タブレットはスマホや PC と比べて買い替えの頻度が低く、長く使い続ける人が多いデバイスです。しかし、「タブレットは何年使えるのか?」「どのタイミングで買い替えるべきなのか?」と悩む人も多いかと思います。そこで、タブレットの寿命について、ハードウェア・ソフトウェアの観点から詳しく解説し、買い替えのベストタイミングについて考えていきましょう。
タブレットの平均寿命は何年?
いろいろなサイトでタブレットの寿命が語られており、短い場合は 2 年ぐらいとしているところもあります。ですが、体感上、タブレットはもう少し長く使えることが多いですね。一般的には 4〜6 年ぐらいになるかと思いますが、使用状況によって大きく変わります。
また、使っているタブレットの種類によっても寿命が異なってきます。表にまとめると次のような感じでしょうか。
タブレットの種類 | 平均寿命の目安 | 寿命の要因 |
---|---|---|
iPad | 5〜7年 | OS サポートが長いので長寿命。サポート切れでアプリが使えなくなって寿命を迎えるケースが多い。 |
Android タブレット | 2〜5年 | メーカーによってサポート期間が異なる。サポート切れでアプリが使えなくなって寿命を迎えるケースや性能が足りなくなって使いにくくなるなど、要因はさまざま。 |
Fire タブレット | 3〜4年 | 低価格帯のため、元々のスペックが低く、次第に動作が重くなり、ストレスが溜まるようになる。 |
まず、一番寿命が長いのは、iPad シリーズになるでしょう。元々のスペックも高めですし、アップルはソフトウェアのサポート期間も長いため、5 年以上使い続けることも可能です。実際、自分は 2018年発売の 11 インチ iPad Proの第 1 世代を所有していますが、いまだに軽い作業は問題ありません(バッテリーが少々問題ですが)。
Android タブレットも割と長期間使えるモデルが多いです。ただし、購入した時点で型落ちなど、スペックが劣っている場合は、それだけ使える期間は短くなります。また、メーカーによって OS のアップデートの提供期間が異なるため、ものによっては短命になるものもあります。しかし、OS のアップデートができなくなってもしばらくは使い続けられるので、物理的故障が起きなければ、それなりに長く使えます。
最後に Amazon の Fire タブレット。こちらは非常に安価ですが、その分性能は抑えめ。そのため、数年経つと動作がかなり重くなり、使っていてストレスが溜まってくるようになります。物理的故障よりもソフト的な不満で寿命と感じることが多いかもしれません。
タブレットの寿命を決める3つのポイント
さて、タブレットの寿命とはそもそも何か?という部分ですが、1 つは物理的な故障です。これは文字通り、壊れてしまったので使えなくなるという意味での寿命ですね。あともう 1 つ、タブレットの寿命を決めるのは、「快適に使えるかどうか」という点です。
最近のタブレットは物理的故障よりも、こちらの「快適に使えるかどうか」という点で寿命を迎えたと判断するケースが多いかと思います。こちらの寿命を判断する場合、主に次の3つの要素が絡んできます。
バッテリー寿命
バッテリーが劣化すると、タブレットが使える時間が短くなります。おおよそですが、タブレットの充電回数が 500回を超えると、バッテリーの最大容量がジリジリと低下。大体、約 80% 程度まで最大容量が減少します。使用頻度や充電方法によっては、この劣化が加速することもあります。最大容量が減少すると、少し使っただけでバッテリーがみるみる減っていくので、長時間の使用は厳しくなってきます。
iPad は有償でバッテリー交換が可能ですが、アップルに依頼するとやや高めで、モデルによっては高額になることも。例えば、最新の iPad Pro のバッテリー交換は公式で 3 万円以上かかります。ちなみに👇のリンクで交換にかかる費用が見積もれます。
アップル正規プロバイダー以外でもバッテリー交換を受けているところはありますが、正式なサポートが受けられなくなる可能性があるので、あまりおすすめはできません。
Android タブレットもメーカーによってはバッテリーの交換が可能ですが、2 万円以上かかるケースが多いです。新品との価格差を考慮し、バッテリー交換をするか買い替えるか検討した方がいいでしょう。
OSアップデートのサポート期間
OS のアップデートが受けられる期間も寿命に直結します。OS のサポートが終わると、その OS の最新機能が利用できません。それより問題なのは、最新のセキュリティ対策が受けられなくなる点です。
OSがアップデートされなくなると、脆弱性に対応できずセキュリティリスクが高まります。ただし、最新OSが利用できなくなってから 1〜2年間程度は、最低限のセキュリティアップデートが続く場合が多いです。そのため、緊急ではないことが多いですが、遠くない時期にタブレットをネットに繋いで使うのが危険になるのは確実です。
とは言っても、OS のサポートが切れたからといって、アプリが使えなくなるわけではないので、あまり意識していない人が多いと思うんですよね。
ですが、仕事に使ったり、他の人と頻繁にコミュニケーションしているような人の場合は、セキュリティリスクは致命的な問題に繋がりがちなので、OS のアップデート(最低でもセキュリティアップデート)が終了したら、新しい端末に乗り換えるのがおすすめです。
なお、OS のアップデート期間は、次のような感じになります。
iPad
iPad の OSサポート期間は、一般的に 6 年から 8 年程度です。これは、iPadOS のアップデートが提供される期間を指しています。なお、セキュリティアップデートについては、アップルが重大な脆弱性が発見された場合に継続して提供することがあり、7〜10 年程度のサポートが期待できます。
Android タブレット
AndroidタブレットのOSサポート期間は、メーカーやモデルによって大きく異なります。主要メーカーのサポート期間は次のとおりです。
- Google(Pixel Tablet シリーズ)
最新モデルでは最大 5 年間の OS アップデートとセキュリティアップデートが提供されます。 - Samsung(Galaxy Tab S シリーズ)
最新モデルでは、約4年間の OS アップデートが提供されます。 - その他のメーカー
Xiaomi、OPPO、SONY、ASUS、Motorola などでは、サポート期間は明確に公開されていないことが多く、一般的には OS アップデートが 2 回程度、セキュリティアップデートは発売から 3~4 年程度が目安とされています。 さらに安価なタブレットの場合は、2〜3 年で OS サポートが切れることも少なくありません。
Fire タブレット
Fire タブレットのソフトウェアセキュリティアップデートは、端末が Amazon サイトで最後に販売されてから少なくとも 4 年間保証しています。なお、Fire タブレットは OS の大幅なアップデートが提供されることは少なく、基本的にセキュリティパッチのみが 4 年間保証されています
アプリや動作の快適さ
やはり、アプリが快適に動作するかどうかが寿命を見極める最大のポイントでしょう。アプリは定期的にアップデートされていますが、機能追加などにより動作が重くなることがあります。もし、普段使っているアプリの動作が重くなってきたら、「そろそろ寿命だな」と判断していいと思います。特にタッチやスクロールがカクつくようになったら寿命が近いと言えます。
あと、OS のバージョンが古いと、非対応アプリが増えてきます。普段使っているアプリが使えなくなったら、寿命と考えて良いでしょう。最近だと、古い Android タブレットの YouTube アプリで「YouTube.com に切り替えてください」というメッセージが表示されるという事象が起きました。これは、まさに OS が古くて最新版アプリが使えなくなった典型例です。

タブレット買い替え時期の目安
ここまで説明してきたように、タブレットはハードウェアの劣化だけでなく、OS のサポート終了やアプリの非対応化によって使い勝手が徐々に悪くなっていきます。そのため、快適に使い続けるためには、次のようなポイントで買い替えのタイミングを見極めるといいでしょう。
最新OSのサポート終了から2年がひとつの目安
タブレットの OS アップデートが終了すると新機能が追加されなくなり、セキュリティアップデートの提供が止まるとウイルス感染や情報漏洩のリスクが高まります。そのため、仕事でタブレットを利用する場合は早めに買い替えるべきでしょう。
こうした問題を考慮すると、最新 OS のサポート終了から約 2 年程度が、買い替えの目安と言えます。
また、OSのサポートが終了してもすぐにタブレットが使えなくなるわけではありません。しかし、アプリの対応状況が徐々に悪化し、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 銀行アプリや決済アプリが非対応になる
- YouTube や Netflix などの動画アプリが動作しなくなる
- ウェブブラウザのバージョンが古くなり、一部のサイトが正しく表示されなくなる
- 仕事用のアプリが最新の機能を利用できなくなる
このような状態になったら、速やかに買い替えるのがおすすめです。
快適に使えるかどうかが最終判断のポイント
タブレットの用途によっては、OS のサポートが切れてもしばらく使い続けられる場合があります。例えば、電子書籍リーダーや動画視聴専用端末として使う場合、サポートが終了しても当面は問題なく利用できることが多いです。
このように利用目的がはっきりしており、セキュリティリスクがあまり関係のない使い方しかしないというのであれば、実際に使っているときの体感を判断のポイントにします。動作がもたつく、アプリの起動が遅い、バッテリー持ちが悪いと感じるようになったら、買い替えを検討するタイミングです。
おすすめのタブレット
さて、タブレットを買い替えるならどのモデルがいいか悩んでしまうことでしょう。そこで、各 OS 別におすすめのタブレットを紹介していきます。
iPad
iPad の場合、ウェブ閲覧や動画視聴、電子書籍を楽しむというレベルなら、エントリーモデルの iPad(A16)がおすすめです。エントリーモデルといえども、普段使いならまったく問題なくサクサクと動作します。この辺りはさすが iPad といった感じです。アップルの生成 AI「Apple Intelligence」は利用できませんが、ChatGPT など、他の生成 AI アプリは利用できるので、極端に困ることは少ないかと思います。

やや重めの作業(イラストを描く、動画を編集する、3D ゲームで遊ぶなど)をする場合なら、iPad Air(M3)がおすすめです。非常にパワフルな性能を持っているので、向こう数年は快適に使えるのは間違いないと思います。また、Air は画面サイズが 2 種類用意されているので、使い方に合わせて選べるのもいい点です。
動画視聴や電子書籍を楽しむのがメインなら、片手で快適に使える iPad mini(A17 Pro)がおすすめです。8 インチのタブレットはサイズ感が非常によく、個人的にも一番よく使うモデルですね。どこにいても使いやすいので、細かい作業をしないのであれば、いつも近くにいる相棒になってくれます。
Android タブレット
Android タブレットは本当にピンキリなので、すべての端末を試したことがないのであまり迂闊なことが言えません。ですので、価格面で良さそうなものとサポートの良さそうなものを紹介します。
まず、価格面で非常にアドバンテージがありそうなのは、TECLAST P50 AI です。最新の Android 15 を搭載した 11 インチのタブレットで、1万円台で購入できるコスパの良さが魅力です。性能面もウェブ閲覧、動画視聴などはまったく問題ないレベルでサクサクと動きます。原神のような 3D ゲームはやや厳しいようですが、軽いゲームなら問題ないでしょう。実際に YouTube ではレビュー動画も多く上がっているので、気になる方はチェックしてみてください。多分、問題ないレベルにある端末だと思います。
サポート面で安心なのは、やはり Google 純正の「Google Pixel Tablet」でしょう。どうしても安価な中華タブレットは不安を感じてしまいますが、Google というブランドは安心感が高いです(Google も情報を抜いているじゃないか!というツッコミは無しでお願いします)。同社のスマホである Pixel にも使われている Tensor G2 を搭載しているので、動作はかなりサクサク。スクロールからピンチ・スワイプまで快適というレビューが多いです。また、不要な人や物を写真から簡単に消せる「消しゴムマジック」など、Pixel シリーズならではの AI 機能も利用できるのがメリットですね。
Fire タブレット
Amazon の Fire タブレットは、やはり価格が魅力。Fire タブレットは大きな性能差がないので、使いやすいサイズ感のものを選ぶのがおすすめです。Fire タブレットはセールの時は大きく値引きされるので、そのタイミングを狙って購入するのが一番でしょう。ちなみに、8〜11 インチの 3 モデルが用意されています。
個人的には8インチモデルを利用しています。そちらのレビューは👇記事にまとめていますので、併せてご覧ください。
まとめ:買い替えタイミングを見極める
「まだ使える」と思っていても、バッテリーや OS の問題で徐々に使いづらくなるのがタブレットです。特に 動作が遅くなったり、アプリが入らなくなったら買い替えのタイミングです。
- 最近バッテリーの持ちが悪くなった
- OS のアップデートが止まった
- アプリの動作が遅くなった or インストールできない
こんな状況に当てはまったら、買い替えを検討するのがおすすめです。新しいタブレットにすれば、動作速度もバッテリー持ちも大幅に改善するので、かなり快適に使えるようになるはず。この記事で紹介した基準を参考に、ご自身のタブレットの状態を確認し、最適な買い替えタイミングを見極めてください。
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