iPhone 16eは本当に買いなのか?性能やコスパを本音レビュー【超主観的】

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iPhone 16e は、アップルが新たに投入した「廉価版」と位置づけられるモデルです。発売されてまもなく 2 週間経とうとしますが、その評価はイマイチなようです。実際、今までの iPhone 新モデルは納期まで 2〜3 週間程度かかることがほとんどでしたが、iPhone 16e は即納です。なんでこんなことになってしまった?という部分にフォーカスして、iPhone 16e の特徴や欠点を整理し、「本当に買いなのか?」という点を考えていきます。

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結論:iPhone 16e はコスパが良いとは言えない

結論から言うと、iPhone 16e は「お買い得」と言える iPhone ではないと思います。これから説明する通信面での制約、中途半端なスペック、iPhone 16 との小さな価格差を考えると、やはり総合的な満足度やコストパフォーマンスの面で魅力に欠けます。

約 2 万 5,000 円高くても iPhone 16 を選ぶか、あるいは前世代の iPhone 15 や 15 Pro を検討するほうが多くのユーザーにとって賢明な選択のように感じています。

以下、この結論に至った理由と具体的な問題点を詳しく解説します。

通信性能の制約

iPhone 16e の最大の特徴は、アップル初の自社開発モデム「Apple C1」を搭載している点です。モデムとは、簡単に言うと通信を制御しているパーツのことですね。このパーツが携帯通信網と接続し、電話をかけたり、モバイル通信をしたりしています。

これまでの iPhone は、「Qualcomm」という老舗メーカーのモデムを採用していました。しかし、コスト削減や省電力性能の向上を目指すため、自社モデムへ切り替えたんですね。確かに省電力性能は向上しているのですが、通信性能においてはいくつかの制約があり、特に日本国内での通信環境においてはちょっと問題になりそうなのが気になるところ。

具体的には、ドコモの Band 21(1.5GHz帯)や KDDI、ソフトバンクの Band 11 に非対応という点です。これらの周波数帯は、特に地方都市や建物内での通信品質を支える重要な役割を果たしており、非対応であることは一部地域での接続性や速度に影響を及ぼす可能性があります。

実際の通信速度にも影響が出ているようです。例えば、Band 21 が多く利用されるエリアでは、iPhone 16e は他の対応端末と比べて速度が出にくいケースが報告されています。ITmedia が実施した検証では、同じ場所で Galaxy Z Fold6 が 60Mbps を記録したのに対し、iPhone 16e は 23Mbps にとどまったというテスト結果も公表されています。

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ただ、このテストは非常に限られたところで行われたもので、すべての場所で同じ結果が出るわけではありません。そのため、基本的にどの記事を見ても「今のところは問題ない」といった結論ですが、鵜呑みにできないのが残念なところです。

そもそも、iPhone SE(第3世代)でもサポートしていた Band 21 や 11 が非対応になったのはやはりどうなのかな?と思うところです(モデムが変わったので仕方のない話ではありますが)。

中途半端に落とされたスペック

スペック面でも中途半端さが目立つと思います。iPhone 16e は、iPhone 16 と同じ A18 チップを搭載しているものの、GPU コアが 1 つ少ない 4 コア構成。これにより、iPhone 16 と比較するとグラフィック性能がやや劣ります。実際のベンチマークスコアでは、iPhone 16 と比較して約 10〜15% のグラフィック性能差が確認されています。

具体的な数値で見てみると、Geekbench のグラフィックスコアでは、iPhone 16 が 27,974 点を記録したのに対し、iPhone 16e は 24,183 点にとどまっています。3DMark Wild Life のような負荷の高いベンチマークでは、その差がさらに顕著になるようです。

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この性能差は一般的なSNSやWebブラウジングでは感じにくいものの、以下のような場面では体感できる可能性があります:

  • 3D ゲームの長時間プレイ時にフレームレートが低下しやすい
  • AR/VR アプリケーションの動作がやや重たく感じる
  • 4K 動画の編集や書き出し時間が長くなる
  • 将来の iOS アップデートで導入される高度な AI 処理が制限される可能性

また、メモリ容量は iPhone 16 と同じ 8GB を搭載していますが、内部ストレージの読み書き速度はわずかに低く設定されているという報告もあります。これにより、大量の写真や動画を扱う際や、大容量アプリのインストール時にiPhone 16 と比べて若干の遅延を感じる場合があるでしょう。

一方で、CPU 性能やメモリ容量は iPhone 16 とほぼ同等ですので、日常的な操作やアプリの利用で問題になることはないでしょう。

コストパフォーマンスは本当に良いのか?

価格面でも、iPhone 16e は「廉価版」と呼ぶには微妙な位置づけに感じます。日本国内での価格は 128GB モデルで 9万9,800円(税込)。iPhone 16 との価格差は約 2万5,000円にとどまります。この価格差であれば、より多機能でデザイン性も優れたiPhone 16 を選ぶ方が賢明に感じる人も多いと思います。

また、この差額に対して、多くの機能が省かれています。具体的にどのような機能がカットされているのか、一覧にしてみました。

  • 超広角カメラの非搭載
    iPhone 16e はメインカメラのみで、iPhone 16 に搭載されている超広角カメラがありません。風景写真や集合写真など広い視野が必要な場面では大きな制約になります。
  • Dynamic Island の削除
    ノッチ型ディスプレイを採用し、通知やアプリ状態の表示が直感的に行える Dynamic Island が使えません。
  • MagSafe 非対応
    磁石によるアクセサリー固定や 15W 高速ワイヤレス充電が使えず、充電は最大 7.5W に制限されます。
  • GPU コア削減
    前述の通り、A18 チップながら GPU コアが 5基から 4基に削減され、グラフィック性能が約 15% 低下しています。
  • アルミニウムフレーム
    iPhone 16 は高級感あるチタニウムを採用しているのに対し、iPhone 16e はより安価なアルミニウムフレームを採用しています。
  • Band 21/11 非対応
    前述の通り、一部の周波数帯に対応せず、エリアによっては通信速度や接続性に影響する可能性があります。
  • カメラコントロールの非搭載
    iPhone 16シリーズで追加されたカメラコントロールが非搭載です。そのため、カメラの操作性が落ちています。

これらの機能差を見ると、2万5,000円の価格差に対して、かなり多くの機能や性能が犠牲になっていることがわかります。

例えば、超広角カメラや Dynamic Island がオミットされているような点ですね。これらの機能は実際に使うとかなり便利に感じる部分なので、2万5,000円の価格差だと正直魅力に欠けます。この価格差で大幅な機能アップグレードが得られるなら、少し頑張って iPhone 16 を選んだ方が幸せのような気がします。

MagSafe非対応の影響

特に個人的に痛いと感じるのは MagSafe 非対応である点。MagSafe アクセサリは便利なものが多く、これが使えないのは非常に痛いです。

MagSafe非対応の具体的な影響は、次のように多岐にわたります。

  • 無線充電速度の低下
    MagSafe 対応 iPhone が最大 15W で充電できるのに対し、iPhone 16e は 7.5W に制限されるため、無線での充電時間がほぼ2倍かかります。
  • 位置合わせの手間
    通常の Qi 充電では充電パッドに正確に置く必要があり、充電できていなかったというトラブルが起きやすい。
  • アクセサリーの互換性
    アップル公式および他社製の多数の MagSafe アクセサリー(財布、カードホルダー、モバイルバッテリーなど)が使えなくなります。
  • 車載マウントの制限
    磁石固定式の車載ホルダーが使えず、クリップ式などの別タイプのホルダーが必要になります。
  • 三脚やスタンドの互換性
    撮影用の三脚やデスクスタンドなど、MagSafe 前提のアクセサリーが使えません。

市場には MagSafe 風の磁石内蔵ケースも登場していますが、これらは完全な代替にはなりません。いわゆる「MagSafe互換ケース」には以下のような制限があります:

  • 充電速度は依然として 7.5W に制限される
  • 純正 MagSafe 製品と比べて磁力が弱いケースが多く、重いアクセサリーを付けると落下リスクがある
  • ケースを介すことで磁力が弱まり、MagSafe アクセサリーの固定が不安定になりがち
  • アップル純正の MagSafe ウォレットなど、正確な位置合わせが必要なアクセサリーとの互換性が低い

MagSafe 対応アクセサリーが増えている現在、この制限は日常使いにおいて意外と不便さを感じるポイントになると思います。特に、すでに MagSafe アクセサリーを使用している人にとっては大きなデメリット。正直、私自身が『iPhone 16e は微妙だな』と最も強く感じたポイントかもしれません。

iPhone 16e の良い点

もちろん、iPhone 16e にも良い点は多くあります。

例えば、バッテリー持続時間は iPhone 16 よりも長く、日常的な利用では十分な電力を確保できます。また、重量が軽く、携帯性に優れている点は非常にいいですね。

デザイン面でのメリットも見逃せません。さすがは iPhone というべき洗練された質感や作りの良さは健在で、アルミニウムフレームの質感も決して安っぽくありません。特に、シングルカメラ構成のため背面カメラの出っ張りが少なく、テーブルに置いたときのガタつきが少ないのはメリットです。ケースなし(いわゆる裸族)で使いたい方にとっては、この点は意外と大きな利点ではないでしょうか。

ディスプレイの品質も基本的には良好で、日常的な動画視聴や SNS 利用には十分な性能を備えています。カメラ性能も一般的な撮影には問題ないレベルです。ただ、これらの利点が前述の欠点を補うほどの魅力があるかは疑問ですね。

まとめ:普段使いには問題なけど、性能とコスパを考えるとかなり微妙

総合的に見ると、iPhone 16e は「廉価版」としての位置づけが中途半端であり、特に通信性能や価格面での妥協が目立ちます。iPhone 16 との価格差がわずかであることを考慮すると、より多機能で完成度の高い iPhone 16 を選んだ方が満足度は高いと思います。

なぜこんな風になってしまったのか?個人的に思うのは、iPhone 16e とこれまでの iPhone SE の位置づけの違いにあると思っています。

これまでの iPhone SE は「iPhone シリーズ全体に対する廉価版」という明確な立ち位置があり、旧世代の筐体に新しいチップを搭載するという明確なコンセプトでした。一方、iPhone 16e は「iPhone 16の廉価版」という位置づけに変わっており、最新モデルに近い外観と性能を持ちながら、一部機能を削減して価格を抑えるというアプローチになっています。

このコンセプトの変更により、iPhone 16e は iPhone SE のような「コスパ重視の明確な選択肢」ではなく、「iPhone 16 との中途半端な差別化」という印象を与えてしまっています。価格差が 2万5,000円程度であることを考えると、この立ち位置の曖昧さが製品の魅力を減じている要因ではないでしょうか。

iPhone 16e は、最新の iPhone を少しでも安く手に入れたいというユーザーには選択肢となり得ますが、通信性能や機能性を重視するユーザーにはおすすめしにくい端末と言えます。長期的な使用を考えると、少し予算を上げてiPhone 16 を選ぶか、あるいは前世代の iPhone 15 や 15 Pro などを検討する方が賢明のような気がします。

結局のところ、「安いiPhone」としては中途半端で、「高性能iPhone」としては物足りない、そんな位置づけがiPhone 16e の最大の弱点のように感じます。

大手のテックサイトではポジティブな意見が多く、それはそれで参考なるものですが、本当にそうなのかと疑問に思うことも少なくありません。よって、少しネガティブ寄りな記事となりましたが、そのような事情なのでご容赦ください。この記事が皆さんの iPhone 選びの参考になれば幸いです。

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