【初心者向け】無料VPNは危険?正しいVPNサービスの見分け方

セキュリティ

インターネットが生活に欠かせない今、プライバシー保護や安全性の確保でVPN(仮想プライベートネットワーク)の利用が注目を集めています。
無料で利用できるものも多いですが、すぐに飛びつくのは危険。深刻なトラブルに巻き込まれる恐れがあるので注意が必要です。

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無料VPNの危険性を知らないとヤバイ

インターネットを使う上で、オンラインでのプライバシー保護や安全性の確保は非常に重要な問題です。これらの問題を解決する手段としてよく耳にするのがVPN(仮想プライベートネットワーク)です。

インフルエンサーと呼ばれる人たちやネット動画などでも紹介されることが多く、しかも無料で使えるサービスもあるので、使ってみたいと思った人も多いことでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。そういう話は鵜呑みにしない方がいいですよ。
タダ(無料)ほど高いものはないっていいますからね。

VPNにまつわるトラブルはちょくちょく起きていて、特に個人情報の漏洩やデータの不正利用といった深刻な問題に巻き込まれる可能性があるのです。

そもそもVPNとは?

まずはVPNの基本についておさらいしておきましょう。

VPN(仮想プライベートネットワーク)は、インターネット上でのデータ通信を暗号化し、ユーザーのプライバシーを守るための技術です。VPNは、ユーザーのデータを暗号化し、リモートサーバーを経由させることで、第三者による盗聴や追跡を防ぎます。これによって自宅や公衆Wi-Fiなど、どこからでも安全にインターネットに接続できるのが大きなメリットです。

これ以外にも、VPNを使うと地理的制限を解除できるので、特定の地域では制限されているコンテンツが利用できるようになるというメリットもあります。例えば、Netflixのような動画配信サービスで、日本では配信されていないコンテンツ(ジブリ映画とかね)を日本にいながら視聴が可能になります。

まとめると、VPNを使うメリットは大体次のようなものがあると言えます。

  1. 匿名性の確保: オンラインでの活動を匿名に保てるから、プライバシー保護が必要な時に重宝されるんです。
  2. 地理的制限の解除: NetflixやHuluみたいに、特定の地域でしか見られないコンテンツにアクセスするために使われています。
  3. 公共Wi-Fiの安全性向上: カフェや空港などの公共Wi-Fiネットワークはセキュリティリスクが高いので、VPNを使って接続を保護するんですよ。

なぜ無料で提供できるのか?

このVPNを提供するサービスには有料と無料のものがあります。基本的にどちらもユーザーのインターネット接続を保護する機能を提供しています。

「それであれば無料の方がいいじゃん!」

となりますよね。有料VPNだと月額料金が発生するので、物価が高止まりしない今、そんなにコストはかけていられません。それに同じサービスを受けられるなら、無料で十分となるのは必然です。

しかし、不思議ですよね。VPNサーバーを運営するにはお金がかかりますし、それを運用する人たち(従業員)にもお給料を払わなければなりません。つまり、VPNを運営するのには莫大なお金が必要なので、収益を上げないとならないはずです。それなのになぜ無料で提供できてしまうのでしょうか?

そのからくりですが、多くの無料VPNは、広告を表示してサービスを提供しています。日本の民放テレビ局や無料アカウントユーザーがYouTubeを利用するのと同じスタイルですね。ユーザーは広告を見る代わりにサービスが無料で利用できるというわけです。

これ以外には、プレミアムサービスといった有料プランを設けており、フルの機能を使うにはアップグレードを促して収益を上げています。要は無料で試してもらって、満足いくなら有料プランに加入してね。ということです。

これだけならいいんです。これだけなら。

無料VPNはリスクが多い

さっきも書きましたが、タダ(無料)ほど高いものはない、というのは真理だと思っています。つまり、無料VPNの隠れたリスクを知っておくことが、身を守ることにつながると思うんですよね。
そのあたりについて解説していきましょう。

個人情報を転売される

VPNは情報を暗号化するためにVPN業者のサーバーに接続するわけですが、つまり、その業者は接続してきた通信の情報を閲覧できるということなんです。

多くの無料VPN業者は次の情報を収集しています。

  • 端末情報
  • ブラウザの履歴
  • Wi-Fiの接続情報
  • アプリ内課金の情報
  • 送受信しているデータ
  • 電話番号
  • 各種アカウントのID・パスワード
  • メディアファイル(画像や動画)

これらの情報は非常に貴重で、喉から手が出るほど欲しがっている業者が少なくありません。つまり、これらの情報を転売することによって利益を得ているのです。
転売する相手はまともな企業の場合もあるでしょうが、中にはかなりグレーな人たちが含まれることもあります。つまり、これによって余計な勧誘がくる原因となります。

もし、犯罪目的の人たちに転売されてしまった場合、振り込み詐欺、なりすまし詐欺などの犯罪に巻き込まれる恐れがありますし、クレジットカード情報が知られるとクレカの不正利用にもつながります。ログインするためのID・パスワードが知られれば、SNSアカウントが乗っ取られることだってあります。

すべての業者がそうだとは言いませんが、プライバシーポリシーが曖昧な業者、悪意を持った業者などは存在するので注意が必要です。

情報漏えいが起きる

無料VPNは、ユーザーのデータを暗号化して安全に保つって言っていますが、実際はそうじゃないことが少なくありません。技術力の低い無料VPNサービスの場合、しっかりした暗号化技術を提供しておらず、第三者がデータを傍受したり盗聴したりできる状態になっていることがあります。

また、セキュリティのレベルも低く、業者のデータベースに不正アクセスされ、情報が漏えいしたという問題も起きています。具体的には、人気のある7つの無料VPNサービスで業者が所有するデータベースから2000万人超のユーザーデータが漏洩していたことが発覚したことがあります。

7つのVPNサービスから2000万人超のユーザーデータが漏洩していたことが発覚
ESETは7月20日(米国時間)、運営するセキュリティ情報のポータルサイト「WeLiveSecurity」において、7つのVPNサービスから合計1.2TBのユーザーデータが漏洩しているという研究機関による調査結果を伝えた。これらのデータには...

このように技術に裏付けがない業者が少なくなく、安全が守られないリスクがつきまとっています。

表示される広告が鬱陶しい上にマルウェアが仕込まれている恐れがある

無料VPNが広告収入に頼っているのは前述しましたが、具体的には広告をポップアップ表示させてユーザーを誘導させることが多いです。しかし、このポップアップ広告というものは非常に鬱陶しいもので、何かするとポップアップしてしまうので、非常にストレスが溜まってしまいます。

問題なのは、この広告にマルウェアなどが仕込まれている恐れがあることです。特に悪意のある業者の場合、フィッシングサイトに接続するような広告を出しており、そこから詐欺被害につながる恐れがあります。

このように無料VPNはセキュリティに対するリスクが非常に高いので、詳しくない人は飛びつかないのがいい理由の1つになります。

接続速度が遅くなる

接続速度の低下も、無料VPNの問題点の1つ。無料VPNを利用しているユーザーが同じサーバーへ接続しますので、ネットの速度がすごく遅くなることがあります。特に混雑している時間帯には、ストリーミングやダウンロードの速度が著しく低下することがあって、快適にインターネットを使えなくなることも少なくありません。

速度が遅いだけではなく、接続が不安定なることもあり、頻繁に切断されたり再接続が必要になったりすることもあります。

安全なVPNの選び方

このように無料VPNはかなりリスクの高いものだとおわかり頂けたでしょう。
ただ、ちょっとだけ使いたいという場面は存在しなくもないです。そのような場合に、どのような点を基準にしたらいいでしょうか。

セキュリティ機能を確認する

まず、VPNが提供するセキュリティ機能を確認します。強力な暗号化技術、ノーログ(ログを保存しない)ポリシー、キルスイッチ機能などが謳われている業者を選択するといいでしょう。これらの機能があれば、データの安全性が高まり、プライバシーも守られやすくなります。

利用規約やプライバシーポリシーを確認する

利用規約やプライバシーポリシーにはその業者がデータをどのように取り扱うかが明記されています。そのため、これらをしっかりと確認しておくことが重要。

長いし、文字も小さいし、読むのが大変

と思ってしまう場合は、使わない方がよいです。
読まずに使って後からトラブルに巻き込まれても、「規約に書かれていますから」と言われたらお終いだからです。

信頼性と評判の高いところを選ぶ

何よりも信頼性と評判が大切。ユーザーレビューや専門家の評価をチェックして、信頼性のあるサービスを選ぶようにするのが最も手軽な判断方法です。みんなが使っていて、良い評価を得ているVPNは、安心して使えることが多いです。

ただし、サクラが書いているということは否定できないので、ネガティブな意見があったらそれを重視してチェックしていくのもいいでしょう。あとは過去にトラブルが起きていないかをチェックすることも重要です。

「VPN 比較」などで検索すると多くのサイトでレビューが読めるので、信頼できるサイトを見つけて参考にするといいのではないでしょうか。

有料VPNの方が信頼できる

最も確実なのは有料VPNを使うことです。有料VPNは無料VPNと比べて高度なセキュリティ機能を提供しているところが多く、より安全に使えます。またサーバーの数や質も高いことが多いので、ネットへの接続速度や安定性が保証されています。

さらにカスタマーサポートを提供しているところが多いので、困ったことが起きてもサポートが受けられるのは大きな強みです。

ただし、利用料金はサービスによってバラバラ。そのため、有料VPNを使うときはサービス内容と料金をバランスにかけて、自分に合いそうなものを選ぶようにしましょう。中にはトライアル期間を設けているところもあるので、これを使うのも1つの方法です。

あと、有料だからといってすべての業者が信頼できるかといったらそうではありません(残念なことですが)。中には悪意を持った業者がいないとも限りませんので、前述したとおりに信頼性と評判の高いところを選ぶようにしたほうがいいでしょう。

VPNを使う場合は慎重に選ぶ

プライバシー保護や安全性の確保ためにVPNは非常に役立つサービスです。しかし、無料VPNはリスクが存在することは否定できません。もし、そのリスクを知らずに使うととんでもないことに巻き込まれしまう恐れもあるので注意が必要です。

すべてがダメというわけではないので、有料・無料問わずに慎重に選ぶことが重要。今回紹介した内容を参考にして選べば、とりあえず変なところは避けられると思います。

セキュリティネットサービス
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