2025年12月上旬から、iOS版YouTubeアプリで「ホーム画面や登録チャンネルが読み込めない」「ぐるぐる表示のまま止まってしまう」といった不具合が一部のユーザーで発生しています。
特に、iPhone SEやiPhone 7/8といった旧モデル、そしてiOS 15を使っている端末からの報告が目立っています。YouTube公式からは現時点で明確な障害告知が出ていないため、「自分だけの問題なのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この不具合の症状や影響を受けている端末の傾向、そしてユーザー側で試せる対処法について詳しく解説していきます。
どんな症状が出ているのか
まず、具体的にどのような症状が報告されているのか整理しておきましょう。
最も多く見られるのが、YouTubeアプリを開いた際に読み込みホイール（くるくる回る円形のアイコン）が短い角度だけ何度も回転し、コンテンツが一向に表示されないという症状です。ホーム画面だけでなく、登録チャンネルのページや検索結果でも同様の現象が起きているケースがあります。
また、ブラウザから動画リンクを開いた場合の挙動です。このケースではYouTubeアプリで動画の再生自体はできるものの、コメント欄やおすすめ動画の欄が読み込まれないという報告が寄せられています。つまり、完全にアプリが使えないわけではなく、特定の機能だけが動作しない状態になっているようです。
具体的な報告例としては、次のような状況が挙げられます。
- iPhone 7 PlusでiOS 15.8.5を使用しているユーザーが、ホーム画面のコンテンツが全く読み込まれない
- iPhone SE（第2世代）でアプリを開くと、登録チャンネルのサムネイルが表示されない
- 検索して動画を探そうとしても、検索結果が永遠に読み込み中のまま
- 通知から動画を開くと再生はできるが、関連動画が一切表示されない
こうした症状を見ると、アプリの特定の機能、特に「コンテンツのリスト表示」に関わる部分で問題が発生している可能性が高そうです。
影響が出ている端末・環境の傾向
次に、どのような端末や環境で不具合が報告されているのか見ていきましょう。
報告が多く集まっているのは、Dynamic Island（画面上部の動的な表示領域）を搭載していない旧モデルです。具体的には次のような機種で症状が確認されています。
- iPhone SE（第2世代・第3世代）
- iPhone 7 / 7 Plus
- iPhone 8 / 8 Plus
- 一部のiPhone X
また、OSバージョンについてはiOS 15系のユーザーからの報告が特に目立っています。Redditでは「iOS 15.8.5のiPhone 7 Plusでコンテンツが読み込まれない」という具体的な報告も上がっており、旧バージョンのiOSとの関連性が疑われます。
ただし、必ずしも旧端末だけの問題とは言い切れないという点は注意が必要です。比較的新しい端末でも散発的に報告が見られることから、「特定バージョンのYouTubeアプリと、ある環境の組み合わせで発生している」可能性が考えられます。
つまり、古い機種を使っているからといって必ず不具合が起きるわけではなく、逆に新しい機種でも条件次第では影響を受ける可能性がありそうです。
現時点で分かっている原因候補
では、なぜこのような不具合が発生しているのでしょうか。現時点での情報を整理してみます。
公式情報について
現時点では、YouTubeの公式ヘルプやサポートページでこの症状に関する明示的な障害告知は確認できていません。そのため、少なくとも「大規模障害」として公式に扱われている状況ではないと考えられます。
一方、Appleサポートコミュニティなどでは、「YouTube側のサービス仕様変更により、旧バージョンのアプリがうまく動作しなくなっているのではないか」という指摘が見られます。ただし、これはあくまでユーザー間の推測であり、公式な見解ではない点に注意が必要です。
考えられる技術的要因
技術的な観点から考えられる原因としては、いくつかの可能性があります。
最も有力視されているのが、YouTubeアプリの最新バージョン要件の引き上げと、旧端末・旧iOSでの互換性問題です。App Storeでは、対応していないiOSバージョンの端末に対して自動的に「古い互換版」のアプリを配信する仕組みがあります。しかし、この互換版のアプリにバグが含まれている可能性や、YouTube側のサーバー変更に対応しきれていない可能性が考えられます。
実際、Appleサポートコミュニティなどでは「iPhone 7 Plus向けにiOS 15対応版のYouTubeアプリが提供されなくなった」といった報告も出ており、旧端末環境ではアプリ自体の継続利用が難しくなりつつある状況も指摘されています。
また、アカウント設定や地域設定、YouTube側のバックエンドシステムの変更による一時的な不整合が関与している可能性も指摘されています。実際、「ログアウト状態では正常に動作する」という報告があることから、アカウント単位で何らかの問題が発生しているケースもありそうです。
ただし、これらはあくまで推測の域を出ないため、公式からの正式な発表を待つ必要がありますね。
ユーザー側で試せる対処法
それでは、実際にこの不具合に遭遇した場合、どのような対処法を試せばよいのでしょうか。効果が期待できる方法を順に紹介していきます。
基本的な対処法
まずは、一般的なトラブルシューティングとして次の方法を試してみましょう。
YouTubeアプリのアップデート確認
App Storeを開いて、YouTubeアプリに更新版が配信されていないか確認してください。更新がある場合は、最新版にアップデートすることで問題が解決する可能性があります。
アップデート手順は次の通りです。
- App Storeアプリを開く
- 右上のアカウントアイコンをタップ
- 「利用可能なアップデート」セクションでYouTubeを探す
- 「アップデート」ボタンをタップ
アプリの再インストール
アップデートしても改善しない場合は、一度アプリを削除して再インストールしてみましょう。
- YouTubeアプリのアイコンを長押し
- 「Appを削除」→「削除」をタップ
- App Storeから再度YouTubeをインストール
再インストール後は、Googleアカウントでログインし直す必要があります。なお、登録チャンネルや再生履歴などはGoogleアカウントに紐付いているため、ログインすれば元通り利用できます。
iPhoneの再起動
アプリ側の問題ではなく、iOS側で一時的な不具合が発生している可能性もあります。その場合は、iPhoneを一度再起動することで改善することがあります。
より効果的な対処法
基本的な方法で解決しない場合は、次の手順を試してみてください。
ログアウト状態での使用を試す
複数の報告で「ログアウト状態では読み込める」というケースが確認されています。これを試すには次の手順で操作します。
- YouTubeアプリを開く
- 右上のアカウントアイコンをタップ
- 「アカウントを切り替える」を選択
- 「ログアウト」を選んでログアウト状態にする
- この状態でコンテンツが読み込めるか確認
もしログアウト状態で正常に動作するなら、アカウント関連の設定に問題がある可能性が高いです。この場合、しばらくログアウト状態で使用するか、別のGoogleアカウントでログインしてみるのも一つの方法でしょう。
旧端末・iOS 15環境での特殊な対処法
iPhone 7やiPhone SE（第1世代）など、iOS 15を使用している環境では、次の方法が効果的だったという報告があります。
- YouTubeアプリを完全にアンインストール
- App Storeで再度YouTubeを検索
- インストールしようとすると「この互換性のあるバージョンをダウンロードしますか？」というメッセージが表示される
- 「ダウンロード」を選択して古いバージョンをインストール
この方法で一時的に正常に動作するようになったという報告がありますが、再び症状が現れる可能性もあるため、根本的な解決にはならないかもしれません。
それでもダメな場合の代替手段
上記の方法を試してもなお改善しない場合は、問題が解消されるまでの間、ブラウザ版YouTubeを利用するのが現実的な選択肢になります。
SafariやChromeなどのブラウザから「youtube.com」にアクセスすれば、アプリと同様に動画を視聴できます。ブラウザ版でも基本的な機能は利用できるため、緊急時の代替手段として覚えておくと便利ですよ。
ブラウザでの視聴手順は次の通りです。
- SafariやChromeを開く
- アドレスバーに「youtube.com」と入力
- YouTubeのWebサイトが開くので、動画を検索・視聴
アプリに比べると若干操作性は落ちるかもしれませんが、動画を見ることは問題ありません。
いつまで続きそうか・今後の見通し
「この不具合はいつまで続くのか」というのは、誰もが気になるところ。過去の事例と現状から、今後の見通しを推測します。
過去の類似事例から推測する
実は、YouTubeアプリでは過去にも似たような不具合が発生しています。2025年4月には、iOS版YouTubeとYouTube Musicで起動時にクラッシュする不具合が世界規模で発生しました。
この時は、YouTube側が問題を認識してから数日以内に修正版がリリースされ、ユーザーには「アプリの再インストール」が推奨されました。最終的には1〜2週間程度で大部分のユーザーの環境で症状が収束したようです。
今回の不具合の位置づけ
ただし、今回の不具合は過去のケースとは少し状況が異なります。
前回の起動不具合は世界中で一斉に発生した「広域の大障害」だったのに対し、今回は主に旧端末・旧OSを中心とした一部ユーザーに限定された不具合という位置づけになっています。そのため、YouTube側が「緊急性の高い問題」として認識していない可能性もあるんですね。
公式な障害アナウンスが出ていない現状では、ユーザー側でできることは限られています。上記で紹介した対処法を試しつつ、アプリのアップデートによる改善や、時間経過による自然な解消を待つというスタンスが現実的でしょう。
もし将来的にiOSのアップデートが可能な端末をお使いなら、iOS 16以降にアップデートすることで、こうした互換性問題を根本的に回避できる可能性が高いです。
まとめ：今できることと注意点
2025年12月上旬から、iOS版YouTubeアプリでホームや登録チャンネルが読み込めない不具合が発生しています。特にiPhone SEやiPhone 7/8といった旧モデル、iOS 15系のユーザーからの報告が目立っていますが、現時点でYouTube公式からの障害告知は出ていません。
まず試すべき対処法としては、アプリのアップデート確認、再インストール、ログアウト状態での使用テストが効果的です。これらを試してもダメな場合は、問題が解消されるまでSafariなどのブラウザ版YouTubeで視聴するのが現実的な選択肢になります。
なお、この記事の情報は2025年12月時点のものであり、今後のアップデートで状況が変わる可能性があります。YouTube公式のヘルプページやコミュニティフォーラム、信頼できる技術ニュースサイトでも最新情報をチェックするのがおすすめです。
