iPhone17シリーズの登場が間近に迫ってきて、「iPhone16が値下げされるまで待とう」と考えている方も多いのではないでしょうか。確かに毎年新モデルが出ると、前年モデルは値下げされるのが定番ですからね。
でも、ちょっと待ってください。実は2025年のiPhone選びは、これまでのセオリーが通用しない可能性がないとも言えません。そこで、「よくあるレビューにはない視点」から、本当に賢いiPhone購入戦略を解説します。
これまでの「例年パターン」を振り返ってみると
これまで、新しいiPhoneは発表されると、旧モデルは次のようになるのがお決まりでした。
- 無印iPhone（iPhone 15、iPhone 14など）: 新モデル登場後に12,000円〜15,000円程度値下げして継続販売
- Proシリーズ（iPhone 15 Pro/Pro Maxなど）: 新モデル発表と同時に即座に販売終了
例えば、iPhone 15シリーズの発表時には、iPhone 15が12,000円、iPhone 15 Plusが15,000円値下げされた一方で、iPhone 14 Pro/Pro Maxは即座に販売終了となりました。これが「例年通り」の定番パターンだったんですね。
ですから、多くの人が「iPhone16も同じように、iPhone17発表後に値下げされるだろう」と考えるのも当然です。ところが、この前提自体が崩れつつあるのが2025年の現状です。
「値下げ神話」の落とし穴
多くの人が信じて疑わない「新モデル登場→旧モデルは自動的に値下げ&継続販売」という法則。でも実は、近年のAppleは従来の販売戦略を大きく変えているって知っていましたか？
最もわかりやすい例が、2025年のiPhone SE（第3世代）です。iPhone16eが登場した際、SE3はサイレントで販売終了となりました。「値下げを待っていたのに、気がついたら買えなくなってしまった」という声が続出したんです。
この背景には、Appleが製品ラインナップをより戦略的に管理するようになったことがあります。つまり、売れ行きが芳しくない機種や、新製品と競合する可能性がある機種は、「必要なら切り捨て」という方針を取るようになったのです。
「待てば安く買える」は、もはや保証されるものではありません。 むしろリスクの方が大きくなっているのが現状なんですね。
ちなみに、今でも人気のiPhone SE 3を中古で購入するときの方法を以下の記事でまとめていますので、よかったらご覧ください。
直販終了&中古市場のリアルなリスク
「公式で買えなくなっても、中古で買えばいいじゃん」と思う方もいるかもしれません。でも、これにも大きな落とし穴があります。
Apple公式が販売終了した場合、キャリアでは在庫がある限り購入は可能ですが、次のような制約やデメリットが生じます。
- 割高な価格設定: Apple公式より高い価格で販売されることが多い
- キャリア契約が必須: そのキャリアのプランに加入する必要がある
- 在庫の不確実性: 人気色や容量は早期に売り切れる可能性
- 選択肢の限定: 全キャリアで同じモデルを扱うとは限らない
そして、キャリアでも在庫が尽きた場合は中古市場しか選択肢がなくなり、次のようなリスクが潜んでいます。
- 赤ロムリスク: 前の所有者が端末代金を滞納していた場合、突然使えなくなる
- 修理歴: バッテリー交換や画面修理の履歴が不明
- 保証対象外: Appleの正規保証が受けられない
- 価格高騰: 人気機種は逆に新品より高くなることも
特に最後の「価格高騰」は意外に思われるかもしれませんが、実際によくあることなんです。人気色や大容量モデルが新品で手に入らなくなると、中古市場で定価以上の値段で取引されることも珍しくありません。
「公式値下げ待ち」が裏目に出るケースも、決して少なくないのが現実です。
値上げや争奪戦という新たなリスク
2025年のiPhone市場には、これまでにはなかった新しいリスクも登場しています。
値上げ要因の常態化
世の中、物価高で頭が痛いところですが、iPhoneもそんな危機に直面しています。
- 素材費の高騰: 半導体や希少金属の価格上昇
- 円安の影響: 為替変動による価格調整
- 物流コストの増加: 世界情勢の影響による輸送費上昇
これらの要因により、「中古市場で旧モデルも値上げ」という事態が発生することがあります。値下げを期待していたのに、むしろ値上がりしてしまったら本末転倒ですよね。
キャリア割引の格差とタイミング問題
各キャリアの割引プログラムにも変化が見られます。
- 割引の偏り: 特定の機種や容量にのみ大きな割引
- 人気色・容量の早期完売: 話題色は発売後すぐに品薄に
- 在庫調整による価格変動: 需給バランスによる予想外の値動き
特にProモデルや限定色については、発売後すぐに購入しないと、むしろ値上がりや入手困難になるケースが増えています。
なぜ「早めの決断」が推奨されにくいのか？
ここで疑問に思う方もいるでしょう。「それなら、なぜガジェット系のメディアは『値下げ待ち』を推奨するのか？」という点です。
メディア側の事情
まず、ガジェット系メディアの視点から考えてみましょう。なぜ多くのメディアが「値下げ待ち」を推奨するのかには、実は業界特有の背景があります。
- 新製品の話題性重視: 常に最新情報を追い続ける必要がある
- 断言のリスク回避: 「今すぐ買え」と言って後悔させるリスクを避けたい
- PV数の確保: 値下げやセール情報は読まれやすいコンテンツ
つまり、メディア側にとって「値下げ待ち」を推奨する方が、さまざまな意味で「安全」なんです。
読者への影響
しかし、この結果として「値下げ待ちが正解」という印象が定着してしまいました。だが「絶対安心して安く買いたい」人こそ、早期決断が最大のリスク回避になる場合が多いのです。
前述したように、値下げを待っている間に販売終了になったり、逆に値上げされたりするリスクを考えると、「確実に手に入れる」ことの価値は決して小さくありません。
iPhone16購入で本当に合理的な戦略は？
それでは、iPhone16の購入を検討している方に向けて、具体的にどのような戦略を取るべきなのかをパターン別に整理してみました。
iPhone16の特定モデル・色・容量が決まっている場合
推奨戦略: 現在の価格で即決購入
メリット
- 確実な在庫確保：欲しいモデル・色・容量を確実に手に入れられる
- リスク回避：販売終了や価格変動のリスクを避けられる
- 実質コスパの良さ：長期間使用するなら、早期購入の方が1日あたりのコストが安くなる
デメリット
- 値下げ機会の損失：iPhone17発表後に値下げされた場合、差額分が損になる
- 新技術への対応遅れ：iPhone17で大幅な機能向上があった場合の後悔リスク
- タイミングの早さ：本当に買い替えが必要な時期かの見極めが重要
「iPhone16をとにかく安く買いたい」場合
推奨戦略: 値下げ待ち（ただし高リスク承知で）
iPhone17発表後の値下げを狙う場合は、次のリスクを理解した上で臨みましょう。
- 販売終了リスク：iPhone16 Proシリーズは特に販売終了の可能性が高い
- 値上げリスク：経済情勢により逆に値上がりする可能性
- 在庫消滅リスク：人気色・容量の早期完売
そして、チャンスがあれば即座に行動することが重要です。「もう少し下がるかも」と粘りすぎると、機会を逃してしまう可能性があります。
とにかく安くiPhoneが欲しい場合
推奨戦略: iPhone15など既に値下げ済みモデルを検討
iPhone16である必要がなく、とにかく安くiPhoneが欲しいという方には、すでに値下げされているモデルという選択肢があります。
- 確実な値下げ済み価格：すでに12,000円〜15,000円値下げ済み
- 安定した在庫：現時点では安定して購入可能
- 十分な性能：日常使用では iPhone16との差をほとんど感じない
例えば、楽天モバイルだと旧モデルでも在庫ありとなっているモデルがいくつか存在します。旧モデルはその分値下げされていますし、キャンペーンの対象になっていることもあるので、チェックしてみる価値はあると思います。
ただし、旧モデルを選ぶメリットは基本的に価格面のみです。次のようなデメリットがある点は注意が必要です。
- 性能面での劣位: 処理速度、カメラ性能、バッテリー持ちなどで劣る
- 機能の欠如: iPhone16で追加された新機能が使えない
- サポート期間の短縮: OSアップデート対応期間がiPhone16より短い
- リセールバリューの低下: 将来の下取り・売却価格で不利
iPhone16か17かで迷っている場合
推奨戦略: iPhone17の発売を待つ
iPhone16でも良いが、もしかしたらiPhone17の方が良いかもしれないと迷っている人は、待ったほうがいいでしょう。旧機種を選ぶメリットが基本的に価格のみなのに対し、新機種を待つメリットは価格以外にも多くあります。
メリット
- 最新技術の恩恵: iPhone17で搭載される新機能や性能向上を享受できる
- 長期利用価値: 最新モデルのため、長期間のOSサポートが期待できる
- iPhone16の値下げも狙える: iPhone17発売後にiPhone16が値下げされる可能性
デメリット
- 待機期間の長さ: 2025年9月下旬まで待つ必要がある
- 価格の不確実性: iPhone17の価格や値上げの可能性が不明
- 現機種の劣化リスク: 待っている間に現在のiPhoneが故障・劣化する可能性
- 発売延期のリスク: 予定通り発売されない可能性もゼロではない
現在のiPhoneの状態と待機期間を天秤にかけて判断しましょう。性能や機能を重視するなら、基本的には新しいモデルを選ぶ方が合理的です。
まとめ: 「いつもの年」という思い込みを捨てよう
2025年のiPhone選びで最も重要なのは、「例年通り」という思い込みを捨てることです。
Appleの販売戦略、世界経済の情勢、消費者の購買行動など、あらゆる要素が変化している中で、過去のセオリーに頼るのは危険といえます。
レビュー記事やニュース記事の「値下げ待ち推奨」に過度な期待をせず、供給リスクや市場変化を冷静に見極め、「早めの決断」こそが、最もリスクの少ない選択となるのではないでしょうか。
どの選択肢を選ぶにしても、十分な情報収集と冷静な判断が、満足のいくiPhone選びにつながるはずです
