DDR5メモリの価格高騰は本当に「ピークアウト」したのか? 日本の価格動向と今後の買い時

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2025年後半から自作PCユーザーを悩ませ続けてきたDDR5メモリの価格高騰。高いモデルでは32GBキットが9万円を超えるような異常事態が続いていましたが、2026年2月頃から「一部容量で値下がりが始まった」「ピークアウトかもしれない」という声がSNS上で目立つようになってきました。

本当にDDR5の価格は下がり始めているのでしょうか。それとも、一時的な変動に過ぎないのか。そこで、SNSでの話題と実際の価格データを整理しながら、「どこまでが事実で、どこからが期待先行なのか」を冷静に見ていきたいと思います。

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SNSで起きている「バズ」の空気感

SNSなどでは、「ピークアウトしたらしい」「意外と早く下がり始めた」という期待感のある投稿が増えている一方で、「それでもまだ全然高い」「もっと待つべきか悩む」といった慎重な声も多数見られます。中には「在庫過多で不良在庫化している」「価格グラフがおかしなことになってる」といった、半分ネタ混じりの反応も。

こうした投稿が短時間に大量に流れる「バズ状態」になっているのが現在の状況です。同じような価格グラフのスクリーンショットが何度も回ってきた、という経験をした人はいるかもしれません。

ただし、ここで注意したいのは「話題になっていること」と「実際の価格がどう動いているか」は必ずしもイコールではないということ。SNSは空気感を伝えるのは得意ですが、それが市場全体の正確な姿を映しているとは限りません。

実売データで見る:32GB/64GBはどれくらい下がったのか

では、実際の数字を見てみましょう。対象は日本国内で流通しているDDR5の売れ筋容量、32GB(16GB×2)と64GB(32GB×2)のキットです。

いくつかの価格集計データをもとにすると、2026年1月のピーク時と2月中旬を比較して、おおむね次のような変化が見られます。

  • 平均価格:ピークから7%前後の下落
  • 最安値:ピークから16〜20%程度の下落

つまり、「少なくともピークからは下がり始めている」というのは事実と言えそう。特に最安値の下落幅は2桁パーセントに達しており、「ちょっと買いやすくなってきたかも」と感じる人がいるのも理解できます。

ただし、これを2025年序盤の安値時期と比較すると、話はまったく変わってきます。安い時期には32GBキットが3万円台〜4万円台で購入できることもありましたが、現在の価格はまだその2倍前後。「下がった」といっても、「異常に高い状態から少しマシになった」というのが正確な表現です。

まだまだ高値圏という現実

2025年夏から2026年初頭にかけての高騰は、容量やスペックによって差はありますが、2倍以上、ときには3〜4倍近くに達することもある大きなもの。32GBキットで言えば、数万円台で買えていたものが9万円を超える水準まで跳ね上がったわけです。

現在の7〜20%の下落は、この高騰分からするとごくわずか。「高騰前の水準に戻った」のではなく、「異常ピークからほんの少し戻しただけ」と見るのが妥当です。

さらに言えば、海外市場に目を向けると、依然として高止まりや上昇傾向を示すレポートも少なくありません。日本の一部容量で価格が下がり始めたからといって、「世界的な大幅値下がりトレンドが始まった」とまで言える状況ではないんですよね。

「在庫過多」「ピークアウト」論の妥当性

SNSで飛び交う「在庫過多」「ピークアウト」という言葉は、どこまで正確なのか?

まず「在庫過多」について整理すると、コンシューマ向けDDR5の一部容量・一部流通経路で在庫がだぶつき始めている可能性は十分にあります。特に日本市場の32GB〜64GB帯は、需要と供給のバランスが少し変わってきているのかもしれません。

ただし、DRAM市場全体で見ると話は別です。AI向けサーバー用メモリやモバイル向けなど、他の用途での需要は依然として強く、メーカー側も値上げ姿勢を崩していないという複数のレポートが出ています。

つまり、こういうことです。

  • 日本のコンシューマ向け売れ筋容量というローカルな話としての「在庫過多・ピークアウト」は起きつつあると見られる
  • 一方で世界のDRAM市場全体として余り始めているとまでは言えない

「日本の一部容量で価格データをもとにした合理的な仮説」ではあるものの、「確定した長期トレンド」と断定するのはまだ早い、というのが冷静な見方でしょう。

自作ユーザーは今どう判断するべきか

では、実際にメモリの購入や増設を検討している方は、どう考えればいいのでしょうか。ニーズ別に整理してみます。

今すぐPCが必要な場合

仕事、学業、配信活動など、業務や生活に直結する用途でメモリ不足に困っているなら、「底値当て」を狙いすぎるのはリスクがあります。現状の価格が高いのは事実ですが、必要な容量を確保できないことで失う時間や機会のほうがコスト高になる可能性も。

16GBでは足りず、32GBが必要なら、今の「ピーク比ではマシになった」水準で購入を検討するのも合理的な選択です。

すでに動くPCがあり、アップグレードを検討中の場合

この場合は少し余裕がありますよね。32GBへのアップグレードであれば、「ピーク比ではマシだが、依然として高値圏」という現状を踏まえ、もう少し様子を見る選択肢もあります。

64GB以上や高クロックメモリを狙っている場合は、さらに慎重に。これらの容量・スペック帯は価格の下がり方も鈍く、急いで飛びつくメリットは薄いかもしれません。

完全に趣味のハイエンド構成を狙う場合

予算に余裕があり、「最高のタイミングで組みたい」という場合は、じっくり待つのも一つの戦略です。ただし、「いつ底を打つか」は誰にも分からないため、「この価格なら納得できる」というラインを自分で決めておくことが重要になります。

どのケースでも共通する考え方

判断の軸として押さえておきたいのは次の3点です。

  • 必要容量(16GBで足りるのか、32GB必要か、それ以上か)
  • 予算上限と「許容できる単価」
  • 将来の増設余地(マザーボードのスロット構成)

特に最後のポイントは見落としがち。今は最低限の16GB×2で構成しておいて、価格が落ち着いてから増設する、という戦略も現実的です。ただし、これにはスロットに空きがある構成(4スロットマザーで2枚使用など)が前提になりますので、パーツ選びの段階から意識しておく必要があります。

まとめ

一部容量で「ピークからの反落」が出ているのは事実。しかし、全体としてはまだ高値圏にあり、「やっと少しマシになった」程度と考えるのが現実的な感じです。

SNSの盛り上がりは、事実の一部を増幅しがちなもの。価格グラフだけでなく、複数の市場レポートや長期的なトレンドデータを合わせて見ることが重要です。そして何より、「いつ買うべきか」の最終的な答えは、市況の予測よりも「自分の用途と許容価格」のほうを重く見るべきだと思います。

「もう少し待てば安くなるかも」という期待と、「今必要なものを今手に入れる」という実利。どちらを優先するかは、結局のところ自分の状況次第です。この記事が、その判断材料の一つになれば幸いです。

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しげさん
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