昨日の新型 iPad の発表に引き続き、噂されていた MacBook Air の新型が発表されました。iPad の発表と同じように、新しいモデルは外観は変わらず、内部的にアップデートが施されました。そこで、新型 MacBook Air の主な特徴や前モデルとの違いなどをまとめていきます。
MacBook Air(M4):長年指摘されていた課題が解決!
MacBook Air の新型が昨年に引き続き発表されました。こちらのモデルは外観は変わらず、内部的なアップデートが施されています。特に、最新 M4 チップを搭載することにより、性能や機能が大幅に進化しました。

主な特徴
MacBook Air(M4)の主な特徴は次のとおりです。
- M4 チップ搭載
10 コア CPU(4 つの高性能コア、6 つの高効率コア)と最大 10 コアまたは 8 コア GPUを採用
Neural Engine は16 コアで、AI 処理性能が大幅に向上(最大38TOPS)
M1 モデル比で最大 2 倍、M3 モデル比で約 30% の性能向上 - メモリとストレージ
標準で 16GB のユニファイドメモリを搭載。最大 32GB まで選択可能(M3 モデルは 24GB まで)
ストレージは 256GB から最大 2TB まで選択可能 - バッテリー寿命
最大 18 時間の駆動時間 - ディスプレイと外部出力
最大 2 台の外部ディスプレイ(6K 解像度、60Hz)に対応
Thunderbolt 4 や USB-C 経由での DisplayPort 1.4 出力をサポート - ポート
Thunderbolt 4 / USB 4 ポート x 2 - ワイヤレス
Wi-Fi 6E(802.11ax)/ Bluetooth 5.3 - デザイン
薄型・軽量デザインを継続(13 インチモデルは約 1.24kg、15 インチモデルは約 1.51kg)
新色「スカイブルー」が追加され、既存のミッドナイト、スターライト、シルバーと合わせて 4 色展開 - その他の機能
macOS Sequoia に最適化され、AI 関連機能(画像補正、翻訳など)が強化
静音性と冷却性能が向上し、ファンレス設計を維持
前世代モデルとの比較
前モデルから変更された点をピックアップすると次のようになります。特に AI 処理性能やバッテリー寿命、メモリ容量の面で大きな進化を遂げています。
- 処理性能:M1モデルと比べて最大 2 倍高速
- メモリ:最大 32GB 対応(前モデルは最大 24GB)
- AI 処理性能:Neural Engine(16 コア、38TOPS)(前モデルは Neural Engine(12 コア))
- 外部ディスプレイ対応:最大 2 台の 6K 外部ディスプレイに対応(前モデルは 1 台のみ)
- カメラ機能:1,200 万画素センターフレームカメラ搭載、Center Stage 機能と Desk View 機能に対応
ついに最大 2 台の外部ディスプレイをサポート
MacBook Air(M4)では、ついに外部ディスプレイを 2 台サポートしました。前世代の M3 モデルでも 2 台のディスプレイをサポートしていましたが、MacBook Air の画面が閉じていない(クラムシェルモード)と表示できませんでした。
しかし、MacBook Air(M4)は、画面を開けた状態でも 2 台のディスプレイで表示可能。最大 6K 解像度で表示が可能です。つまり、合計で 3 台分のディスプレイが同時に利用できるというわけですね。今やマルチディスプレイは一般的になりつつあるため、ようやく対応したという印象です。
処理性能が大きく向上
今回搭載されている M4 チップは、10コアCPU(4つの高性能コア、6つの高効率コア)と最大10コアGPUを採用しており、M1 モデルと比較して最大 2 倍、M3 モデルと比較して約 30% の性能向上しています。
また、Neural Engine は 16 コアで、AI 処理性能も大幅に向上(最大 38TOPS)。カメラフレームの自動センタリング、AI による画像アップスケーリング、最新の大規模言語モデルの実行などが快適に動作するそうです。また、内部的に処理を行う Apple Intelligence の動作も快適になるんじゃないかと思います。
キーボードの刻印が変化
細かい変更点ですが、日本語キーボードではスペースキーの両隣に「英数」「かな」と刻印されていたキーがあります。このキーが「ABC」「あいう」に変更されるそうです。

ここに注意
順当に進化した MacBook Air(M4)はあまり大きな欠点はないモデルですが、いくつか注意しておきたいところはあります。
エントリーモデルの GPU は 8 コア
最も価格の安いエントリーモデル(16万4,800円)の場合、GPU が 8 コアになります。さらに、GPU 8 コアのままカスタマイズできないので、メモリやストレージを増量すると、必然と GPU 10 コアモデルに変更されます。ちなみに GPU 10 コアモデルへの変更は 1万5,000円の追加です。
ポートが少ない
MacBook Air ではいつものことですが、搭載されているポートは Thunderbolt 4 / USB 4 ポート x 2 だけです。そのため、複数のデバイスを接続する場合は、以下のようなハブが必要になります。また SD カードスロットもないので、一眼レフやミラーレスカメラからのデータ取り込みは面倒ですね。この用途が頻繁にあるなら MacBook Pro の方が向いていると思います。
マルチディスプレイ環境の構築
ここで書くことは憶測ですが、懸念事項です。最大 2 台のディスプレイをサポートしていますが、Mac はディスプレイ間のデイジーチェーン(ディスプレイを数珠繋ぎで接続する方法)はサポートしていないので、2 つの Thunderbolt 4 / USB 4 ポートを使用して、それぞれのディスプレイを直接接続しなければなりません。そのため、これだけでポートが塞がってしまいます。実際に試したわけではないので、確実なことは言えませんが、マルチディスプレイ環境を目指している人は、購入前に情報をしっかりチェックした方が良さそうなポイントです。
スペースグレイが廃止
MacBook Air(M4)は、新しいカラーバリエーションとしてスカイブルーが追加されました。これに伴い、スペースグレイが廃止となっています。個人的にはスペースグレイを愛用していたので、非常に残念。スカイブルーもいい色ですが、スペースグレイは残してほしかった。
どんな人におすすめ?
大幅に性能が向上した MacBook Air(M4)は、主に次のような目的で使う人におすすめではないでしょうか。
- プロフェッショナルな作業を行うユーザー(写真・動画編集、プログラミングなど)
- マルチディスプレイ環境で作業を行う人
- マルチタスクを頻繁に行うユーザー
- 外出先で長時間作業する必要がある人
- 軽量でコンパクトなデバイスを求める学生やビジネスパーソン
- 広い画面で作業したい人(15インチモデル)
ここまで色々と書きましたが、ノート型の Mac が欲しい人には間違いなくおすすめです。エントリーモデルでもメモリは 16GB ありますし、十分パワフルではないかと。ただ、内部で処理する AI(Apple Intelligence)などは、メモリをバカ喰いするので、数年後には 16GB でもメモリが足りないと言われるかもしれません。そのため、長期間使う前提なら、メモリは余裕を持たせた方が安心かもしれません。
発売日は3月12日
新型 MacBook Air(M4)の発売日は 3 月 12 日。予約はすでに始まっています。
13インチの価格は次のとおり。

15インチの価格は次のとおり。

ちなみにお値段は前モデルから据え置き。両モデルともカスタマイズが可能で、カスタマイズによって価格は変動します。
まとめ:iPad に続いて堅実なアップデート
新型 MacBook Air(M4)は、エントリーモデルでも十分パワフルで、ビジネス系アプリの使用、ウェブ閲覧や動画視聴などを目的としているのであれば十分過ぎるぐらいの性能です。ただ、先にも書きましたが、Apple Intelligence などはメモリをバカ喰いしそうなので、その点だけは注意したいところですね。
新型 MacBook Air(M4)の発表とともに、前世代の M3 モデルは終売となってしまいました。しかし、M3 モデルも正直十分過ぎるぐらいの性能を持っていると思うので、セールや売り尽くしなどで前モデルが安くなっているのであれば、そちらを狙うのもアリかと思います。
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