2025年6月にドコモが大幅な料金プラン改定を実施しました。実際のところ、この改定はユーザーにとってどのような影響があるのでしょうか。SNSでは「スマホ料金が高すぎる」「ドコモの改悪がひどい」といった声も増えており、三大キャリアの値上げトレンドに不満を感じている方も多いようです。
そこで、ドコモの新料金プランの詳細から、なぜ「改悪」と言われているのかを解説します。そしてキャリア業界全体の値上げトレンドについてもわかりやすく解説していきます。
2025年6月ドコモ料金改定のポイント
まずは今回のドコモの大幅値上げとされる料金改定で、具体的に何がどう変わったのか、基本的なポイントを整理してみましょう。料金プランの変更だけでなく、各種手数料の値上げも実施されており、全体的にユーザーの負担が増加する内容となっています。
主要プランの変更点
2025年6月5日、ドコモは新たに「ドコモMAX」「ドコモmini」などの4つの新料金プランをスタートさせました。これに伴い、これまで提供されていた「irumo」や「eximo」といった旧プランの新規受付は6月4日で終了となっています。
今回の改定で特に注目したいのは、単純な料金変更だけでなく、プラン構造そのものが大きく変わったことです。従来の細かな容量設定(0.5GB、3GB、6GB、9GB)から、よりシンプルな設定(4GB、10GB)への変更、そして何より割引制度が最大5種類まで拡大され、複雑化したことが大きな変化となっています。
また、DAZN for docomoや国際ローミングなどの付加サービスが標準装備されたことで、これらを使わないユーザーにとっては実質的な値上げとなる構造になっているのも特徴です。
今回の改定を簡単にまとめると、プランの選択肢が減少し、実質的に値上げとなる構造が導入されています。「安くなるどころか、通信費が年々増えている」と感じるユーザーも多く、スマホ料金の見直しを検討するタイミングに来ていると言えるでしょう。
新旧プラン料金比較表
具体的に代表的な新旧プランを比較してみましょう。
大容量プラン比較(データ無制限)
プラン名 | 基本料金 | 割引適用後料金 | 主な変更点 |
---|---|---|---|
eximo(旧プラン) | 7,315円 | 4,928円 | 新規受付終了 |
ドコモMAX(新プラン) | 8,448円 | 5,148円 | +1,133円値上げ DAZN無料付帯 |
小容量プラン比較
プラン名 | データ容量 | 基本料金 | 割引適用後料金 |
---|---|---|---|
irumo(旧プラン) | 3GB | 2,167円 | 880円 |
irumo(旧プラン) | 9GB | 3,377円 | 2,090円 |
ドコモmini(新プラン) | 4GB | 2,750円 | 880円 |
ドコモmini(新プラン) | 10GB | 3,850円 | 1,980円 |
新プランの料金設定を見てみると、基本的に実質値上げとなっており、特に最安プランのラインナップも大幅に縮小されています。例えば、メインプランの「ドコモMAX」は割引なしで月額8,448円となり、旧プランの7,315円から大幅にアップしているんですね。
また、ドコモminiは一見すると容量が増えて料金は据え置きなので改善されているように見えますが、実際には割引適用のハードルが大幅に上がっています。
irumo時代の割引条件(2つ)
- dカードお支払割:一律187円割引
- ドコモ光セット割:1,100円割引
ドコモmini時代の割引条件(3つ + 条件複雑化)
- dカードお支払割:dカード種別で割引額が変動(220円~550円)
- ドコモ光セット割:1,210円割引
- ドコモでんきセット割:110円割引(新設)
つまり、最安料金を実現するためには、従来の2つの条件に加えて「ドコモでんき」の契約が必須となり、さらにdカードも高ランクカード(dカード GOLD以上)でないと最大割引を受けられません。これらの条件を満たせない場合、実質的な値上げとなってしまうのが現実です。
このような複雑な割引構造により、実際には誰も最安値で使えない仕組みになっていると感じるユーザーも増えています。実際、SNSでは「dカード GOLDに入らないと高すぎる」「セット割が前提なのは不公平」といった三大キャリアへの不満の声も散見されます。
ドコモminiの細かな仕様変更にも要注意
さらに注意したいのが、ドコモminiでは従来のirumoにはなかった制約も追加されていることです。家族間通話が無料対象外となったため、家族間でよく通話する方は通話料が別途発生します。また、@docomo.ne.jpのメールアドレスを利用したい場合は、月額330円の追加料金が必要になりました。これらの細かな変更も、実質的な負担増につながる要因となっています。
事務手数料値上げ・オプション変更
料金プラン以外にも、店頭やコールセンターでの事務手数料が2025年9月5日より一律4,950円に値上げされました(従来は3,850円)。Web経由での手続きは引き続き無料ですが、店頭でのサポートを利用する場合の負担が増えることになります。
この事務手数料値上げは、特に高齢者層にとって深刻な問題となっています。スマートフォンやWebでの操作に慣れていない高齢者の多くは、店頭でのサポートに頼らざるを得ません。
しかし、店頭では手数料だけでなく、不要なオプションサービスを勧められるケースも多く、結果的に月額料金が大幅に上がってしまう「実質的なぼったくり」に遭うリスクが高まっています。こうした高齢者に厳しい料金体系は、「ドコモ ぼったくり」「店頭 サポート 有料化」といったネガティブなキーワードでの検索数の増加にも表れています。Web操作ができない層ほど高い料金を払わされる構造は、デジタル格差の問題としても看過できませんね。
さらに、「home 5G」プランも月330円の値上げ、ユニバーサルサービス料も月2.2円から3.3円へと1.1円の値上げが実施されています。
なぜ「改悪」と言われているのか?
ドコモの新料金プランが「改悪」と呼ばれる背景には、単純な値上げだけでなく、プラン構造の複雑化や選択肢の減少など、複数の要因が重なっています。具体的にどのような点が問題視されているのか、詳しく見ていきましょう。
月額料金の大幅値上げ
最も大きな問題とされているのが、月額料金の値上げ幅です。前述した「ドコモMAX」以外にも、小容量向けの「ドコモmini」でも旧プランより値上がりしており、全体的に料金負担が増加しています。
各種割引の「積み上げ前提」(最大5種類)
新プランでは最大5種類もの割引を適用することが前提となっており、これらの割引をフルに活用しても、結果的に旧プランより高くなるケースが多いのが現状です。
割引の条件を満たさない場合は、さらに値上げ幅が大きくなってしまうため、ユーザーにとっては複雑で負担の大きい仕組みになってしまいました。
プラン選択肢の減少・格安プランの廃止
これまで提供されていた「irumo」などの超低価格帯プランの新規受付が終了したことで、格安志向のユーザーにとっては選択肢が大幅に減少しています。
小容量向けも4GB/10GBの2段階のみとなり、細かなニーズに対応できなくなっているのも問題点の一つですね。
サブスク抱き合わせ・特典付加による実質値上げ
新プランでは、DAZN(ダゾーン)やAmazonプライムなどのサブスクリプションサービスが「特典」として組み込まれています。しかし、これらのサービスを利用しないユーザーにとっては、不要なサービスに対しても料金を支払うことになり、実質的な値上げとなっています。
「サブスクの押し売りでは?」「DAZNもAmazonも使っていないのに…」という意見も多く、ドコモによる不要サービスの強制に近い形として批判されることもあります。
キャリア各社「値上げシフト」の本当の理由
ここまでドコモの料金改定について詳しく見てきましたが、実はこの「値上げトレンド」はドコモだけの話ではありません。au、ソフトバンクも含めた業界全体が同じ方向に舵を切っているんです。なぜキャリア各社が一斉に「格安路線」から離れ、値上げに踏み切っているのでしょうか。その背景にある本当の理由を探ってみましょう。
コスト・インフレ圧力が強い
近年、電気代や人件費、基地局の維持費などが大幅に上昇しており、キャリア各社は利益確保が困難な状況に直面しています。特に5Gネットワークの整備・運用には莫大なコストがかかるため、料金への転嫁は避けられない状況なんです。
政府の「値下げ政策」反動と収益構造の再建
これまで政府主導でMVNO(格安SIM)の普及促進や料金規制が行われてきた結果、大手キャリアの利益率は大幅に低下していました。各社とも経営の安定化に向けて、収益構造の見直しが必要となったというわけですね(個人的には、これまで散々ぼったくってきたのに、何を今さら言っているんだ?という気持ちがないわけではありません)。
市場シェア維持と増収を両立させたい意図
キャリア各社は、ユーザーの離脱を防ぎながらも単価を上げるという難しい戦略を取っています。そのために、単純な値上げではなく「付加価値」を提供することで、値上げを正当化しようとしているのが現状です。
auとソフトバンクの具体的な動向
auについては、既に2025年8月1日より主要プランの値上げを実施済みです。「使い放題MAX+」や「auマネ活プラン+」などの無制限プランは月額330円、「スマホミニプラン+」などの小容量プランも月額220円の値上げとなっています。同時に、6月3日からは新料金プラン「auバリューリンクプラン」「auマネ活バリューリンクプラン」も開始されており、ドコモと同様に付加価値を前面に押し出した料金体系に移行しています。
一方、ソフトバンクは現時点では値上げを実施していませんが、同社の宮川社長は決算会見で「要らないものが付いてきて値上がりしたという構造はWin-Winではない」とコメントしています。ドコモやauの新プランには否定的な見解を示しつつも、「我々も方向性は(2社と)同じ。値下げでずっと続いてきたデフレ構造をなんとか乗り越えようという気持ち」と本音を漏らしており、今後のタイミングを見計らって値上げに踏み切る可能性が高いと予想されます。
今後の動向とユーザーの選択肢
業界全体が値上げ方向に向かっている中で、「三大キャリアから格安SIMへ乗り換えるべき?」「楽天モバイルって実際どうなの?」といった検索が急増しています。
実際、ユーザーにはどのような選択肢があるのでしょうか。今後の動向を予測しながら、具体的にどのような対策を取れるのかを考えてみましょう。
追加値上げの可能性と他社比較
現在の状況を見る限り、今後も段階的な値上げが続く可能性は高いと考えられます。特にインフレが続く中、コスト上昇圧力は今後も継続すると予想されるためです。
各社の動向を比較すると、大手3社(ドコモ、au、ソフトバンク)は足並みを揃えて値上げ方向に舵を切っており、価格競争による値下げは当分期待できそうにありません。
楽天、MVNO、サブブランドなど「格安派」の行方
一方で、楽天モバイルは現時点で値上げを表明しておらず、「唯一の格安選択肢」となる可能性があります。
MVNO(格安SIM)についても、大手キャリアの値上げに連動して今後値上げ圧力が高まる可能性がありますが、当面は大手キャリアよりも安価な選択肢として存在し続けるでしょう。
UQモバイル(au系)やワイモバイル(ソフトバンク系)などのサブブランドも、親会社の方針転換により今後見直しが入る可能性があります。
プラン見直しのポイント
この状況を受けて、ユーザーが検討すべきポイントをまとめてみました。
現在のプランを見直す
まず重要なのは、現在のプランを冷静に見直すことです。本当に必要な通信容量はどのくらいなのか、月々のデータ使用量を確認してみてください。Wi-Fi環境が充実している方であれば、思っているよりも少ない容量で十分かもしれません。
また、付帯サービス(DAZN、Amazonプライムなど)を実際に使っているかどうかも重要なチェックポイントです。使っていないサービスに月数千円を払い続けるのは、もったいないですからね。
さらに、家族割や光回線セット割などの条件を満たしているかも確認が必要です。これらの割引を適用できなければ、実質的な値上げ幅がさらに大きくなってしまいます。
他社への乗り換えを検討する
次に検討したいのが、他社への乗り換えです。楽天モバイルのエリアが生活圏をカバーしているかどうかは事前に確認しておきましょう。公式サイトのエリアマップで自宅や職場、よく行く場所の電波状況をチェックできます。
MVNOで十分な通信品質が得られるかも重要なポイントです。普段の利用が軽めの方であれば、格安SIMでも十分満足できる可能性があります。ただし、乗り換えにかかる初期費用と節約効果を比較することも忘れずに。手数料や端末代を考慮しても、長期的に見てメリットがあるかどうかを計算してみてください。
利用スタイルを見直す
最後に、利用スタイル自体を見直すことも効果的です。Wi-Fi環境を充実させて通信量を削減できれば、より安いプランに変更できる可能性があります。自宅にWi-Fiがない方は、この機会に導入を検討してみるのも良いでしょう。不要なサブスクリプションサービスを整理することで、通信費以外の固定費も削減できます。
また、通話頻度に応じてかけ放題オプションを見直すことも大切です。実際にはそれほど通話しないのに高額なかけ放題プランに加入している場合は、プラン変更で節約できるかもしれません。
楽天モバイルという選択肢
大手キャリアの値上げラッシュの中、通信費の高さに不満を感じている方にとって、楽天モバイルは実質的な「最後の砦」とも言えます。
現時点で値上げの発表がなく、シンプルで分かりやすい料金体系を維持しているため、多くのユーザーにとって魅力的な乗り換え先となっています。
楽天モバイルの料金とメリット
楽天モバイルの最大の魅力は、段階制の分かりやすい料金プランです。データ使用量に応じて自動で料金が決まるため、使わない月は安く、たくさん使う月でも上限が決まっているという安心感があります。
楽天モバイルの料金プラン
- 0GB~3GB:月1,078円(税込)
- 3GB~20GB:月2,178円(税込)
- 20GB超~無制限:月3,278円(税込)
この料金設定は、大手キャリアと比較すると圧倒的にお得です。例えば、無制限で使いたい場合、ドコモの新プラン「ドコモMAX」は割引適用後でも5,148円かかりますが、楽天モバイルなら3,278円。月1,870円、年間で22,440円も節約できる計算になります。
さらに、楽天モバイルには他社にはない独自のメリットがあります。
通話料が実質無料
専用アプリ「Rakuten Link」を使えば、国内通話が完全無料です。通話時間や相手を気にする必要がないため、ビジネス利用や家族との長電話も安心して利用できます。
楽天ポイントとの連携
楽天モバイルを契約すると、楽天市場でのポイント還元率が最大+4倍になります。普段の買い物で貯まったポイントをスマホ代の支払いに充てることもできるため、実質的にさらに安く利用することが可能です。
9月1日朝まで限定!最大3万円相当のキャンペーン

現在、楽天モバイルでは2025年9月1日8時59分まで限定で、過去最大級のキャンペーンを実施中です。他社からのMNP(乗り換え)で最大30,000円相当がもらえる内容となっており、乗り換えを検討している方には絶好のタイミングです。
キャンペーンの内訳
- 楽天モバイル申し込み特典:16,000ポイント(MNPの場合)
- 楽天市場での買い物特典:4,000ポイント(期間中に1,000円以上の買い物で)
- 楽天市場初回利用クーポン:10,000円分(過去に楽天市場を利用したことがない方限定)
合計で最大30,000円相当という破格の特典内容です。特に楽天市場を利用したことがない方にとっては、楽天経済圏デビューの絶好のチャンスと言えるでしょう。
ただし、このキャンペーンのWeb申し込みは2025年9月1日朝8:59まで、店舗申し込みは8月31日の閉店までとなっているため、検討中の方は早めの決断が必要ですね。
なお、キャンペーンページ以外からの申し込みは特典対象外ですので、必ず公式キャンペーンページから申し込みを行なってくださいね。
このキャンペーンについての詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
まとめ:2025年、携帯キャリア各社の”格安消滅・値上げ時代”が本格化
2025年のドコモ料金改定は、確かに多くのユーザーにとって負担増となる「改悪」と言える内容でした。しかし、これは業界全体のトレンドであり、今後も続くと考えられます。
大手キャリアが「高付加価値・高価格路線」にシフトする中、スマホ料金の見直しや、三大キャリアからの脱却を真剣に考えるべき時代に入ったと言えます。
ユーザーには「本当に必要なプランかどうか」を冷静に見極めることが求められています。場合によっては、MVNOへの乗り換えや楽天モバイルの検討、そして生活スタイル自体の見直しも必要かもしれませんね。
重要なのは、各社の宣伝文句に惑わされることなく、自分の利用状況に最適なプランを選択することです。料金だけでなく、通信品質やサポート体制、将来的な安定性なども含めて総合的に判断するのが賢い選択と言えそうです。