2025年8月20日(現地時間)のGoogleイベント「Made by Google」で正式発表される(と思われる)Pixel 10シリーズ。発表を目前に控え、海外メディアから続々とリーク情報が飛び出しています。
そこで、Pixel 10/10 Proの価格情報からスペック、気になる新機能まで、買い替えを検討中の方に役立つ情報を、最新リークからわかりやすくまとめました。
※なお、この記事の予想は現在リーク段階の情報に基づいており、正式発表時には仕様が変更される可能性があります。
発表・発売日は?実質的にはすぐ手に入る
まず気になるのが「いつから買えるの?」という点ですが、発表から発売までのスケジュール感は次のようになりそうです。
発表日:2025年8月20日(米国時間)「Made by Google」イベント
発売日:2025年8月28日より順次開始(日本も同時期予定)
このように、発表から発売まで1週間程度と、かなりスピーディーな展開になりそうですね。過去のPixelシリーズと比較しても、発表から発売までの期間が短いのが特徴的。これまで「欲しいけど待つのがもどかしい…」と感じていた方には朗報です。
なお、この記事では紹介していませんが、折りたたみ式のPixel 10 Pro Foldについては10月9日発売予定と、少し遅れる見込みです。
価格情報:前世代から据え置きの可能性が濃厚
続いて気になる価格ですが、海外の複数メディアから「前世代Pixel 9シリーズから据え置き」という予想が出ています。その予想を元にすると、日本での予想価格は次のようになりそうです。
モデル | 容量 | 予想価格 |
---|---|---|
Pixel 10 | 128GB | 128,900円前後 |
Pixel 10 Pro | 128GB | 159,900円前後 |
Pixel 10 Pro XL | 256GB以上 | 192,900円〜 |
為替の大きな変動がなければ、この価格帯で落ち着く可能性が高そうです。スマホの価格が年々上昇している中で、据え置きというのは嬉しい判断だと思います。
特典についても、Google AI Pro 6ヶ月〜1年、Fitbit Premium 6ヶ月、YouTube Premium 3ヶ月などが継続される見込みとなっています。
Tensor G5:ついにSamsung製造から脱却
Pixel 10シリーズ最大の注目点といえば、新開発の「Tensor G5」プロセッサです。Tensor G5の主な特徴は次のとおり。
製造プロセス:Samsung → TSMCへ移行(3nmプロセス)
CPU・GPU性能:最大36%向上
GPUアーキテクチャ:IMG DXT-48(PowerVR)を新採用
これまでPixelシリーズの弱点として挙げられていた「発熱問題」や「バッテリー持ちの悪さ」が、TSMC製造への移行で大幅に改善されると期待されています。
ベンチマークスコアは、Geekbenchでシングル2,276、マルチ6,173という数値がリークされており、前世代から確実にパワーアップしていることがわかります。前世代のTensor G4(Pixel 9シリーズ)のスコアがシングル1,897〜1,918、マルチ3,721〜4,319程度だったことを考えると、Tensor G5では約19〜20%のシングル性能向上、43〜66%のマルチ性能向上を実現していることになりますね。
特にマルチコア性能の大幅向上が目立ちますが、これはTSMCの3nmプロセス採用による恩恵が大きいと考えられます。発熱問題で悩まされていたTensor G4と比べて、より安定したパフォーマンスを発揮してくれそうです。
※「最大36%向上」という数値は、CPU・GPU・AI処理・電力効率を総合した最大値であり、純粋なベンチマークスコアでは上記のような向上幅となる見込みです。
ただし、Snapdragon 8 EliteやDimensity 9400といった他社のフラグシップSoCには、まだ一歩及ばない状況。とはいえ、AIアクセラレーションや画像処理の分野では、Googleならではの強みを活かした性能を発揮してくれるはずです。
カメラ機能:ついにベースモデルも3眼カメラに!
Pixel 10シリーズでは、カメラ構成に大幅な変更がありそうです。これまでPixelシリーズでは「ベースモデルは2眼、Proモデルは3眼」という棲み分けが続いていましたが、Pixel 10でついにその壁が取り払われました。
Pixel 10(標準モデル)の大幅進化
今回最も注目したいのは、標準モデルのカメラ構成が根本的に変わることです。これまで望遠レンズはProモデルのみに搭載されていましたが、今回からは標準モデルにも望遠レンズが搭載される見込みです。具体的な構成は次のとおり。
- 48MPメイン + 12MP超広角 + 10.8MP望遠の3眼構成
- ベースモデル史上初の望遠レンズ搭載
- 光学ズーム倍率:3倍程度(予想)
デジタルズームと光学ズームの違いは画質の劣化具合です。デジタルズームは画像を拡大しているだけなので画質が粗くなりますが、光学ズームなら望遠レンズ本来の画質で撮影できます。
これまで「望遠が欲しければProモデルを買うしかない」という状況でしたが、ついに標準モデルでも光学ズームが楽しめるようになります。子どもの運動会や旅行先での撮影など、日常的に「もう少し寄りたい」と感じるシーンで威力を発揮してくれそうです。
Pixel 10 Pro/Pro XLは従来路線を継続
一方、Proモデルについては大きな変更はなく、現在のPixel 9 Proで好評なカメラシステムをベースとした堅実な進化となりそうです。
- 50MPメイン + 48MP超広角 + 48MP望遠
- Pixel 9 Pro同等のハイエンドカメラハードウェア
- より大型のイメージセンサーで高画質を実現
Proモデルについては、基本的にPixel 9 Proの良好なカメラシステムを踏襲する形になりそうです。メインカメラの50MPセンサーは大型で、特に夜景撮影や細部の描写において標準モデルを大きく上回る性能を発揮するはずです。
気になるポイント:コストダウンの影響は?
ただし注意したい点もあります。標準モデルに望遠レンズを追加しながら価格を据え置くということは、どこかでコストを削減する必要があります。海外リークによると、標準モデルのイメージセンサーサイズが若干小型化される可能性が指摘されています。
具体的には次のような影響が予想されます。
- 夜景撮影:光を取り込む量が減るため、暗所での画質がProモデルより劣る可能性
- ボケ効果:センサーが小さいと自然なボケを作るのが難しくなる
- 細部の描写力:解像感や質感の表現でProとの差が出るかも
とはいえ、ハードウェアが劣化しても、ソフトウェアの力でどうにかしていくのがGoogleの強み。画像処理技術は非常に優秀なので、ハードウェアの差をソフトウェアでどこまでカバーできるかに注目ですね。
新AI機能でカメラ体験が進化
ハードウェア面だけでなく、ソフトウェア面でも大きな進化が期待されています。詳しいAI機能については後述しますが、Gemini世代の画像処理技術により、撮影から編集まで一貫してAIがサポートしてくれるようになります。特に「会話型写真編集」では、撮影後に自然な言葉で画像を修正できるため、編集スキルがない方でも思い描いた仕上がりを実現できそうですね。
これらの機能を活用すれば、カメラ初心者の方でも、プロのような構図や設定で撮影できるようになりそうです。また、「ライブ写真編集」機能では、撮影と同時に画像補正が行われるため、シャッターを切った瞬間からSNS映えする写真が完成する可能性もあります。
AI機能が大幅強化:Gemini搭載で何が変わる?
Pixel 10シリーズでは、単にGeminiが使えるだけでなく、スマートフォン体験全体がAIによって根本的に変わります。これまでのPixelでも優秀なAI機能がありましたが、今度はさらに踏み込んで、カメラから日常タスクまで一貫してAIがサポートしてくれるようになります。
カメラ特化のAI機能:撮影から編集まで完全サポート
まず注目したいのが、Pixel 10シリーズでのみ利用可能(少なくとも発売当初は)とされる革新的なカメラ機能です。
カメラコーチ(Camera Coach)
リアルタイムでシーンを分析し、より良い写真を撮るためのアドバイスを提供してくれる機能です。具体的には次のような提案をしてくれます。
- 構図の改善提案:「少し角度を変えてみてください」
- ライティングの調整:「こちらに移動すると光がもっと良くなります」
- 被写体との距離:「もう少し近づいてみましょう」
- 撮影モードの最適化:「この場面では夜景モードがおすすめです」
従来の自動モード切り替えとは異なり、AIが能動的にアドバイスしてくれるので、カメラ初心者の方でも自然とスキルアップしていけるのが魅力ですね。シーンを読み取ってから提案までは「ほぼ瞬時」に行われるとされており、撮影の流れを妨げることなく使えそうです。
会話型写真編集(Conversational Photo Editing)
自然な言葉で写真編集ができる画期的な機能です。これまでの画像編集は複雑な操作が必要でしたが、今度は次のような指示が可能になります。
- 「背景をもっと明るくして」
- 「この人を消して」
- 「背景を海に変えて」
- 「全体的にもう少し暖かい色調にして」
音声でもテキストでも指示できるため、編集スキルがない方でも思い描いた仕上がりを実現できるようになります。Instagram用の加工や、家族写真の簡単な修正など、日常的な編集作業が格段に楽になりそうです。
AI機能の実用性は?
これまでのPixelシリーズでも「マジック消しゴム」や「ベストテイク」など、AIを活用した便利な機能がありました。今回の新機能は、それらをさらに発展させ、撮影技術の向上そのものをサポートしてくれる点が画期的です。
特にカメラコーチは、単に自動で処理するのではなく「なぜこの設定が良いのか」を教えてくれるため、長期的にはユーザーの撮影スキル向上にもつながりそうです。
システム全体のAI統合:日常タスクが劇的に便利に
カメラ機能以外でも、Pixel 10ではさまざまなアプリでGeminiが深く統合されることが期待されています。
アプリ間連携の強化
Gemini拡張機能により、Keep、Tasks、Utilities、YouTube Musicなど様々なアプリとシームレスに連携できるようになります。例えば、次のような使い方が考えられます。
- 「Gmailの田中さんからのレシピを見て、材料をKeepのショッピングリストに追加して」
- 「90年代の懐かしい曲でプレイリストを作って」
- 「明日の会議資料をGoogleドライブから探して要約して」
これまでのように複数のアプリを行き来する必要がなく、自然な会話だけでタスクを完了できるのはすごいと思う点です。
Gemini Live:より自然な会話体験
Gemini Liveでは、途中で話題を変えても、文章を途中で変更しても、AIが自然についてきてくれるようになります。10種類の新しい音声から好みのトーンを選択できるので、より親しみやすい体験が期待できます。
ユニークな新機能「Storybook」
Pixel 10向けの新機能として「Storybook」が追加され、簡単なプロンプトから10ページのイラスト付きストーリーをAI音声ナレーション付きで生成できるようになります。お子さんの寝かしつけや教育用コンテンツの作成に重宝しそうです。
なぜPixel 10だけ?技術的な背景
これらの高度なAI機能がPixel 10独占である理由は、Tensor G5の処理能力向上により実現できるようになったことが大きな要因です。特に、次のような点が考えられます。
- リアルタイムでのシーン解析と提案生成
- より高度なオンデバイスAI処理
- 複数アプリ間での情報統合処理
これらはすべて大きな処理能力を必要とするため、従来のTensor G4では難しかった機能なのです。
既存Pixelユーザーへの展開予定
とはいえ、これらの機能は発売当初はPixel 10シリーズ独占ですが、将来的には「Pixel Feature Drop」を通じて過去のPixelデバイス(おそらくPixel 9から)にも段階的に提供される可能性があります。ただし、リアルタイム処理が必要な機能は、ハードウェアの制約で完全には移植できない場合もありそうです。
デザイン・仕上げ:フラットデザイン採用でモダンな印象
デザイン面では、両モデルともフラットディスプレイ&フラットフレームを採用。iPhone的なモダンでシンプルな仕上がりになりそうです。
本体サイズ・重量の変化
気になる本体サイズですが、Pixel 10シリーズは前世代から厚みと重量が増加しています。これは後述するバッテリー容量増加とQi2対応のための設計変更が主な要因です。
モデル | サイズ(縦×横×厚み) | 重量 | 前世代比 |
---|---|---|---|
Pixel 10 | 152.8×72.0×8.6mm | 204g | +6g |
Pixel 10 Pro | 152.8×72.0×8.6mm | 207g | +8g |
Pixel 10 Pro XL | 162.8×76.6×8.5mm | 232g | +11g |
- 縦横のサイズは前世代と同じ:ただし、カメラ部分の大型化により既存ケースとの互換性は期待できない
- 厚みは0.1mm増加(Pro XLは変わらず):体感ではほぼわからないレベル
- 重量は6〜11g増加:特にPro XL(232g)はかなりヘビー級に
Pro XLの232gという重量は、iPhone 15 Pro Max(221g)やGalaxy S24 Ultra(232g)と同レベル。日常使いでは手の疲労感が気になる方もいるかもしれません。
今回、サイズと重量が増加しているのは、次のような2つの理由があります。
1. バッテリー容量の大幅増加
まず、バッテリー容量の増加が挙げられます。旧モデルと比較して、次のように増加しています。
- Pixel 10:4,700mAh → 4,970mAh(+270mAh)
- Pro XL:5,060mAh → 5,200mAh(+140mAh)
バッテリー密度向上だけでなく、物理的なバッテリーサイズも僅かに大型化している可能性があり、それが原因でサイズと重量が増加していると思われます。
2. Qi2磁気機能のための内蔵マグネット
Qi2の正式対応には、本体内部にマグネットリングを内蔵する必要があります。これが原因であることも考えられます。
正直、薄型化・軽量化が進む他社製品と比べると残念に感じる部分もありますが、この2つの理由なら納得できますね。バッテリー持ちの改善は多くのPixelユーザーが待ち望んでいた改善点ですし、Qi2対応により将来的なアクセサリー展開も期待できます。「機能向上のための必要な重量増加」と考えれば、むしろ歓迎すべき変化かもしれません。
カラーバリエーション
現在予想されているからバリエーションは次のとおり。今年のメインカラーは青系になりそうな予感です。特にIndigoカラーは、従来のPixelにはない新鮮な印象ですね。
Pixel 10

- Obsidian(黒)
- Indigo(青)
- Frost(薄紫/白系)
- Limoncello(黄)
Pixel 10 Pro/Pro XL

引用:techrador
- Obsidian(黒)
- Porcelain(白)
- Jade(グリーン)
- Moonstone(ベージュ系)
バッテリー・充電性能:Qi2対応で利便性向上
Pixel 10シリーズでは、バッテリー周りの大幅な改善が期待できます。特にTensor G5のTSMC製造による電力効率向上と、新しい充電技術の採用により、従来の課題を大きく改善してくれそうです。
バッテリー容量と持続時間の改善
Pixel 10シリーズのバッテリー容量は、次のようになると予想されています。
- Pixel 10:4,870mAh(27W高速充電)
- Pixel 10 Pro:4,870mAh(39W高速充電)
- Pixel 10 Pro XL:5,200mAh(39W高速充電)
容量だけを見ると前世代から大きな変化はありませんが、Tensor G5の省電力性により改善されそうです。TSMCの3nmプロセスにより、従来のSamsung製4nmプロセスと比較して約30%の電力効率向上が期待されています。
期待される実際の使用時間
- 通常使用:1日以上の連続使用(24時間超)
- 省電力モード:最大100時間の使用(Pro XL)
- 動画再生:連続15時間以上(予想)
これまでPixelシリーズには、「夕方にはバッテリーが心配になる」という課題がありました。実際、過去のPixel 6/7世代では86%未満のユーザーしか1日を通してバッテリーが持たなかったという声が多かったようですが、Tensor G5でこの問題が解決される可能性は非常に高いです。
Googleの内部資料によると、ユーザーは「36時間のバッテリー持続時間」を期待しているとされ、その実現に向けた本格的な取り組みがされているようです(あくまで目標であって、実際に36時間はまだ無理だと思いますが)。
発熱問題の根本的解決
従来のTensor G4では、使用中に本体が熱くなってしまい、それがバッテリー消費を加速させるという悪循環がありました。Tensor G5では、この発熱問題が製造プロセスレベルで解決されます。
改善されるポイントは次のとおり。
- カメラアプリの長時間使用時の発熱抑制
- ゲームプレイ時の安定した性能維持
- 充電時の発熱によるスロットリング軽減
TSMCの3nmプロセス採用により、同じ性能でもより少ない電力で動作し、結果として発熱も大幅に抑制されることが期待されています。これまで「Pixelは熱くなりやすい」と感じていた方には、特に体感できる改善になりそうです。
Qi2磁気ワイヤレス充電:MagSafeライクな体験がPixelでも
Pixel 10シリーズは、Qi2磁気ワイヤレス充電への対応すると予想されています。これは、iPhoneのMagSafeと同様の磁気による位置合わせ機能を持つ新しいワイヤレス充電規格です。
Qi2とは何か?
Qi2は、AppleがMagSafe技術の一部をワイヤレス・パワー・コンソーシアム(WPC)に提供して開発された次世代ワイヤレス充電規格です。従来のQi充電と比較して次のような特徴があります。
- 磁気による自動位置合わせ:充電パッドの上に置くだけで最適な位置に自動調整
- 15W高速充電対応:従来のQi(7.5W)より2倍高速
- 安定した充電効率:位置ズレによる充電効率低下を防止
- 発熱抑制:最適な位置合わせによりエネルギーロスを最小化
Pixel 10でのQi2活用シーン
Qi2が採用されれば、次のような活用が可能になりそうです。
デスク作業中
MacやWindowsパソコンでの作業中に、デスク上の充電スタンドに置くだけで確実に充電開始。位置ズレを気にする必要がありません。
車内での使用
カーマウント型のQi2充電器なら、片手でPixelを近づけるだけで磁力により正確に位置決めされ、運転中でも安全に充電できます。
就寝時
ベッドサイドの充電スタンドに置くだけで、暗闇でも確実に充電開始。朝起きたときに「充電されてない!」という失敗がなくなります。
アクセサリー展開への期待
Qi2対応により、将来的にはPixel向けの磁気アクセサリーが充実する可能性もあります。まさにiPhoneのMagSafeのような展開が可能になりそうだということですね。
- 磁気カーマウント:車載での安定した固定と充電を両立
- 磁気モバイルバッテリー:背面に磁力で固定できるスリムなバッテリー
- 磁気ウォレット:カードや現金を収納できる磁気式財布
互換性について
Qi2は完全な下位互換性を持っており、従来のQi対応Androidスマホやデバイスも充電可能です。また、逆にPixel 10も従来のQi充電器で充電できるため、既存の充電環境を無駄にすることなく新機能を活用できます。
ただし、磁気機能を活用するためにはQi2対応の充電器が必要になります。発売時期に合わせて、AnkerやBelkinなどの充電器メーカーからPixel 10対応製品が続々と登場すると見られています。
なお、アクセサリーメーカーからの正式発表は、Pixel 10の公式発表に合わせて行われる見込みです。発売直後の対応製品ラインナップについては、各メーカーの公式発表をご確認ください。
気になる点・購入前に確認したいポイント
かなりいい仕上がりに見えるPixel 10シリーズですが、いくつか気になる点もあります。これらの課題は実機での検証が必要な部分でもあるので、購入を検討される際の参考にしてください。
バッテリー関連の品質問題
最近のPixelシリーズでは、バッテリー関連の問題が相次いで発生しており、これは購入前に十分検討すべき重要な懸念事項だと思っています。最近発生した主な問題は次のとおりです。
- Pixel 4a:ソフトウェアアップデート後にバッテリー性能が急激に劣化、過熱による安全上の問題
- Pixel 6a:特定の個体でバッテリー過熱リスクがあり、強制的なソフトウェア制限により充電性能を意図的に低下
- Pixel 7a:予期しないバッテリー膨張問題が発生、本体の変形や背面カバーの膨らみが報告
これらは「A」シリーズ(廉価版)に集中していますが、フラグシップモデルでも月次アップデート後のバッテリー異常消費が頻繁に報告されています。業界関係者からは「3つのPixelモデルで同様の問題が数ヶ月内に発生するのはパターンであり、偶然ではない」との指摘もあります。
Pixel 10シリーズではTensor G5の省電力化により改善が期待されますが、Googleのバッテリー品質管理体制については慎重に見極める必要がありそうです。
モデム関連の安定性
Pixel 10でもExynos製モデムの継続採用が予想されており、通信品質については次のような懸念があります。
- 通信の安定性:特に5G接続時の電波掴みの悪さや、通信が途切れやすい
- バッテリー消費:モデムの電力効率が悪く、通信時のバッテリー消費が大きい
- 発熱問題:長時間の通信でモデム周辺が発熱し、全体のパフォーマンスに影響
過去のPixelユーザーからは「同じ場所でiPhoneやGalaxyは問題ないのに、Pixelだけ電波が弱い」という声もありました。特にメインスマホにする予定の人で、地方や建物内での使用が多いと思われる方は、実際の通信品質の口コミなどを確認してから購入を検討するのがいいと思います。
ソフトウェアの熟成度
Pixel 10では多くの新機能が搭載予定ですが、Googleの過去のパターンを見ると、発売初期の完成度には注意が必要です。
- AI機能の不安定性:カメラコーチや会話型編集などの新機能が、すべての場面で期待通りに動作しない可能性
- アプリクラッシュ:新しいGemini統合機能使用時の予期しない動作停止
- パフォーマンスの不安定性:新しいTensor G5とソフトウェアの最適化不足による動作のもたつき
通常、これらの問題は発売後数ヶ月のアップデートで改善されますが、「安定した動作環境がすぐに欲しい」という方は、しばらく様子を見てから購入するのも一つの選択肢です。
長期サポートへの不安
Pixelシリーズは7年間のOS・セキュリティアップデートを約束していますが、上述のバッテリー問題のように、ハードウェア由来の問題はソフトウェアでの対処に限界があります。
特に気になるのは、「安全上の理由」でバッテリー性能を意図的に制限するアップデートが今後も発生する可能性です。長期使用を前提に購入される方は、この点も考慮に入れておいた方がいいでしょう。
まとめ:買い替えのタイミングとしてはアリ?
ここまでまとめてきて、これらの情報を総合すると、Pixel 10シリーズは「革新的な進化」というよりは「着実な改良」という印象を受けます。
特に注目したいのは、Googleが「長期利用を前提とした設計」にシフトしているように見える点です。Tensor G5の省電力性向上、バッテリー容量アップ、発熱対策など、日常使いでの快適性を重視した改良が目立ちますよね。
一方で、ベンチマークスコアでは他社フラグシップに及ばないという現実もあります。これは「性能の数値よりも、実用的な体験を重視する」というGoogleの方針の表れかもしれません。
個人的には、Pixel 8以前のモデルをお使いの方なら、十分に買い替えを検討する価値があると思います。特に、Tensor G5による省電力化と発熱改善は、日常使いで確実に体感できる改良になりそうです。
正式発表まであと少し。実際の価格やスペック、そして何より実機での使用感がどうなるか、続報に注目したいと思っています。