きくしてくれます。
さらに言うと、本当におもちゃみたいな作りなので、アングルすら確認できません。ですので、ほとんど「勘」のような感覚で写真を撮っていきます(使い慣れてくると感覚でわかってきますが)。このギャンブル性もトイカメラの唯一無二の魅力です。
自分が使っているトイカメラ
自分が使っているトイカメラは、カメラ機器で定評のある「ケンコー(Kenko)」というメーカーの デジタルトイカメラ Pieni IIです。
このトイカメラですが、本当にボディが小さい。iPhone 15 Proと比較するとこんな感じ。それに、プラスティックのおもちゃみたいで「これで写真が撮れるのか?」と疑問に思うほど。
しかし、次のようなスペックを備えており、しっかりと写真も動画も撮れてしまいます。
- 撮像素子:1/10型 131万画素CMOSセンサー
- レンズ:f=3.2mm F2.8
- 撮影距離:約0.3m
- 撮影サイズ:1280×1024(静止画)、480p30fps(動画)
- シャッタースピード:1/100秒(固定)
- ISO感度:100(固定)
- 外部メモリ: microSD/SDHCカード(~16GB)
- 保存ファイル形式:静止画:JPEG、動画:MJPEG(AVI)
ボタンもシャッターボタンとモード切替ボタンしかないので、操作性は非常にシンプル。誰でも使えると思います。このカメラはトイカメラとしてはほとんど文句はありませんが、一点だけ困るとしたらUSB端子がUSB mini Bなところ。
できれば、USB-Cがよかったですね。という声が多かったのか、USB-Cに変更されたモデルも発売されていました。撮影画素数など若干異なりますが、機能性はほとんど同じです。
実際に撮った写真
先日、ちょっと遠出する機会があったので、せっかくですからトイカメラで撮ってきました。すべて未加工の撮って出しです。
トイカメラは楽しい
トイカメラは、「より美しく」を求める今のカメラの対極にいる存在。予測不能な写真の仕上がりや撮影過程の楽しさは、小さな冒険心をくすぐってくれます。失敗を恐れず、むしろ予期しない結果を楽しむ気持ちでシャッターを切れば、写真を通して自分だけのストーリーを表現可能。これがトイカメラの醍醐味だと思います。
こんな感じで、写真を撮る人が好きな人なら、確実に楽しいと感じてもらえるんじゃないでしょうか。年末年始、帰省した際に実家や近くの風景をトイカメラで撮ると、懐かしさがこみ上げてきたり、新たな発見があったりするかもしれません。ぜひ、トイカメラを手に取って、新しい写真体験を楽しんでみてもらいたいですね。
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