2026年秋〜2027年春に発売されると見込まれている「iPhone 18」シリーズについて、海外メディアが相次いで「価格上昇の可能性」を報じています。まだ発売まで1年以上あるにもかかわらず、なぜこのタイミングで価格の話が出てきているのでしょうか。
背景にあるのは、AppleとSamsung、SK hynixが結んでいるDRAM供給の長期契約(LTA:Long Term Agreement)をめぐる報道です。通常であれば年間を通じた契約を結ぶはずが、2026年については「前半まで」にとどまっているという情報が韓国メディアから伝えられています。
さらに状況を複雑にしているのが、AIサーバー需要をきっかけにしたメモリ価格の急騰。DRAM、NANDフラッシュともに、ここ数カ月で大幅な値上がりを記録していると報じられています。この2つの要因が重なって、iPhone 18の価格に影響を与える可能性が浮上してきたわけですね。
そこで、海外メディアの報道やアナリストの分析などの情報をベースに、現時点で分かっている情報を整理していきます。
2026年LTAは「上半期だけ」——韓国メディアの報道
まず出発点となっているのが、韓国ZDNet Korea発とされるLTA(長期供給契約)に関する報道です。
この報道によると、AppleがSamsungとSK hynixから受けるDRAM供給について、2026年の契約が通年ではなく「2026年前半(上半期)」だけになっているとのこと。従来は1年分の供給をカバーする契約を結んできたとされますが、今回は半年分しか確保できていないという状況のようです。
その結果、2026年後半のDRAM価格が「予約されていない」状態となり、その時点での市場価格に近い、おそらく高めの価格を飲まざるを得なくなるリスクが指摘されています。iPhone 18 Proシリーズは例年通りなら2026年9月頃の発売が見込まれますから、ちょうど契約の切れ目に当たってしまうわけですね(ちなみに無印のiPhone 18は2027年春発売と予想されています)。
この情報を受けて、Notebookcheckなどの海外テックメディアが「iPhone 18シリーズは値上げの可能性が高い」という分析記事を相次いで公開しました。ただし、いずれの記事も韓国メディア発のサプライチェーン情報を二次的に紹介している形で、Apple側からの公式情報ではない点には注意が必要です。
DRAM・NAND価格はどこまで上がっているのか
LTAの問題を深刻にしているのが、2025年末から2026年初頭にかけてのメモリ価格の急騰です。市場調査レポートや業界紙の報道を総合すると、かなり大幅な値上がりが起きている様子が見えてきます。
韓国のThe ElecやETNewsといった業界紙の報道を引用した調査記事によれば、Samsungのコンシューマ向けDRAMやSSDの価格が「ここ2カ月ほどでほぼ倍、製品によっては3倍」に達していると伝えられています。同様に、コンシューマ向けSSDやNANDフラッシュも概ね「2倍」水準まで上昇しているとのこと。
別のサプライチェーンレポートによれば、NANDの契約価格が2026年第1四半期に「60〜70%」上昇が見込まれており、SanDiskが一部で「最大100%」の値上げを計画していると報じられています。数字だけ見ると、かなり衝撃的な上昇率です。
なぜこれほど価格が上がっているのか
この急騰の主な原因は、(何度も書いていますが)AIサーバー用途でのメモリ需要の爆発的な増加です。生成AIブームを受けて、データセンター向けのHBM(高帯域幅メモリ)や高速ストレージの需要が急増しており、サプライヤー各社がそちらを優先している状況があります。
AIサーバーは一台当たり数百GBから数TBものメモリを搭載するため、スマートフォン用のLPDDRやNANDに回せる生産能力が相対的に減少してしまっているというわけです。結果として、スマートフォンメーカーもメモリ価格の高騰の波をもろに受ける形になっています。
アナリスト・リーカーはどう見ているか
TF International Securitiesのアナリスト、ミンチー・クオ氏もこの状況についてコメントを出しています。クオ氏はApple関連の予測で知られる人物ですね。
クオ氏によると、2026年第1四半期のiPhone向けLPDDR価格は上昇しており、NANDについても値上げが行われているとのこと。ただし、一部メディアの報道ほど極端な上昇率ではないと分析しています。
興味深いのは、Appleとメモリサプライヤーとの価格交渉が「半期」ではなく「四半期ごと」に短期化している、という指摘です。従来の年単位の長期契約から、3カ月ごとの短期契約に変わりつつあるということで、価格の見通しが立ちにくくなっている様子が伺えます。クオ氏は、第2四半期にも同程度の上昇率が続く可能性があると予測しています。
必ずしも「値上げ確定」ではない
一方で、日本語圏の記事の中には「iPhone 18の価格据え置きの可能性」に言及するものもあります。Appleは他のスマートフォンメーカーよりも強い交渉力を持っており、メモリ容量や構成の見直しでコストを吸収できる余地があるという指摘ですね。
つまり、リーク情報やアナリストの間でも「必ず値上げされる」と確定的に見ているわけではありません。「値上げ圧力は強いが、最終的な店頭価格はApple次第」というのが大方の見方のようです。
Appleはどこまでコストを吸収できるのか
では、Apple側はこの状況にどう対応できるのか?
AppleInsiderなどの分析記事では、「2026年のApple製ハードウェア全体がメモリ・ウェハ価格のインフレ圧力に晒されている」としつつ、Appleが他社よりも価格転嫁を抑えようとしている点も指摘しています。
AppleはNANDについて、2026年前半まで比較的有利な条件での在庫を確保しているとされています。ただし、その契約もまもなく見直し時期を迎えるため、後半にかけては厳しくなる可能性があります。
DRAMについては、まだ2026年分の価格交渉が継続中とのこと。サプライヤー側は市場価格の高騰を踏まえた「段階的な値上げ」を求めているという分析があります。
Appleは巨大な発注規模とTSMCなどとの関係性を背景に、他社よりも有利な価格交渉ができる立場にあります。実際、先端プロセスのウェハ価格上昇を他社より抑えられているとも言われているのですが、それでもメモリコストの上昇を完全には打ち消せないというのが、多くの分析記事の見立てです。
特に影響を受けやすいのは、ストレージ容量の大きいモデルや、RAMを増量する上位機種だと考えられます。例えばiPhone 18 Pro Maxの1TB版といった、メモリを多く搭載するモデルほど、原価上昇の影響を受けやすそうです。恐ろしい価格になりそうで怖いですね。
iPhone 18は本当に値上げされるのか?
ここまで海外のリーク情報や分析記事を見てきましたが、現時点で確実に言えることを整理すると、次のようになります。
事実ベースで言えること
- 2026年のDRAM LTAが前半までという報道が複数のメディアから出ている
- DRAM・NANDの市場価格について、製品・レポートによっては100%近い上昇が報じられている
- ミンチー・クオ氏などのアナリストがLPDDR・NANDの値上げと四半期ごとの価格交渉を指摘している
- Appleを取り巻くメモリ調達条件が厳しくなっているのは間違いない
予測・観測の段階にあること
- 「iPhone 18シリーズが値上げされる可能性が高い」という海外メディアの見立て
- 「価格据え置きの可能性」に言及する一部記事の解釈
- 「ストレージ大容量モデルほど影響が大きい」「Pro/上位機種の方がリスクが高い」といった推論
つまり、「メモリ価格とLTA状況を踏まえると、特に上位・大容量モデルの値上げリスクは高い」という点までは、海外のリーク情報や分析がかなり一致しているといえます。
しかし、「いくら値上げされるのか」「どのモデルが据え置きになるのか」といった具体的な数字や構成については、現時点ではすべて推測の域を出ていません。Apple公式からの確定情報は一切出ていない状況です。
まとめ:続報を待ちつつ冷静に判断を
iPhone 18の価格については、2026年のメモリ市場の動向とAppleの対応次第で大きく変わってくる可能性があります。
仮に値上げがあるとしても、全モデル一律なのか、上位モデルのみなのか、それとも容量別で差をつけるのか——Appleがどういう戦略を取るかによって、私たち消費者への影響も変わってきます。
現時点では、「メモリ価格の高騰という外部環境があり、それがiPhone 18の価格に影響を与える可能性がある」という事実を押さえつつ、具体的な価格や構成については今後の続報を待つ、というのが妥当な判断ではないでしょうか。
ただでさえ、今のiPhoneは高級品ですから、これ以上の負担増は正直厳しいところ。2026年秋の発表まで、まだ1年以上あります。その間に市場環境が変わる可能性もありますし、Appleが独自の対策を講じてくる可能性もあります。焦らず、信頼できる情報源からのニュースを追っていくのが良さそうです。

