2026年1月のWindows Updateを適用した後、「PCを起動してから約5分後に完全にフリーズしてしまう」という不具合が、一部のユーザーから報告されています。この問題は特に古めのPCで発生しているようで、Windows 10とWindows 11の両方で報告が上がっているんですよね。
気になるのは、Microsoft公式サイトの「既知の問題」リストには、この5分フリーズの症状がまだ明記されていないという点です。ただ、複数のユーザーフォーラムでの検証結果から、「Secure-Boot-Update」というタスクが関係している可能性が高いとみられています。
そこで、現時点で分かっている情報を「確認されている事実」と「ユーザー検証に基づく推測」に分けて整理しながら、実際に困っている方向けの回避策をまとめました。公式確定情報ではありませんが、現場レベルで役立つ暫定情報として参考にしていただければと思います。
どんな環境で起きているのか:対象となるOSとハードウェア
報告されているOS環境
この5分フリーズ問題が報告されているのは、主に次の環境です。
Windows 10の場合
Windows 10 22H2(ESU環境を含む)で、2026年1月の更新プログラム「KB5073724」を適用した後に「起動後4〜5分でフリーズする」という報告が複数のフォーラムで上がっています。ESU(Extended Security Updates)を契約している企業ユーザーからも同様の症状が寄せられているようです。
Windows 11の場合
Windows 11 24H2/25H2、あるいは23H2 Enterprise版などで、1月14日以降の更新プログラム(KB5074109など)を適用した古いPCでも、同じような症状が出る可能性があるとされています。
ハードウェアの傾向:古いCPU搭載機で目立つ
ユーザー報告や検証記事を見ると、この問題は2010年代前半から中盤にかけての古いCPU・チップセットを搭載したPCで特に多く発生しているようです。
具体的には、Intel第4世代(Haswell)、第5世代(Broadwell)、第6世代(Skylake)あたりのCPUを使っているPCでの報告が目立ちます。これらは本来Windows 11の公式サポート対象外の世代ですが、チェックを回避してWindows 11を入れている環境では特に症状が出やすいという指摘もあるんですよね。
Secure Bootとの関係
報告されているケースの多くで共通しているのが、「Secure Bootが有効になっている」「Windows起動から数分後にフリーズする」という2点です。ただし、これはあくまで複数の報告から見える傾向であり、すべての環境で当てはまるわけではない点には注意が必要でしょう。
症状の具体的な特徴:突然の完全フリーズ
典型的な発生パターン
実際に問題が起きているユーザーの報告をまとめると、次のような症状が典型的なパターンのようです。
起動直後からサインインまでは、いつも通り普通に動作します。デスクトップが表示されて、ブラウザやアプリを開くこともできる状態なのですが、電源を入れてから約4〜5分が経過したタイミングで、突然マウスもキーボードも一切反応しなくなります。
画面は表示されたままですが、カーソルも動かず、Ctrl+Alt+Deleteも効きません。結局、電源ボタン長押しでの強制終了しか方法がなくなってしまうという状況です。
さらに厄介なことに、セーフモードで起動した場合でも同じように数分後に固まってしまうケースが報告されています。これは通常、セーフモードなら回避できるような単純なソフトウェア競合ではない可能性を示唆しているんですよね。
タスクスケジューラに残された手がかり
何人かのユーザーが、フリーズする前のタスクスケジューラやイベントログを詳しく調べた結果、興味深い共通点が見つかりました。
タスクスケジューラの中に「Microsoft\Windows\PI\Secure-Boot-Update」というタスクがあり、これが起動後数分で自動実行される設定になっていること、そしてこのタスクが実行されるタイミングとフリーズの発生時刻がほぼ一致しているケースが複数確認されています。
また、一部のユーザーは問題のKB(更新プログラム)をアンインストールしても症状が変わらなかったと報告しています。このことから、「更新プログラムのインストールをきっかけにSecure-Boot-Updateタスクが動作するようになったこと」が本質的な原因ではないか、という分析もあります。ただし、これはあくまで推定の域を出ない情報です。
原因候補:セキュアブート証明書の自動更新タスク
2026年6月に迫る証明書の失効
ここからは、なぜこの問題が起きているのか、現時点で有力視されている仮説について説明します。繰り返しになりますが、Microsoft公式が「これが原因です」と認定したわけではないので、あくまでユーザー検証に基づく推測です。
Microsoftは2026年1月の更新プログラムで、「2026年6月に失効予定のセキュアブート証明書を更新する仕組み」を導入しました。セキュアブートというのは、PCの起動時に不正なプログラムが読み込まれないようチェックする機能で、その仕組みの一部として使われている証明書に有効期限があるんですよね。
この証明書を自動的に更新するために用意されたのが、先ほど触れた「Secure-Boot-Update」タスクです。このタスクはWindowsが起動してしばらくすると自動的に実行され、新しい証明書をシステムに適用する設計になっているとみられます。
古いシステムとの相性問題か
問題は、このSecure-Boot-Updateタスクが実行される際に、古いPCや特定の構成では何らかの競合や不整合が発生し、PC全体がフリーズしてしまうのではないかということです。
おそらく、古いUEFI(BIOS)やチップセットのファームウェアと、新しい証明書更新の処理が上手く噛み合わず、システムがデッドロック状態に陥っているのではないかと推測されています。ただし、正確なメカニズムは現時点では明らかになっていません。
回避策その1:Secure Bootを無効化する
問題が起きている環境での対処方法は主に2つ。まず1つ目は、「Secure Boot自体を無効化する」という方法です。
どうして効果があるのか
Secure Bootを無効にすると、証明書のチェックが行われなくなるため、Secure-Boot-Updateタスク自体が実質的に動作しなくなります。その結果、タスク実行時に起きていたとみられる不具合を回避できる、という考え方ですね。
設定変更の手順(概要)
具体的な操作方法は、PCメーカーやマザーボードのメーカーによって細かく異なるため、大まかな流れとなります。
- PCを再起動し、起動直後に表示されるメーカーロゴの画面でF2キーやDelキーなどを押してUEFI設定画面に入る(キーはメーカーによって異なります)
- 「Boot」や「Security」といった項目の中から「Secure Boot」の設定を探す
- Secure Bootの項目を「Enabled」から「Disabled」に変更する
- 設定を保存してUEFI設定を終了し、Windowsを起動する
メーカーごとの詳しい手順は、お使いのPCのマニュアルやメーカーのサポートページを確認してください。
メリットとデメリットを理解しておく
メリットは、手順がシンプルで効果が出やすいこと。この対処でフリーズが止まったという報告が複数上がっています。
一方、デメリットとしては、Secure Bootを無効化することで、マルウェアや不正なプログラムに対する防御レイヤーが1つ減ってしまう点が挙げられます。また、将来的にセキュアブート証明書の更新が必要になった際、その更新が適用されない可能性もあるんですよね。
あくまで「今すぐフリーズを止めたい」という緊急避難的な対処として考えるのがよいでしょう。
回避策その2:Secure-Boot-Updateタスクを無効化する
2つ目の方法は、Secure BootはONのまま、問題を起こしているとみられるタスクだけを無効化するアプローチです。
Secure Bootの保護は維持できる
この方法の利点は、Secure Bootそのものは有効のままなので、起動時の不正プログラムチェック機能は維持できるという点です。証明書更新のタスクだけを止めることで、フリーズを回避しつつセキュリティレベルの低下を最小限に抑えられます。
タスクスケジューラでの操作手順
具体的な手順は次の通りです。
- Windowsキー+Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「taskschd.msc」と入力してEnterキーを押し、タスクスケジューラを起動する
- 左側のツリーを展開して「Microsoft」→「Windows」→「PI」と辿る
- 右側に表示される「Secure-Boot-Update」というタスクを右クリックする
- 「無効化」を選択する
これで、このタスクは起動後に自動実行されなくなり、フリーズが止まったという報告が複数あります。
注意すべきポイントとリスク
ただし、この方法にも注意点があります。タスクを無効化すると、セキュアブート証明書の自動更新が行われなくなるため、将来的に証明書の期限切れなどの別の問題を引き起こす可能性があります。
また、今後Microsoftが修正パッチをリリースした際には、一度このタスクを再び有効化して動作を確認する必要があるでしょう。
なお、証明書を手動で更新する高度な方法も存在しますが、一般ユーザーが行うにはリスクが高いため、本記事では扱いません。
一般ユーザーはどこまで対応すべきか:リスクの整理
ここまで2つの回避策を紹介しましたが、どちらの方法もそれなりにリスクを伴う作業です。作業前に知っておくべきことをまとめておきます。
バックアップと慎重な作業が大前提
BIOSでのSecure Boot設定変更も、タスクスケジューラでのタスク無効化も、操作を誤るとWindowsが起動しなくなったり、別の不具合を引き起こしたりする可能性があります。
作業を行う前には、必ず重要なデータのバックアップを取っておきましょう。また、PC操作に不安がある方は、詳しい知人やメーカーのサポート窓口に相談しながら作業することを強くおすすめします。
企業や管理者の場合の考え方
複数台の古いPCを管理している企業や組織の場合、まずは検証用の1台でSecure-Boot-Updateタスク無効化の効果を確認し、問題が解決することを確かめてから他のPCに展開する、という慎重なアプローチが望ましいでしょう。
場合によっては、グループポリシーなどでタスクを一斉に制御する方法も検討する価値があるかもしれません。
まだ症状が出ていない人はどうすればいい?
「1月の更新は入れたけど、今のところフリーズは起きていない」という方や、「まだ更新を適用していない」という方向けのアドバイスをまとめておきます。
すでに更新済みで問題が出ていない場合
1月の更新プログラムを適用済みで、起動後5分経ってもフリーズせず正常に動いているのであれば、無理にSecure Bootを切ったりタスクを無効化したりする必要はありません。
ただし、同世代の古いPCを複数台使っている場合は、今後どれかのPCで症状が出たときにすぐ対応できるよう、タスクスケジューラで「Secure-Boot-Update」タスクの存在や設定を事前に確認しておくと安心かもしれません。
まだ更新を適用していない場合
まだ1月の更新プログラムをインストールしていない古いPCの場合は、判断が少し難しいところです。
更新を遅らせればフリーズのリスクは回避できますが、その代わりセキュリティ修正が適用されないリスクを抱えることになります。一般的には、セキュリティリスクの方が深刻なケースが多いため、基本的には更新を適用するのがおすすめです。
ただし、業務で使っている重要なPCで「絶対にフリーズさせられない」という事情がある場合は、他のPCで先に検証してから適用する、あるいは公式の修正パッチが出るまで一時的に更新を見送る、という選択肢も考えられます。
まとめ:現時点では「暫定対処」
改めて整理すると、2026年1月のWindows Update適用後に「起動5分後のフリーズ」が発生する問題は、Microsoftがこれを公式の「既知の問題」として明示しているわけではなく、Secure-Boot-Updateタスクが原因だと確定したわけでもありません。
しかし、複数のユーザー報告と検証結果が同じパターンを示していることから、実務上は高い確度でこのタスクとの関連を疑ってよい状況だと言えそうです。
回避策としては「Secure Bootの無効化」または「Secure-Boot-Updateタスクの無効化」がありますが、どちらもリスクを伴う作業です。公式確定情報ではない段階での暫定的な対処方法として、慎重に判断していただければと思います。

